宝島社より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」 が発売になりました。私にとっては初の商業出版になります。
自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

MENU

新スマートロック「セサミミニ」と「Qrio Lock」を比較する

新スマートロック「セサミミニ」発表

以前、レビューした「セサミ」の日本仕様に完了「セサミミニ」が発表した。筆者は初代「Qrio Smart Lock」を使っているが、2代目「Qrio  Lock」がでたので「セサミ」と比較検討を行ったが、結局両方とも買わずに至っている。

スマートロックはハードウェアの性能だけではなく、ファームウェアによって性能が変わってくる。ここ三ヶ月で両プロダクトともバージョンアップを行っている。「セサミミニ」がでたので、改めて比較してみる。

小型化されたセサミミニ

日本の住宅事情に合わせてセサミを小型化したのが、セサミミニだ。色々調べてみたけど、おそらく性能はセサミと同等と思われる。

f:id:tkan1111:20181028091401p:plain

引用:CANDY HOUSE

セサミミニとQrio Lockの比較

サイズ

  • セサミミニ:幅 57mm × 長さ 92.7mm × 高さ 54.5mm
  • Qrio Lock:幅 57 mm × 長さ 115.5 mm × 高さ 77 mm 

幅は一緒だけど、長さが異なる。2cm以上もQrio Lockの方が長い。2cm長いからといって、取り付けられない小さなドアも少ないと思うけど、見た目は小さい方がいい。

高さは使い勝手に影響を及ぶす。高さがあるとドアノブがドアから離れて操作するとき少し不安定だ。

  • サイズ:セサミミニ

f:id:tkan1111:20181028092418p:plain

f:id:tkan1111:20181028092931p:plain

引用:CANDY HOUSE

重さ

  • セサミミニ:107g
  • Qrio Lock:207g 

持ち歩くものではないので重さは関係ないと思いがちだが、実は大きな意味がある。ドアに傷がつかないように両プロダクトとも両面テープでドアに貼り付ける。本体が重いと剥がれて落ちてしまうのだ。

筆者所有の初代Qrioは剥がれて落ちてカバーが割れてしまった。落下防止対策として二代目にあたるQrio Lockは軽量化されたが、セサミミニは、そのQrio Lockの半分の重さ。軽ければ軽いほど安心である。

  • 重さ:セサミミニ

電池寿命 (一日10回使用を想定)

  • セサミミニ:約510日
  • Qrio Lock:約1年以上

両プロダクトともリチウム電池を内蔵し、通信やモーターの動作に電力を消費する。電池が切れれば、当然鍵は開かなくなるので、鍵を持たずに外出していると致命的だ。電池の寿命は安心に繋がる。 セサミミニは小型だからか電池の保ちが非常に良い。

Qriok Lockは、4本の電池を搭載できて2本は予備用。1年以上という電池寿命は4本の電池を使い切った場合だ。

セサミミニの電池は2本なので、セサミミニが省電力なのがよくわかる。

  • 電池寿命:セサミミニ

ハンズフリー施錠

スマートロックを導入する一番の目的は、鍵を持たずに出かけることだろう。両方ともスマートフォンのアプリで施錠・解錠できる。初代Qrio Smart Lockは、アプリで施錠してから、しばらく経たないと反応せず、普通に鍵で閉めたほうがいいと家族に嗤われたけど、デモを見る限り、次世代モデルは両方とも1.5秒ぐらいで反応している。

  • ハンズフリー施錠:互角

オートロック 

スマートロックを取り付けて意外に便利に思えるのがオートロック機能。ホテルなどと同じでドアを閉めれば自動で鍵が閉まる機能だ。両方ともオートロック機能を装備しているが、仕組みが異なる。

セサミミニは、鍵を開けてから、設定した秒数後に鍵が自動で閉まる。初代Qrio Smart Lockはセサミと同等の機能だったが、Qrio Lockは、壁側に開閉センサーを取り付けることで、ドアの開閉を検知し、ドアを開けて閉めたらすぐにロックする方式に変わった。

設定した秒数でオートロックすると、ゴミ捨てなどの一時的外出でも閉まってしまうので、どんなときでもスマートフォンを持ち歩かないといけない。Qrio Lockはオートロック機能を一時的に停止できる。

壁側に開閉センサーを取り付けるのは見栄えは良くないが、使い勝手が良いに越したことはない。

  • オートロック:Qrio Lock

f:id:tkan1111:20181028094809p:plain

引用:Qrio

手ぶら解錠機能

外出先から帰ってきてスマートフォンのアプリを立ち上げるのは煩わしい。両方共GPSで自宅の場所を登録し、スマートフォンが自宅から一度離れてから、再度自宅に近づくとBluetoothで通信し、自動で解錠する仕組み。

f:id:tkan1111:20181028095757p:plain

引用:CANDY HOUSE

室内にいるとGPSでの位置情報取得が不正確になることがあるので、自宅にいても外出先と認識されることが、初代Qrioにはあった。寝室で寝ているのに、勝手に解錠することがあって怖かったので、手ぶら解錠機能はオフにしていた(初代の手ぶら解錠機能はβ版だった)。

二代目Qrio Lock、セサミミニとも改良されているらしいが、使用レポートを読むと、今でも誤動作があるようだ。一戸建てやマンションなど住宅環境も大きく影響する。勝手に解錠してしまうのは怖いので、100%信頼できる仕様でないと使いづらい。

Qrioも問題を認識して改善しているが、苦労しているようだ。

f:id:tkan1111:20181028100804p:plain

  • 手ぶら解錠機能:互角

Apple Watch対応

Apple Watchで解錠できれば、ランニングなどでiPhoneを持ち歩かなくても済む。当初Qrio Lockは対応していなかったが、10月10日のアップデートで対応した。両方共Apple Watch単体で施錠・解錠できる。

 

f:id:tkan1111:20181028101059p:plain
f:id:tkan1111:20181028101004p:plain
左がセサミ、右がQrio
  • Apple Watch対応:互角

鍵のシェア

友人などが自宅に来る時に、実物の鍵を渡さなくても、アプリで鍵をシェアすることができる。有効時間も設定できるので、鍵を返してもらう必要もない。

Qrioは20名、セサミは99人まで鍵をシェアできる(99名もシェアするシチュエーションはあるかどうかわからないけど)。

鍵のシェアは相手がスマートフォンを持っていないとできない。スマートフォンを持っていない子どものために、QrioはQrio KeyというBluetoothデバイスを販売している。これを購入すれば、子どもも鍵を持ち歩かなくてすむし、子どもが帰宅した履歴をリモートで参照できる。

f:id:tkan1111:20181028102420p:plain

  • 鍵のシェア:Qrio

遠隔操作

別売りのWi-Fiデバイスを購入すると、遠隔で鍵を操作できる。遠隔操作できる以上にメリットがあるのは、操作履歴をリモートで確認できることだ。子どもが自宅に帰宅したかどうかがわかるのは大きい。できる機能は両方とも変わらない。

  • 遠隔操作:互角

スマートスピーカー対応

Amazon EchoやGoogle Home、Siriに対応していれば、声で解錠・施錠できる。たとえば鍵を持っていない訪問者が来た時、リビングで鍵を開けることができれば、便利だ。セサミは、Amazon Echo、Google Home、Siriに対応済み、Qrioは、Amazon Echo、Google Home、Line cloverに対応予定だそうだが、現時点(2018/10/28)では対応完了していない。

f:id:tkan1111:20181028104440p:plain

  • スマートスピーカー:セサミミニ

価格

  • セサミミニ:9,800円(現時点)
  • Qrio Lock:22,580円

いろいろ比較してみたけど、価格を見たら、そもそも比較対象ではないことがわかる。セサミミニの価格はQrioの半額(現時点)。圧倒的にセサミの方が安い。

  • 価格:セサミミニ

セサミミニの5勝2敗4分け

  • サイズ:セサミミニ
  • 重さ:セサミミニ
  • 電池寿命:セサミミニ
  • ハンズフリー施錠:互角
  • オートロック:Qrio Lock
  • 手ぶら解錠機能:互角
  • Apple Watch対応:互角
  • 鍵のシェア:Qrio Lock
  • 遠隔操作:互角
  • スマートスピーカー:セサミミニ
  • 価格:セサミミニ

比較した結果は、セサミミニの圧勝だった。あとはどちらのデザインが好みが決めるポイントでしょうか。

もうひとつ、どちらの企業姿勢が好きかも大きいかもしれない。

セサミはベンチャー企業らしく、対応が早いのが特長。スマートスピーカーの対応も素早く、使っていて次にどう改善されるのか買った後でも楽しみがある。セサミに未対応の鍵を使っている場合でも、3Dプリンターでアダプターを作成してくれるらしい。

一方で、スピードが早い反面、若干雑な点も目につく。

たとえば、公式ホームページ上で、製品の名称が「セサミミニ」「セサミmini」「SESAMI Mini」「SEAMI mini」「Sesami mini」「SESAMIミニ」と安定していない。細かいことだけど、自宅の鍵というセキュリティの重要部分を担うので、ちょっと心配だ。

Qrioはソニーが出資しているだけにベンチャー企業の割に安定感がある一方で新規対応に慎重だ。手ぶら施錠の改善も検証したのに明確な対策がでてこなかったり、スマートスピーカーへの対応も遅い。

初代Qrio顧客への塩対応も気になる。初代Qrioは、鍵の解錠にかなりの時間がかかる半ば実験的モデルだったが、ユーザーは企業への期待を込めて購入した。

初代と二代目でハードウェアは異なるが、ソフトウェア面で初代に反映できる部分もあるはずだが、二代目モデルが登場した以降、初代Qrioのアップデートは行われず、最初は対応していたApple Watchへの対応も止めてしまった。

初代ユーザーへの優待販売もない。商売としては正しいのかもしれないけど、初代ユーザーとしては少しさびしい。

最も大事な導入メリットである「スマホで解錠できる」点は、どちらを買ってもできる。筆者はもう少し考えて、どちらかを購入したいと思う。