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孤独な端末

Amazonの音声認識技術『Alexa』は他社へ無償で提供しているので、普及が進むと、家中に複数のAlexa対応機器が混在することになる。

それぞれの機器が単体での動作を前提にしているので、「Alexa」と呼び出したときに近くにあるすべての機器が反応してしまう。

Alexa搭載のテレビと冷蔵庫があって、たとえば「冷蔵庫の中身をテレビに映して」と命令したら機器同士が連携してほしいところだが、今はそういった連動ができない。

Alexaは音声情報をネット経由で送信し、サーバー側で解析した依頼内容に合わせたアクションを実行する。そのためかクライアントとサーバー間のやりとりだけで、ローカルの端末間の通信は行えない。

現状は同じ空間に他のAlexa搭載機器があるかどうかローカル端末もサーバー側も判別していない。さっきの冷蔵庫とテレビのような連携を行うためには家の中にハブを置くのが妥当だろう。

動画や写真を格納するホームサーバーは以前からあったが、Huluに代表される定額動画サービスやgoogleフォトなどのクラウドサービスが普及したので、一般家庭ではコンテンツを格納するサーバーを必要としていない。

Alexaが必要としているのは、クラウドサービスと複数端末を連携するための集中管理システムだ。

他社を見てみると、Androidは複数の端末が同じ部屋にあっても端末同士を意識していない。

限定的ながら、実現できているのはAppleだ。近くの端末間でファイルのやりとりができるAirDrop、携帯回線に繋がるiPhone経由でMacから電話を掛けることができるなど連携ができる。BluetoothイヤホンのAirPodsは近くにある同じiCloudアカウントの端末と自動的に繋がる。

垂直統合型だから連携しやすいApple製品でも音声認識技術でSiriは端末間の連携ができない。iPhoneのSiriに「部屋のMacを起動して」とは命令できない。

いわゆるIoTが普及し家庭に複数端末が存在するのが当たり前になってくると、端末間の高度な連携は今後のITが進化するための大きな課題のひとつになるだろう。