史上最高のQ3
Appleが好調な決算を発表した。
第3四半期(4月から6月)の売上は前年同期比約17%増、純利益は約32%増。クックCEO曰く「史上最高のQ3決算」だそうだ。
iPhoneの販売単価が上昇
好調な決算を支えたのは、まずはiPhone。台数は1%増だが、売上は20%増。単価が高いiPhone XとiPhone 8 Plusの販売比率が増えて、平均製品単価が約20%上昇した。飽和状態のスマートフォン市場で売上を伸ばすために、高付加価値の製品に注力したAppleの戦略の勝利だ。
一方、iPadとMacの売上は−5%。iPadは出荷台数が1%増えたので、値下げしたNew iPadの影響が大きい。Macの出荷台数は−13%。新型MacBook Proが登場した今期どうなるかがポイント。このままMacの売上が回復しないと、iPadへの統合説が勢いを増すだろう。
他に好調だったのが、「Service」と「Other Products」。iCloud、Apple Music、AirPods、Apple Watchの売上が伸びた。
Apple Watchはセルラーモデルが登場したseries 3から、普及が加速した。販売台数などの詳細情報をAppleは明らかにしていないが、徐々にiPadの売上に近づいてきていると思われる。
普及価格帯に踏み込めるか?
だが、Appleの総売上のうちiPhoneの割合は約56%と前年同期の約52%より増えている。iPhone依存の体質は変わっていない。iPhoneの売上の伸びだけで、AirPods・Apple Watchを含む「その他」の総売上よりも多い。
IDCの調査では、スマホの出荷台数でAppleはHuaweiに抜かされ3位に落ちて、4位のXiaomiも急速に台数を伸ばしている。
中国系メーカーが廉価版のスマホで大きなシェアを握っているからだ。Appleが更に成長するためにはiPhoneの総売上を伸ばすことが必要だ。
次期iPhoneの3タイプのうち液晶モデルが廉価版と思われる。この液晶モデルがiPhone SE2と呼ばれるかどうかはわからないが、この廉価版が中国系メーカーに競合できる価格でだせるかが、iPhoneひいてはApple全体の売上を決める。