絶好調なAmazonの決算
Amazonは引き続き絶好調だ。
売上は前年同期比で38.2%増。これだけの規模の企業で、毎年伸び続けているのは驚異的としか言えない。
ネット販売だけではなく、クラウドサービスであるAWS、Amazonプライム、Amazon Pay、ホールフーズ・マーケットによるリテール、そして広告と、Amazonが重点分野としている多くの分野で成長している。
以前にも記事にしたように、Amazonはオンライン販売という優れたビジネスモデルだけではなく、ビジネスを成長させる「人」が優れている。だから、新規事業でも勝ち続けることができるのだ。
一番先頭を走っているランナーが最も一生懸命に走ったら、他のランナーは誰も追いつけない。アメリカだけではなく全世界でAmazonは勝利している。
もはや「Amazon vs. 小売店」ではなく「Amazon vs. 全世界企業」の構図になってきている。オンラインだけではなく、すべてのビジネスをAmazonは変えようとしている。
Amazonの弱点
では、Amazonの弱点はどこにあるだろう? それは政府だろう。AmazonのCEOジェフ・ベゾスはトランプ大統領と仲が悪いと言われている。先日もトランプ大統領の批判でAmazonの株価が下落した。Amazonのシェアが増大すれば独占禁止を訴える政治家も出てくる。政治家は一企業が力を持つのを嫌がるものだ。これはトランプ大統領だけではない。自分を選出してくれた地元の企業が窮状を訴えれば、Amazonを糾弾する政治家も増えてくる。
アメリカだけではない。ヨーロッパでもAmazonに課税する動きが強まっている。
AmazonのCEOジェフ・ベゾスは「世界の人のためにより良いことをする」と主張する。その方針は立派だが、世界の多くの既得権益者との対立をどう処理するのか。今までとは異なるアプローチが求められるだろうし、その先に今のようなAmazonがあるかわからない。