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防水パソコンが標準化しない理由

非防水のパソコン

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筆者の机の上には、MacBook Pro、iPhone X、Xperia Z3 Tablet compactがある。机の前にいるときは、コーヒーか麦茶を大抵飲んでいる。このうちiPhone XとXperia Z3は防水だから安心だけど、MacBook Proは防水ではない。しかも一番高価だ。

自宅でPCに飲み物をこぼしたことはないけど、会社なら何度かあって修理してもらったこともある。筆者以外でも経験したことがある人はいるのでは。

多くのスマートフォンが防水対応になっているのに、スマートフォンより歴史が長いパソコンはどうして防水にならないのだろう。

キーボードが課題

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まず考えつくのはキーボードの存在だ。キーの隙間から液体が入りこみ、内部機器に影響を与える。スマートフォンが防水にできたのはキーが少なかったからだ。それでも防水にするためにはボタンを減らす必要があり、iPhoneが防水になったのは物理的なホームボタンを廃した後だった。

パソコンメーカーも何もしていないわけではなく、「防滴キーボード」を採用しているメーカーもある。キーボードの下にバスタブのようなトレイを設けて、もし液体をこぼしても内部の精密機器まで届かないようにしたり、キーボードにかかった液体を本体の底の排水口に流す仕組みを設けたりしている。

ただ、「防滴」のレベルであり、スマートフォンが採用するIPX5などの防水規格とは比較にならない。

放熱も課題

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液体がかからないように内部の精密機器を密封すればよいと考えがちだが、これも難しい。まず放熱の問題がある。CPUなどから熱を発するノートパソコンの場合、クーリングファンを使って熱風を排出している場合が多い。機器を密封してしまえば、排熱が困難になり、CPUがパフォーマンスを出せなくなる。

液体がかかるとパソコンが壊れる理由は、液体により基盤がショートするからだ。水は通電性が高いので、水がかかることで仕様以外の箇所に電気が流れ、半導体を損傷してしまう。だから、水をこぼしたら、電源をすぐに切断することが大事になる。

ノートパソコンは筐体のほぼすべてに電気が通っており、ショートを防ぐためには内部機器全てを保護しないとならない。

当然、防水を強化すれば機体が重くなる。持ち運ぶノートパソコンにとって重量増は販売の不利になる。

コネクターも多い

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ノートパソコンには、ACアダプタ充電端子、各USB端子と多くのコネクターがある。スマートフォンやタブレットでは防水のために、以前は端子にゴム製のキャップをつけていたが、現在はキャップレスでも防水できるようになってきている。ノートパソコンの豊富な端子すべてを防水にすれば、割高になるし、重量増になる。

できないことはない

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では防水パソコンは作れないのかというとそんなことはなく、防水防塵仕様のタフネスパソコンというジャンルがある。工事現場など屋外での仕様を想定したパソコンで、一定の需要がある。

これなら水をこぼしても平気だが、防水防塵の代わりに重くて高価な特別仕様になっている。

パナソニック製12インチタッチパネルのタフネスパソコン『CF-33』の場合、2.76kg、価格は436,200円から(パナソニック公式サイト調べ)。似た仕様のノートパソコン『CF-XZ67RDQP』は1.291kg、272,800円からと大きな差がある。重量は2倍以上だ。

ここまで高価だと、普通のパソコンを購入して万が一こぼしたときに修理したほうが安く感じる。重量も3キロ近くあり、持ち運ぶのはしんどい。タフネスパソコンを普段遣いにするのは、相当の覚悟が必要だ。

暑い日が続き、パソコンを使うときも水分補給することも増える。パソコンにこぼさないように注意しながら、もしもこぼしたらすぐに電源を切ることを心がけたい。

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