公聴会での証言
FacebookのザッカーバーグCEOが米国議会の公聴会で証言した。
多くの議員が質問していたが、ほとんどの議員はFacebookのビジネスモデルについて理解していなかったようだ。理解していない議員にとってFacebookは、集めた個人情報を売って儲ける強欲な企業に見えているのだろう。
二日間の公聴会でザッカーバーグは丁寧に回答していた。今回の不正利用についてザッカーバーグは自分の責任を認め、今後ある程度の規制が必要と発言している。ザッカーバーグとしては、Facebookを生み出した自由なアメリカ文化は維持するべき、ただプライバシーを守る権利はきちんと保護すべきだと考えているのだろう。
個人情報利用が生命線
規制には同意したが、ザッカーバーグは個人情報に基づいた広告で儲けるビジネスモデルは死守したいと主張していた。ユーザーが自ら自由にオプトアウトできれば問題ない、広告モデルは全世界のユーザーに無料でコミュニケーション手段を提供する適切なモデルだと主張を堅持していた。
ここがFacebookの生命線だとザッカーバーグは考えているようだ。
以前にも記事したように、Webサービスをユーザーにとって無料で提供するために広告モデルは現状確かに最適なモデルだ。問題は、今回の公聴会でも議論されたように個人情報の取扱りだ。
結局は広告モデルのため
TVや新聞などの旧メディアよりもWebの広告が優れているのは、広告を個人ごとにカスタマイズできる点だ。興味がありそうな人に広告を出したほうが、もちろん効果的だ。そのためには個人情報を広告で使える現在の仕組みを維持する必要がある。
ザッカーバーグが主張するように広告モデルを維持する代わりに、たとえばログイン時にユーザーへ個人情報利用のリスクを伝えたり、オプトアウトの設定をわかりやすくするなどの規制が必要になるだろう。