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総務省が進める「スマホ完全分離プラン」は悪なのか?

端末と通信料金の完全分離

スマホなどの端末販売と通信料金の完全分離をキャリアに求める提言を総務省が行った。いわゆる「0円スマホ」と呼ばれるような端末と長期契約をセットにすることで、最新のスマホを格安で販売するビジネスモデルの否定だ。

新規にスマホを買うと、「月々割引」など毎月の通信料金から割引を行うサービスが今は横行している。

総務省があげている問題点は、主に3点。

  • 通信料金が下がらない
  • 料金プランが分かりづらい
  • ユーザーがキャリアと端末を自由に選べない

菅官房長官の「4割下げる」発言でも言及されているように、各国と比較して日本の通信料金は高いと言われる(通信品質を考慮すると高くないというキャリアの主張もある)。

端末料金とセットだと、安いのか高いのかよくわからず、他のキャリアと比較しづらい。新型iPhoneが登場する度に「実質支払額」を計算するサイトが人気になるのも、どのプラン、どのキャリアが安いか判断しづらいからだ。

端末購入と複数年契約がセットだと、他のキャリアへ容易に移行しづらくキャリアがユーザーを囲い込むので、キャリア同士の競争原理が働かず通信料金が下がらないと総務省と一部の有識者は主張する。

確かに、いつでも自由に好きなキャリアを選べれば、安いキャリアへ移行しやすくなるので、通信料金が安くなりそうだ。

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引用:総務省

格安SIMから見えたこと

通信料金を下げるために、多くのユーザーが格安SIMを利用していると思う。キャリアから格安SIMに移行すると、3割以上料金が下がるユーザーが多い。通信料金プランもシンプルだ。音声通話の有無とデータ容量を選べば毎月の使用料金が決まる。

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引用:mineo

格安SIMユーザーは増加の一途なので、ほっといてもシンプルで安い料金プランは一般化しそうだけど、話はそう簡単ではない。

現在、格安SIMでも端末とのセット販売が主流になってきているのだ。一般ユーザーからするとSIMロックを解除して、自分でSIMカードを入れ替えプロファイルをインストールする手順はハードルが高い。そんな手間を犯すなら端末も一緒に購入したいユーザーも多いし、格安SIM企業としてもサポートする手間が省ける。

端末とセットで契約すれば、設定を終えた端末をキャリアが送ってくれる。

0円スマホを望むのは間違い

この議論になると、「今まで安かった最新スマホが買えなくなる」といったネガティブな意見がでる。分離プランが一般化すれば、最新スマホが売れなくなり、メーカーと販売店の経営を圧迫すると言われる。

ただ、これは総務省が言うように「今までが異常」だったのだ。安く端末が買えたのは、一定の販売台数をキャリアがメーカーにコミットする代わりに、メーカーが安く端末をキャリアに卸していたからだ。

キャリアは複数年契約で長期間の利益が見込めるので、端末を安く売ることができる。一見、ユーザーにとって最新スマホが安く買えてメリットがあるように思えるが、どの端末を安く販売するかはキャリアに委ねられる。

どの端末を安く売るかはキャリアが決めるわけで、ユーザーが選べない。キャリアが端末をどの選ぶのは、メーカーとキャリアの力関係による。

よく言われるように、iPhoneが日本で強大なシェアを握れたのは、このビジネスモデルによるところが大きい。

以前、露呈したようにAppleがキャリアへ圧力をかけていた姿が浮彫りになっている。最新のiPhoneを安く買えた背景は、キャリアがAppleと契約を結び、複数年契約でユーザーから高額な通信料金徴収していたからだった。

複数年契約と端末のセット販売がなくなれば、このスキームは崩壊し、ユーザーは好きな端末とキャリアを自由に選べる。

複数年契約での割引がなくなると端末代金が高くなるように思えるが、メーカーとキャリアが健全な関係を築くようになれば、端末の価格は適正になる。

セット販売が問題なのか?

端末購入と回線契約を分離するのは良いことだと思う。キャリアや回線とは別に気軽に新しい端末が買えて、安い回線があれば簡単にMNPできる方がユーザーは気楽だ。

気軽にMNPができれば、前述のとおり競争原理が働き、通信料金も下がるだろう。

とは言え、本体とセット販売を望む人も存在する。セット販売が問題なのではなく、複数年契約にあることがわかる。

端末と回線の完全分離ではなく、セット販売による複数年契約を禁止することで、通信料金の値下げとユーザーによるキャリアと端末を自由に選ぶことが実現できるはずだ。

端末の価格は高くなるように見えるが、それが適正な価格なわけで、ユーザーも冷静に製品の価値を見極めて、端末とキャリアを選ぶ目を養う必要がある。

もうひとつの問題は最低契約期間

もう一つ大きな課題は、多くの格安SIMが最低契約期間を設けていることだ。1年の場合が多く、最低契約期間内に移行する場合は違約金が取られる。mineoなどは最低契約期間を設けていないが一年以内のMNPは手数料が高額になる場合がある。

これではまだ気軽にMNPできる状態とは言えない。新たな回線を開通するのに費用がかかるのは理解できるが、最低契約期間もなくなれば、より自由にキャリアと端末を選ぶことができる。