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クックCEOが口出し? きれいなAppleをつくるコンテンツは面白いか

クックCEOが撮影に口出し?

この秋はじまる動画配信サービス「Apple TV+」のためにオリジナルコンテツの制作をAppleは進めているが、クックCEOなど経営陣が制作陣に口出しをして、コンテンツ制作をやめさせるなどをしているとNew York Postが報じている。

大人向けの暴力的なコンテンツではなく、8歳でも観ることができる動画を経営陣は希望しているという。

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きれいなApple

Googleではないが、クックCEO以降のAppleは「悪にならない」というブランドイメージ構築に躍起になっている。「個人情報を商売にしない」と公言し、FacebookなどのGAFAと距離をおいている。Appleの方針転換はクックCEOの意向も大きいと思われる。

ジョブズは偉大な経営者だったが、より良いプロダクトを世に出すためには社内での対立も厭わなかったし、類似品を売る他社の批判を激しく行った。

自社の利益を守るためにクックも他社を批判することはあるが、ジョブズ時代に比べてずっと穏やかだ。

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激化するサービス競争

Appleの参入で、動画配信サービス各社の競争はますます激しくなると予想される。王者Netflixに、Amazon Prime Video、Hulu、Disnyとサブスクリプション型の動画配信サービス業界は多くのプレイヤーが鬩ぎ合っている。

後発のAppleが競合他社に勝つためには他社にない良質なコンテンツを集めることが必要だ。オリジナルコンテンツの制作はAppleの新サービスの命運を左右するといっていい。

報道の真偽はわからないが、自社のブランドイメージを守るために、クックなど経営陣が荒々しい内容のコンテンツを自社サービスから排除しようとするのは理解できる。

ポリティカル・コレクトネス全盛の時代、コンテンツには従来以上の倫理を遵守する必要がある。人種差別、男女差別などの批判を浴びない内容であることが求められている。

ただ、”きれい”なコンテンツばかりで、客を呼べるかどうかは別問題だ。純水濾過された無味無臭な内容だけを人は求めているわけではない。現実世界の閉塞感を忘れさせてくれるような、時にはバイオレンスでセクシャルな動画も観たいものだ。

サービス開始時にインパクトがあるオリジナルコンテンツがあれば新規会員を集めることができるが、”きれい”なコンテンツは批判されないが、耳目を集められるかどうかは微妙だ。これでAppleは戦えるのか。

サービスの詳細が公表されないとまだわからないが、どのサービスが覇権を握るのか、今後の動向が楽しみだ。

 

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PayPayとYahooマネーと統合。セブン銀行のATMで現金チャージも開始。PayPayを選ぶ理由

進化するPayPay

ソフトバンクグループが運営するPayPayと「Yahoo!マネー」を統合すると発表があった。統合は9月30日だが、PayPayアプリがすでにアップデートされていて、Yahoo!マネーからPayPay残高にチャージできるようになっている。

今までヤフーカードと銀行口座からしか直接チャージできなかったのが、チャージ方法にYahoo!マネーが追加されている。

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チャージしないでYahoo!マネーを支払い方法にすることはできたが、支払い方法が複数あると残高管理が面倒でわかりづらい。

Yahoo!マネーは三菱UFJ銀行などPayPayでは登録できない銀行にも対応している。これで大手都市銀行はすべてPayPayで利用できるようになった。

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ATMでチャージも

7月11日からセブン銀行のATMでPayPay残高に現金チャージができるようになる。

7pay開始と同時にセブンイレブンでPayPayも利用できるようになっている。

合わせてPayPayは5,000万円のキャンペーンをはじめる。セブン銀行ATMで現金チャージの登録を行うと200円がPayPay残高に付与される(参加者25万人以内の場合)。

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PayPayが優位になったか

今回のアップデートで、PayPayは大手都市銀行とATM、ヤフーカードからチャージできるようになる。ヤフーカード以外のクレジットカードからはチャージできないが、PayPayは支払い方法にクレジットカードを選ぶことができる。支払い方法・チャージの手段の多さではPayPayが他の決済サービスをリードした。

決済サービスを利用するとわかるが、チャージが気軽にできるかどうかはサービスの使い勝手を大きく左右する。

利用できる店舗数も体感的にPayPayはかなり多い。特にソフトバンクの強力な営業力により、数多くの個人経営の店舗が参加している。

一気に増えた決済サービスだが、PayPayが一歩優位に立ったように思う。

 

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ファミペイ開始。ファミペイの特徴と他のサービスとの比較

ファミペイスタート

さすがに新しい「ペイ」には食傷気味だが、7月1日にコンビニエンスストアのファミリーマートが新しい決済サービス「ファミペイ」をはじめた。

同日にはじまったセブンイレブンの7payと同様にかなり今更感はあるが、ファミペイの仕組みを解説します。

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ファミペイの特徴

ファミペイは決済サービスだと最初に書いたけど、実はファミペイは決済サービスではない。ファミペイは新しいファミリーマートでの販売用アプリの名称。ファミペイアプリで利用できる決済機能の名称はFamiPayだ。

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ファミペイの特徴を説明する図でも、FamiPayは一番最後。ファミペイはクーポンやスタンプなどの機能がメインで、ファミリーマートを毎日利用してもらうことを目指している。

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FamiPayの特徴

チャージした金額で支払うという一般的な決済サービスと同じだが、チャージする方法は限定されている。レジでの現金によるチャージか、ファミリーマートが発行するファミマTカードのクレジットカード機能によるチャージだけ。7payのようにATMでのチャージも、銀行口座からのチャージもできない。チャージ以外での決済も不可なので、他の「ペイ」より使い勝手が悪い。

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どうしてファミペイをはじめたのか?

初日はアクセスが集中し新規登録できない人も多く、他社に遅れないように、かなり見切り発車で開始した印象だ。アプリも新規ではなく、既存のファミリーマートアプリをモデルチェンジしたものだ。

ただ、前述の通り、ファミペイは決済サービス機能がメインではなく、クーポンやスタンプを用いてファミリーマートへ来店する習慣をつけてもらうのが目的だ。

ファミリーマートでは、EdyやiDなどの非接触型決済、PayPay、LINE Payなどのバーコード・QRコード決済も利用できる。後発のFamiPayの普及をそこまで重要視していないかもしれない。

セブンイレブンよりもファミリーマートの店舗数は少ない。ファミリーマートは、ポイントサービスもTポイントを利用していて、自社ポイントサービスをもたない。関連企業の店舗も少なく、他社へ広める営業力もない。

決済サービスを普及させるには、キャンペーンなどのお得感も大事だが、利用できる店舗数が大きな要素となる。他社に合わせてFamiPayを開始したが、ファミリーマートがFamiPayを積極的に広めるメリットは少ないかもしれない。

FamiPayを使わなくても、ファミリーマートを利用する機会がある人はクーポンとスタンプのためにダウンロードしておいてもよいと思う。

 

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7payスタート。7payの仕組みとセブンイレブンがはじめた理由

7payスタート

日本最大のコンビニチェーン「セブンイレブン」が新しい決済サービス「7pay」を7月1日からはじめた。PayPay、LINE Payなど他社サービスの後発になるのに、どうして新しいサービスを開始したのか考えます。

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7payの特徴

7payはPayPayなど他の決済サービスと同様にQRコードをレジで見せてチャージした金額で買い物ができる。

クレジットカードで入金

7payはチャージして利用するので、いくつかの入金方法を用意している。

  • セブンイレブンのレジ
  • セブン銀行ATM
  • nanacoポイント
  • クレジットカード・デビットカード

クレジットカードから入金できるのが大きな特徴。クレジットカードのポイントとセブンイレブンのnanacoポイントを二重取りできる可能性がある(制限あり)。PayPayやLINE Payなどはクレジットカードからチャージできない。PayPayや楽天ペイは登録したクレジットカード払いもできるが、カードからのチャージは不可なので、ポイントの二重取りはできない。

一方で、銀行からのチャージはセブン銀行しかできない。他の都市銀行ではチャージができない。

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セブンイレブンのみに利用できる

7payはセブンイレブン全店舗で7月1日から利用できるが、それ以外の店舗では利用できない。日本で最も数が多いコンビニで使えるのは嬉しいが、それ以外の店舗は対象外。同じグループ内のデニーズやイトーヨーカドーでも利用不可。

今後増える予定だそうだが、現状はセブンイレブンを頻繁に来店している人以外は、メインの決済サービスにすることはできないだろう。

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nanacoポイントが貯まる

セブンイレブンが運営するnanacoポイントを貯めることができる。7payで支払うと100円で1ポイント貯まる。通常の支払いと比べて2倍のポイントになる。と言っても、7pay開始前は100円で1ポイントだったので、実態は変わっていない。

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囲い込むセブンイレブンのサービス

7payは非常にセブンイレブン的なサービスだと思う。圧倒的な店舗数を背景に、他の店舗との連携よりも自社サービス内に囲い込もうとしている。

セブンイレブンで買い物をすると貯まるnanacoポイントも自社グループの店舗しかほぼ利用できない。Tポイントやdポイントが少しでも多くの店舗と連携しようとしているのと対照的だ。

  • nanacoポイントが貯まる店舗
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今回後発で開始する7payも同じような手法が取られていて、セブンイレブンでしかまずは利用できない。

チャージできる銀行も同じグループ内のセブン銀行だけ。新しいサービスを広めるには少々強引な気もするが、セブンイレブンの店舗数と売上があれば、普及できると考えているのだろう。

7pay開始と同時に、PayPay、LINE Pay、メルペイがセブンイレブンで利用できるようになった。他のコンビニよりも遅れていたので、別会社の決済サービスを導入しないかと思ったが、レジシステムの修正に時間がかかったのと7payの開始を待っていたのだろう。

毎日セブンイレブンを使う人には

7payはセブンイレブンを頻繁に利用する人には待望のサービスだ。nanacoポイントが貯まり、セブンイレブンのクーポンも利用できる。ただ、それ以外の店舗では使えず、PayPayなどの他のサービスがセブンイレブンでも使えるようになったので、7payを慌てて導入しなくても他のサービスで代用はできる。

とは言え、日本国内で住んでいてセブンイレブンを全く利用しない人は少数だと思うので(沖縄はまだないんだっけ)、とりあえず設定しておいても損はない。

初日(2019/07/01)はシステムが不安定なようだけど。

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さよならアイブ。どうしてアイブはAppleを退職したのか?影響はミニマル?

さよならアイブ

Appleの製品の設計に長年携わっていたジョナサン・アイブがAppleを退職してデザイン事務所を立ち上げるとAppleが発表した。

突然の発表は衝撃をもって受け入れられ、Appleの株価も下落した。今後は新事務所がAppleの仕事を請け負うという発表をそのまま信じる人は少ない。影響力がある社員が辞める時に「今後もアドバイザーとして会社に貢献してくれる」と発表してインパクトを抑えるのは外資企業のよくある手筋だ。デザイン部門の社員の多くはAppleに留まるのだから、アイブがひとりでできることは少ない。

おそらくアイブが今後Appleの製品に表立って携わることはないだろう。

アイブ退職の影響を考察してみます。

Apple Parkでのジョニー・アイブとティム・クック

ミニマルデザインの行き着く先

20年以上同じ会社で勤めたら辞めたくなるのも自然だと思うけど、退職を決意したときに「Appleでやるべきことは終わった」とアイブは考えたのかもしれない。

アイブのデザインは機能性を全面に出し、デザインのためのデザインではなく、使い勝手・製品のテーマを伝えるためのデザインになっている。よけいなものを削ぎ落としたミニマルデザインと評されることも多く、シンプル・イズ・ベストの原則を守り続けている。

ただ、シンプルにするにも限界がある。フルディスプレイになったiPhoneもiPad Proも、もう削ぎ落とすものはなにもないように思える。Macbookもベゼルを細くする以外に修正の余地がない。キーボードやタッチパッドを小さくして機能性を損なわせるのはアイブが最も嫌うところだ。

これ以上、Appleのデザインを進化させることは自分にはできないと考えたのかもしれない。

サービスのデザイン

iPhoneの売上が低迷している現状、Appleはサービス事業に注力している。この秋にはApple TV+とApple arcadeの2つのサービスが開始する。サービスの主役はコンテンツであり、インターフェイスが重要になる。アイブは、iOSにフラットデザインを導入し、ソフトウェアのデザインも手がけてきたが、コンテンツありきのサービス事業では自分がやれることは少ないと考えてもおかしくない。

退職の影響はミニマル?

アイブがいなくなったAppleのデザインはどうなるだろうか。今までと大して変わらないと筆者は予測する。Appleのデザイン部門は他社と比較してスタッフが少なく30人前後と言われている。少人数で徹底的に議論し、Appleデザインの方向性を決めている。アイブがぬけても、残るスタッフで今までの方向性は維持できるだろう。

一時期アイブが現場を離れたことはあったが、その間もAppleデザインは変わらなかった(串刺し充電するApple Pencilやひっくり返さないと充電できないマウスは、アイブが現場を離れていたから生まれたのではない)。

 

一方で、アイブがいてもいなくても、Appleのデザインが壁にぶつかっているのは間違いない。筐体を薄くするために開発したバタフライキーボードは不具合が多発し、iPhone X登場から1年半経過するが、フルディスプレイのiPhoneとiPadのデザインが今後どのように進化するのか不透明だ。

デザインの歴史は、振り子のようにいったりきたりしている。マテリアルデザインからフラットデザインへと進化してきたが、そろそろ別のモーメントが生まれても良い時期かもしれない。

 

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nasneが販売を終了する理由。海外地方在住者には最高だったnasne。その後継機は?

nasne販売終了?

ソニーグループがネットワークレコーダー「nasne(ナスネ)」の出荷を終了する話がでている。

nasneは地上波デジタル・BS・CSなどのTV番組をネットワーク越しにPSやスマホで録画・再生できるデバイスだ。

ソニーは昔から地上波のネットワーク再生に取り組んでいて、ロケーションフリー(通称ロケフリ)という名品もあった。nasneは長年ソニーが培ってきた技術の集大成のような製品だった。

nasneは安価で使いやすい製品だが、動画配信サービスの台頭で地上波テレビの存在価値が下がったのと、ブルーレイレコーダーにnasneの多くの機能を持たせることができたのが、nasne販売停止の理由と思われる。

現在販売しているソニーのブルーレイレコーダーにはnasneの機能のほとんどを包含している。ネットワーク経由でのテレビ番組の再生・録画はブルーレイレコーダーでもできる。できないのは、torneが使えないことだ。torneは動画再生するアプリケーションで、PSなどで快適な速度で操作できる。ブルーレイレコーダーでは、nasneは使えないが、代わりに「Video & TV Sideview」が利用できる(nasneも利用できるが)。

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海外・地方赴任者にとって最適解だったnasne

海外や地方に住んでいる人にとってnasneは素敵なデバイスだった。宅内ネットだけではなく、インターネット経由でもnasneはTV番組を再生できる。海外や地方でも、国内の大都市圏で放送されている番組を鑑賞できるのだ。海外では日本のTV番組は放送されないし、一部の地方では地上波のチャンネル数が少ない。nasneがあれば国内の大都市圏と同様にTV番組を楽しむことができる。

ただ、制約はある。3ヶ月に1回、再生するデバイスをnasneが繋がっているローカルネットワークに接続しないといけないのだ。海外に住んでいたら3ヶ月毎に帰国して、デバイスをアップデートしないといけない。

これは次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)という一般社団法人が定めた「デジタル放送受信機におけるリモート視聴要件」に定められた制限である。

地上テレビ番組のネットワーク再生を商用化させないための措置なのだが、非常に面倒な制限だ。遠くに住んでいたら、3ヶ月に1度更新するのは困難だ。

この制限はブルーレイレコーダーでも変わりない。

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そろそろ改訂の時期では?

地上波テレビを鑑賞する環境は激変している。各テレビ局はネットワーク再生に対応し、特に多くの民放テレビ局が参加したTverでは、数多くの地上波番組が国内ならどこでも鑑賞できるようになった(海外では再生できないが、VPNを利用すれば可能)。

地上波以外にも、Netflix、Amazon Prime Videoなど多くの動画配信サービスがあり、地上波テレビ番組に固執する必要はなくなってきた。

相対的に地上波テレビの地位は低下しているので、3ヶ月に1回の更新する制限を廃しても、問題にならないと思う。そろそろ規約の改訂を議論しても良い時期ではないだろうか。

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日本のAmazon EchoがApple Musicに対応。セットアップ・体験レポート

「Alexa、Apple Musicをかけて」

日本のAlexa端末がApple Musicに対応した。英語圏以外では初めての対応で、Amazonが日本市場を重要視していることの証左だ。

実際に試してみました。

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今までのAlexa端末はSpotifyとAmazon Musicしか音楽サービスを利用できなかった。

従来のAppleは、自社デバイスでしか自社サービスの利用を許可していなかったが、近年は方針を転換した。ソニーなど他社製のテレビにAirPlay 2機能を解禁し、英語圏のAlexa端末ではApple Musicを聴くことができるようになっていた。

低迷しているiPhoneの売上を補完するために、サービス事業の強化が必要と判断したのだろう。

Apple Musicのセットアップ方法

  1. アプリ「Amazon Alexa」を開く
  2. 左上の三本線をタップし、メニューから「スキル・ゲーム」→「検索」を選び、「Apple Music」と入力
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  3. 「有効にして使用する」をタップし、Apple IDとパスワードを入力
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  4. アクセスリクエストを「許可」するとApple Musicがリンクされ、Amazon Alexa端末でApple Musicを利用できるようになる
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  5. Apple Musicをデフォルトの音楽配信サービスにする場合は、「ミュージックの設定にアクセス」→「Apple Music」にチェック
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使用方法 

デフォルトのサービスとした場合は、「Alexa(ウェイクワード)、音楽をかけて」で聴くことができる。デフォルトでない場合は、「Alexa、Apple Musicをかけて」と命令する。「Alexa、プレイリストのXXを再生」でApple Musicのプレイリストも再生できる。

Appleの方針転換に賛同

日本では未発売のHomePodは高価格で後発ということもあり、Amazon EchoとGoogle homeの後塵を拝している。

もともとHomePodはスマートスピーカーというより音声コマンドに対応した高級ワイヤレススピーカーとして設計されたので、Alexa端末とはジャンルが異なる製品なのだが、自社の音楽配信サービスを拡充するためには、HomePodでは限界がある。

Apple Musicが他社サービスに対応したのには、こういった背景がある。

理由はどうあれ、色々な端末でAppleのサービスが使えるようになるのは選択肢が増えるので歓迎だ。Apple TVやこの秋登場するApple TV+も他社デバイスに対応してくれると嬉しい。

 

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楽天ペイ・PayPay・LINE Pay・メルペイ、4大QRコード決済を比較してベストなサービスを選ぶ【2019年6月版】

QRコード決済多すぎる問題

PayPayやLINE Pay、メルペイに楽天ペイ、乱立するQRコード決済。すべてのサービスを知って使っている人はいないだろう。

 

7月1日から、セブン&アイホールディンググループが新しいQRコード決済「7Pay」を始める。同時に、今までQRコード決済ができなかったセブンイレブンで、PayPayなどのサービスも利用できる。

7月11日からは、PayPay、LINE Pay、メルペイが3社合同のキャンペーンを開始する。期間中にセブンイレブンで3社のサービスを利用すると利用額の20%還元してくれる。

ライバルである3社が合同でキャンペーンを行うのは初めて。なぜ合同キャンペーンを行うのか。それだけセブンイレブンが魅力的なのだろう。セブンイレブンは日本最大の小売店舗の売上を誇り、店舗数も最大だ。そこでの利用が定着すれば、QRコード決済のデファクトスタンダードになれる。

推測だけど、3社合同キャンペーンを行うことになったのは、セブンイレブンがQRコード決済をはじめるときいて、3社ともセブンイレブンに打診したからだろう。

直近の調査はないが、この3社と楽天ペイを合わせた4強が、おそらく現在日本でシェアを握っているサービスと思われる。ユーザー数では最も多いと思われる楽天ペイに追従するために、3社が協力したともいえる。

4社のサービスのメリット・デメリットを比較してみました。

 楽天ペイ

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楽天が運営するサービス。開始が早かったのと、日本最大の通販サイト「楽天」の会員が利用できるので、現在トップシェアを誇る。

強み

  • 楽天スーパーポイントが使える
  • クレジットカード払いができる

弱み

  • 銀行からのチャージはできない

 

 楽天ペイは、クレジットカードの代替として利用して、ネット通販で貯まる楽天スーパーポイントをリアル店舗で利用する意味合いが強い。ざっくりいうと、ネットの楽天サイトと同様にリアル店舗で買い物ができるのが楽天ペイの一番のメリットだ。

チャージはできないので、クレカがないと利用しづらい。これは同じ楽天グループが運営する楽天Edyがあるからだと思われる。楽天Edyは国内最大の非接触型決済サービスであり(交通カードを除く)、楽天グループ内の電子マネーとしては楽天ペイのほうが後発だ。今後は統合するかもしれないが、決済方法も異なるので、現状はまだできていない。

先発なので利用できる店舗も比較的多い。

PayPay

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100億円キャンペーンで一気に有名になったPayPay。

強み

  • 銀行口座からのチャージが可能
  • クレジットカード払いができる
  • 使える実店舗が多い。特に個人営業

弱み

  • 三菱UFJ銀行や一部の地方銀行などチャージできない銀行がある

PayPayは、銀行口座からのチャージ、クレジットカードと多彩な支払い方法が選べる。一番の強みは使える店舗数の多さ。特に個人経営の飲食店では、他のサービスと比較して感覚的には圧倒的に多い。ソフトバンクグループが擁する営業パワーで、今まで決済端末が高価で導入できなかった店舗にもPayPayを導入させている。

銀行からのチャージができるのはよいが、三菱UFJ銀行や一部の地方銀行からのチャージができないのが弱点(LINE Payは三菱UFJ銀行でチャージができる)。代わりにクレジットカードでは使えるが、還元率は低い。PayPayがほぼ毎月行うキャンペーンだと、クレジットカード払いだと0.5%だが、チャージ額からの支払いでは20%。大きな違いがある。

クレジットカードからのチャージはヤフーカードでしかできない。チャージできる銀行に口座がなく、ヤフーカードをもっていなければPayPayにチャージできないのだ。コンビニでYahooマネー経由のチャージは可能だが、少々面倒。

LINE Pay

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メッセージアプリの最大手LINEが運営するLINE Pay。

強み

  • 銀行口座・コンビニでのチャージが可能
  • 潜在ユーザー数が多い

弱み

  • クレジットカード払いができない
  • LINE Payカードを作る必要がある

多くの銀行・コンビニでチャージできるので、使いやすい。ただ、LINE Payの本質はチャージ式のプリペイドカードなので、クレジットカード払いができない。チャージしないと利用できないので、常に残高を気にする必要がある。

ただ、LINEユーザーは圧倒的に多いので、このユーザー全員がLINE Payを利用すればデファクトスタンダードになる可能性もある。

メルペイ

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70%支払い還元などで、今年になって急速に台頭してきたメルペイ。フリマアプリで国内最大手のメルカリが運営している。

強み

  • iD払いができる
  • 銀行口座からのチャージができる
  • メルカリの売上から支払える
  • あと払いができる

弱み

  • クレジットカード払いはできない
  • ポイント還元がない

メルペイは、他のQRコード決済とは異なり、iD払いができる。後発のメルペイが他社へ追いつくために、QRコード決済だけではなく、既存のiDと連携する必要があったと思われる。マクドナルドなどQRコード決済を導入していない店舗でも利用できるのは大きい。

iDなどでApple Payとして非接触型決済も可能だから、わざわざアプリを起動してQRコードを提示したり、スキャンしたりする必要がない。

銀行口座からのチャージもできるので、メルカリで販売していないユーザーでも利用できる。

一方で、クレジットカード払いはできない。メリカリは、巨大なメルカリ市場を背景に新しい「マネー」としてメルペイを流通させようとしている。お金がなくてもメルカリで売買ができ、その売上がリアル店舗でも利用できる世界がメルカリの目指すところだろう。

ただ、「お金」だからなのか基本的にポイント還元がない。メルペイで支払ってもメリットが無いのだ。

まとめ:ひとつ選ぶならPayPayか

どのサービスが良いかは、ユーザーが利用している銀行口座、クレジットカードの有無によっても異なるので簡単に断言できないが、PayPayが一番使いやすいと思う。対応している銀行口座をもっていればチャージできるし、なくてもクレジットカード払いも可能だ。

クレジットカードが使えなかった個人経営の店舗への導入が多いのも大きなアドバンテージだ。

まずはPayPayを利用してみて、気に入ったキャンペーンがあれば、そのサービスを利用してみるのが良いかもしれない。

 

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16インチのMacBook Proが登場する6つの理由

16インチMacBook Pro?

9月のイベントで新型MacBook ProをAppleが発表すると複数の報道がされている。新しいmacOS、CPUを搭載するとのこと。一番の注目点は16インチのディスプレイを搭載するという噂だ。

噂が実現する可能性が高いかどうか検証します。

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16インチ液晶ディスプレイ

16インチディスプレイはMac史上おそらく初めてだろう。現行のMacBook Proのベゼルは他社と比べてかなり太い。ベゼルを細くすれば、今の15インチMacBookを大型化しなくても、ディスプレイサイズを広げることはできるに違いない。

3,072 x 1,920ピクセル

現行の15インチMacBook Proは、2,880 x 1,800ピクセル、220ppiの解像度だ。他社の最新モデルと比較すると、かなり落ちる性能だ。15.6インチのXPS 15は、3840×2160ピクセル、282.4ppiの解像度。iPhoneではじまったRatina Displayの影響で高密度ディスプレイを搭載しているイメージがAppleの製品にはあるが、一度高密度化すると、それ以上追求することはせずに同じppiを維持することが多い。その間に他社がより高密度なディスプレイを出しても気にしない。

ただ、Appleは自社で液晶を製造しているわけではないので、どこかで追従する必要もある。報道されている3,072 x 1920ピクセルは最高密度ではないがAppleらしいバランスの取れた解像度だ。

バタフライキーボード問題

現行MacBook Proは、新搭載したバタフライキーボード問題にずっと振り回されている。バタフライモデル搭載全てのモデルが無償修理プログラムの対象になっている。2019年モデルでキーボードの材質などが改良されたが、その新機種も修理プログラム対象なので、抜本的に改善していないと思われる。

バタフライキーボード登場から3年経過しても抜本的に改善できないなら、ボディデザインを変更する必要がある。

Touch Bar 

現行ボディに鳴り物入りで搭載されたTouch Barは、お世辞にも好評とは言えない(筆者は好きですけどね)。 ファンクションキーが変わるのは面白いアイディアだが、クリック感がないので、ブラインドタッチが非常に難しい。

既存キーボードを変える新しいインターフェイスだと登場時には大々的に発表したが、新型Macbook Airには搭載されず、もう止めたいとAppleが思っていてもおかしくない。

2019年秋のタイミング

現行MacBook Proは2019年5月にCPUなどがアップデートされているが、2016年から3年間ボディデザインは変わっていない。以前のRatinaボディも3年間でモデルチェンジしているので、タイミングもぴったりだ。

可能性は高い

見てきたように16インチMacBook Pro登場の可能性は高いと思う。現行ボディより、さらに薄型軽量化が実現するなら、筆者も買い替えを検討したい。

 

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Abema TVの現在地。収益への模索。みんなCMが嫌い

Abema TVの現在地

インターネットテレビサービスであるAbema TVのWAU(週間アクティブユーザー)が1000万人を超えた。WAU1000万人を超えることはメディアが一般化するひとつの指標だと藤田CEOが常々語っていたように、ここにきてAbema TVを知る人はかなり増えたと感じる。Abema TVの現在について記します。

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Abema TVを観ている人

Abema TVの利用者は若年層が多い。リアル恋愛バラエティが人気になっている。この状況をサイバーエージェントがどこまで予見していたかわからないが、テレビを観なくなった若年層の目を捉えることに成功している。

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先日の”山ちゃん”と蒼井優の結婚会見では過去最高の視聴者を集めた。「何かあったら、テレビではなく、Abema TVを観る」というのが視聴者の習慣になってきている。

臨機応変に放映時間を気にせず番組を中継できるのは、インターネットテレビの大きなメリットだ。

地上波テレビに代わるインターネットテレビ局を作るという藤田CEOの目的は達成しつつある。ただ、収益化の課題はまだ残っている。2019年もAbema TVは200億円の赤字を計上する予定だ。

収益化への試行錯誤

当初Abema TVは、地上波テレビと同様にCMを流して広告料金で収益を立てようとしていた。

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企業CMは少しずつ増えてきているが、自社番組のCMが多く、収益化の柱としては心もとない。専門チャンネルだから、広告のターゲットを決めやすいはずだが、クライアントの獲得にはうまくいっていないように思う。

Abema TVの最初のライバルは地上波テレビ局だったが、開局から3年間でサブスクリプション型の動画配信サービスが台頭してきた。有料ではあるが、見放題のAmazon Prime Video、Netflixは、好きな番組を好きなだけ観たいユーザーをとらえた。

有料の動画配信サービスにはCMがない(あってもスキップできる)。地上波を録画してCMをスキップして視聴している人も多い。多くの人がCM、自分が選んでいないコンテンツを観ることを拒否し始めている。

サブスクリプション型は好きなときに好きなコンテンツを視聴できる。番組を待って、その時間になったらチャネルを合わせて視聴する習慣も、ユーザーから忌避されてきている。

Abema TVが地上波テレビから奪い取ろうとしているCMモデルは消えつつあるのだ。

Abema TVでも、リニア視聴からオンデマンド視聴が増えている。有料会員である「Abemaプライム」ユーザーは、多くの番組のビデオを観ることができる。

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広告モデルだけではなく、有料会員の月会費での売上を増やそうと、Abema TVも色々な対策を打っている。無料お試し期間も用意し、アプリにも「Abemaプレミアム」を誘導するメニューが増えている。その結果、有料会員数は40万人を超えた。

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他にも収益化のために、放送外収入を得ようと試みている。競輪チャンネルではレースを観戦しながら投票できる。ギャンブルの中継は長時間放送する必要がありCMもつきづらいので、地上波では放送しにくい。ギャンブルは利益を得やすいので、Abema TVの収益化には貢献するだろう。

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以前は、テレビをなんとくなく観ている「ながら視聴」する人がターゲットだったが、今は能動的に番組を選択する人がAbema TVのターゲットになってきている。

いつ黒字になる?

Abema TVの視聴者数は増え、一定のブランド力を獲得した。試行錯誤を繰り返し、売上を伸ばす手法を複数もつようになった。

ただ、これで200億円の赤字が解消できるかは不透明だ。

藤田CEOの予言どおり地上波TVの視聴者数は減ってきているが、同時にそれはAbema TVが奪おうとしていたCMモデルの衰退も意味している。

藤田CEOがよくインタビューに答えているので、サイバーエージェントの会社と思われがちだが、Abema TV株式会社の37%の株はテレビ朝日が保有している。

地上波テレビが衰退していく危機感から、テレビ朝日はAbema TVに投資して、テレビ放送のノウハウを提供した。それは今までのテレビ局の高コスト体質もAbema TVが引き継いでいることを意味する。

テレビのCMモデルが衰退してく中で、CMモデルからの脱却と同時に、地上波テレビの番組製作も変える必要があると思う。

Abemaの番組には地上テレビに出演している芸能人が多数出演している。番組内容も、地上波のコンプライアンスからは多少逸脱しているが、大きくは逸脱していない。

CMモデルを維持するために大手企業のクライアントを獲得する必要があるので、どうしても保守的な番組にならざるを得ない。

新しい番組を制作するためには、CMモデルから本格的に脱却し、新しい番組作りを再度検討する必要があるように思う。

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インフラと独占。僕らはずっとLINEとGoogleを使い続けるのか

インフラ事業は独占?

電気ガス鉄道などのインフラ事業は許認可事業だ。値上げ・値下げするのに監督官庁の許可が必要になる。こういったインフラ事業は、初期投資が莫大になり、一企業の独占になりやすいからだ。また、政府から民間に設備を移管された歴史的背景もある。

電力自由化といっても、規模の経済の論理で送電線を既存の電力会社とは別に敷設する会社はなく、既存電力会社から施設を借りている。

限られたインフラを利用しているのに許認可制ではない事業がある。携帯電話事業だ。

 限られた資源である電波

携帯電話各社は電波の使用許可を総務省から得て、事業を行っている。総務省が企業に周波数を割り当てているのだ。周波数は限られているので、周波数が割り当てられないと多額の投資をして基地局を設営しても携帯電話サービスを開始できない。

秋にサービスを開始する楽天には、1.7GHz帯の周波数がすでに割り当てられている。

国民の共有財産である電波を使用しているのに、携帯電話事業は許認可制ではなく、各社が基本的に自由に料金を設定できる。

携帯電話事業は明治からあるインフラ事業ではないので、インフラ施設を国から払い下げられていないからだ。これは、インターネット事業も同様だ。

民間が新しくはじめた事業なので、監督官庁が許認可で縛ることができなかった。今回大騒ぎになった携帯電話料金への総務省の横槍は、監督官庁なのに権限が小さいことへのフラストレーションが背景にある。携帯電話サービスで事故があると総務省がすぐに警告をするのは、少しでも自分たちの権限を広げたい総務省の思惑がある。

新しいインフラ事業を縛ろうとする政府

インターネットの時代になって、新しいインフラというべき事業が次々と生まれている。Googleの検索事業は、ほぼ独占に近い。ユーザーが料金を払っていないのが従来のインフラ事業とは異なるが、検索結果を自由に操作できてしまうので、Googleの独占と優位は今後も動きづらい。

FacebookはFacebook事業だけではなくInstagram、WhatsAppという大手SNSサービスを傘下にしている。

Amazonはインターネット通販で圧倒的な地位を得るだけではなく、AWSなど多くのインフラとサービスを支配し、膨大な個人情報を握っている。

ヨーロッパを中心にGAFAへの規制論議が喧しいのは、ここに理由がある。

日本だとLINEのサービスがインフラ事業に近くなっている。LINEが停止したら、多くの人だけではなく、社会に大きなインパクトをもたらす。ところが、LINEサービスは許認可事業ではないので、政府からペネルティを課すことはできない。

政府が民間の事業に介入するのは、公平な競争を行うためなので、無料サービスへの介入は難しいというのがある。

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無料サービスをどう規制するか

個人的には、できる限り政府がビジネスに介入しないで、民間企業が公平に競争できれば良いと思っているが、LINEがデファクトスタンダードになり、他のサービスが使いづらい状況が良いかと言われるとちょっと首を傾げてしまう。たまには他のメッセージソフトも使いたいが、他者が使ってくれなければ自分だけでは使えない。

無料サービスに大規模な障害が起きるなどしないと、この議論は活性化していかない気もするが、どうだろう。

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iPhoneはどうして高いのか? iPadとiPod Touchの価格と比べてみる

iPhoneはなぜ高い?

iPhoneの売り上げが低迷しているのは、あまりに高い値付けが原因の一つと挙げられることが多い。確かに最近のiPhoneは高い。

256GBのiPhone XSは129,800円もする(Appleの公式サイト)。でも、どうしてこんなに高いのだろう? 例えばiPhone XSと同じプロセッサを搭載するiPad AirはiPhone XSより大きなディスプレイサイズで256GB Wi-Fiモデルが71,800円。なんでこんなに価格差があるのか、考察してみます。

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セルラー機能が高い?

iPhoneよりiPadが高い理由に挙げられるのは、セルラー機能を付与するのにコストがかかるということだ。セルラーチップのコストもかかるが、それよりも各国の認証を受けるのにコストがかかると言われている。モバイル通信を行うには、各国の認証機関から認証を受ける必要がある。国によって利用できるバンド幅も異なるし、法律も違う。今やライフラインとなっている通信が使用できない状態は許されないので、慎重な審査が必要だ。

iPadで比較すると、セルラー版はWi-Fi版より15,000円高い。これはどのiPadも共通の価格差だ。なるほど確かにセルラー機能は高い。

  • セルラー機能は15,000円

iPhoneとiPadの価格差

では、iPhoneとiPadのセルラー版を比較してみよう。いずれも256GBモデルでiPadはセルラー版。

  • 6.5インチ iPhone XS Max・・・141,800円
  • 5.8インチ iPhone XS・・・129,800円
  • 6.1インチ iPhone XR・・・101,800円
  • 11インチ iPad Pro・・・123,800円
  • 10.5インチ iPad Air・・・86,800円
  • 7.9インチ iPad mini・・・77,800円

一番高価なのは、iPhone XS Maxの141,800円で、11インチのiPad Proよりも高い(12.9インチ版の iPad Proは145,800円)。

iPhoneが大幅に値上がりしたのはOLED搭載のiPhone Xからで、OLE搭載のiPhone XS MaxとiPhone XSは液晶モデルのiPadよりも高い。

液晶モデル同士のiPhone XRとiPadを比較すると、iPhone XRの値づけは、iPad ProとiPad Airの中間に位置する。

iPad ProとiPhone XRはFace IDを搭載しカメラのスペックも似ている。22,000円の価格差は液晶サイズの大きさと考えることができる。

液晶サイズが大きいiPad miniの方がiPhone XRより安いが、Face IDの有無とカメラ性能の違いと考えられる。その違いに24,000円を出せるかというと、ちょっと高すぎる気もするが。

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iPhoneとiPod Touchの比較

発売されたばかりのiPod TouchとiPhoneも比べてみよう。iPod TouchのプロセッサはA10なので、同じプロセッサ搭載のiPhone 7の128GBモデルを比較対象とする。

  • 4インチ iPod Touch・・・32,800円
  • 4.7インチ iPhone 7・・・61,800円

価格差は29,000円。2倍近い価格差がある。iPadの例からセルラー機能の価格は15,000円だとすると、残りの機能に14,000円を払う計算になる。iPhone 7とiPod Touchの大きな性能差はカメラ、Touch IDとApple Payの有無だ。

モバイル通信をしないで自宅使用であればApple Payとカメラの出番は多くないだろうから、iPhone 7をiPod代わりに買うのは新品の場合かなりの割高になる。

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なかなかうまくできている

画面サイズが小さい割にiPhoneは高すぎるのではないかと調べ始めたが、そこまでの割高感はない。セルラー機能に15,000円、最新カメラに14,000円ぐらい、Face IDが10,000円というのが、ざっくりとしたAppleの価格設定のようだ。

以上の設定で考えれば、全部が組み込まれた最新のiPhoneが最も高いのは頷ける。

ただ、これはApple内の世界の話で、他社の製品と比べてiPhoneが高いのはまた別の話だ。

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iPhoneにマイナンバーカード。iOS 13で開放されるNFC機能で一番実現してほしいこと

マイナンバーをiPhoneに

iPhoneでスキャンして、マイナンバーを登録できるようになると日経が報じた。

政府提供のアプリを使うことで、iPhoneがマイナンバーとなって、確定申告など各種申請に使えるようになるそうだ。

NFC機能が今までよりも開放されるiOS 13で実現する。だけど、マイナンバーよりももっと対応してほしいことがある。

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NFC機能の開放

iPhoneのNFC機能が開放されるという報道は、少し前からあった。今までApple Payでしか使えなかったiPhoneのNFC機能がiOS 13で開放されて、本来のNFCが持つ機能の多くが使えるようになる。具体的には、パーキングメーターにiPhoneをかざすと支払いができたり、AndroidができるようにNFC内蔵イヤホンに近づけるとペアリングがができるようになるかもしれない。

一番対応してほしいのは、モバイルチケット

一番対応してほしいのは、筆者的にはライブのチケットや飛行機チケットだ。最近はモバイルチケットも普及してきて、紙のチケットがなくても使える施設は増えたが、その多くがQRコードやバーコードの提示が必要だ。アプリやWalletを起動してQRコードを表示しないと利用できない。

NFCに書き込むことができれば、iPhoneを端末にかざすだけでOKになる。昔は簡単にできたのになんで? と思うのは、いわゆるおサイフケータイを使っていた人だ。そう、昔できていたことが、iPhoneではできないのだ。

個人情報の管理は今やApple製品のセールスポイントになっているので、セキュリティについて慎重なるのはわかるけど、NFCを開放すればiPhoneの利便性が高まるので、早く対応してほしい。デバイスが進化したのに、できることが退化してしまったのではシャレにならない。

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僕らは3回ループする

ループするITデバイス

僕らは3回ループする。何のことかと言うとITデバイスの話だ。新しいITデバイスが登場すると、最初は使いものにならないほど低性能だが、徐々に高性能化し、多くの人が利用するようになる。やがて性能が行き詰まり、目新しい機能が出てこなくなり、デバイスはコモディティ化する。過去多くのデバイスが同じルートを辿ってきた。

最初のループ:パソコン

最初のループはパソコンだ。Windows 3.1が登場したの1991年。今のWindows 10にも通ずるウィンドウのGUI、複数のソフトウェアを同時に動作できるマルチタスク機能は、当時としては画期的だった。だが、Windows 3.1はMS-DOSのいわばシェルみたいなものでもあったので、MS-DOSの制限を受け続けた。640KBのコンベンショナルメモリの制約はプログラマを悩ませた。複数のソフトウェアを起動すると動作しないで落ちることも多かった。

1995年のWindows 95登場をきっかけにして、Windowsとパソコンは爆発的に普及した。様々な機能が追加され、CPU・GPUも高性能化し、当初とは考えられないぐらい高密度のグラフィックを高速で表示できるようになった。

ただ、2005年辺りからパソコンの出荷台数は鈍化する。パソコンが多くの企業と家庭に行き渡ると、新規購入需要が減った。パソコンの高性能化は止まらなかったが、その性能を活かす画期的なソフトウェアが生まれず、買い替え需要も伸びなくなった。

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2回目のループ:スマートフォン

2回目のループはスマートフォンだ。スマートフォンのマーケットを創ったiPhoneも初代iPhone、iPhone 3Gは日常的に使うには困難なスペックだった。 特にOSがマルチランゲージに最適化されておらず、日本語変換するだけでメモリを圧迫しアプリが落ちることもあった。初期のiPhoneで人気だったアプリはメモリを解放するアプリだった。今では考えられない。

モデルチェンジを繰り返す度に内蔵メモリが増えて、OSであるOS Xも最適化が進んできた。Androidと競争しながら、毎年新しい機能を追加してきたが、ここ数年は出荷台数が伸びなくなってきた。

目新しい機能が減り、ミニマルデザインを追求するAppleデザインもフルディスプレイを実現したiPhone Xでひとつの究極点に達した。

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3回目のループ:ウェアラブルデバイス / スマートスピーカー

3回目のループはなんだろう。Apple Watchに代表されるウェラブルデバイスか、Alexaなどのスマートスピーカーか。Apple Watchも初代は性能が低く、アプリがまともに動作しなかった。スマートスピーカーも、音声アシスタントの先駆けであるSiriは認識精度も低く、できることも限られていた。

Apple Watchもスマートスピーカーも、ここにきて日常で使える性能になってきた。

ここまで両デバイスの歩んできた道は、パソコンとスマートフォンの道のりとよく似ている。違う点は、Apple Watchもスマートスピーカーも過去のデバイスを駆逐するのではなく、追加されたデバイスだということだ。

パソコンが登場し、オフコンと呼ばれた事務処理に特化したコンピューターは消滅した。スマートフォンの登場で、パソコンを代替する機会も増えた。

Apple Watchは初代の頃と比べて単体で多くのことができるようになった。セルラー機能を搭載し、この秋に登場するwatchOS 6ではApple Watch単体でOSのアップデート、アプリのインストールができるようになる。しかし、Apple Watchを購入したらiPhoneが不要になるには、まだ時間がかかりそうだ。

スマートスピーカーを購入しても、スマートフォンは必要だ、今のところは。ディスプレイ付きのスマートスピーカーが登場して、音声だけではなく目視で確認できるようなった。音声でより多くの作業ができるようになれば、スマートフォンで行っているいくつかのことがスマートスピーカーで代替できるようになるかもしれない。それでも、「入力」作業でスマートスピーカーがパソコンやスマートフォンに勝るには、かあなりの時間がかかるだろうし、そこまで至らない可能性も高い。音声での入力は周りに聞こえてしまうので、使える場所が限定される。

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その次のループもあるのか

Windows 95から数えると12年後にiPhoneが登場し、iPhoneが生まれて今年で13年になる。Apple Watchは今年で5年目を迎え、Alexa登場から4年が経つ。あと8年ぐらいすると、また新しいデバイスが登場するのかもしれない。マウスとキーボードで両手を使って操作するパソコン、指で操作するスマートフォン、音声で操作するスマートスピーカー。次のデバイスは思念だろうか。

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Apple WatchでWebページやHTMLメールを表示する方法

watchOS 5にWebページ表示機能を搭載?

2018年秋に登場したwatchOS 5の新機能のひとつにWebページ(HTML)を表示する機能が追加されると当初発表されていた。

今まではApple Watchの画面にHTMLメールやWebページを表示することができなかった。

あれ? できない?

Apple WatchにはSafariなどのWebブラウザがない。メッセージにペーストされたURLをタップすることで、Webページにアクセスできる。

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だけど、今試すとなぜかできない。タップすると「このリンクはApple Watchでは表示できませんが、iPhoneで開くことができます。」と表示される。

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おかしいな。以前試したときはできた気がしたのに。メールをタップすると、URLのリストが表示されたような。

今試すと、メールのリンクはタップもできない。仕様が変わったのか、Apple Watch series 4には対応していないのか(ディスプレイサイズが大きくなったのにありえないと思うが)。

とにかくうまくいかない(やり方をご存知の方は教えてください)。

HTMLメールは表示できる

HTMLメールをタップすると、きちんと表示することはできる。ただし、リンクをタップしてもそのページを表示することはできない。

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アプリを使う

Evernoteを使えばHTML画像をApple Watchに表示することができる。クリップしたWebページをApple Watch版Evernoteで参照可能だ。

ただし、Apple Watchで表示される画像は一枚だけ。文字情報はすべて表示される。複数画像のうち、一枚だけ選ばれるロジックはかちょっとわからないので、画像はアイキャッチ的な意味しかない。

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左から、Mac版Safari、Mac版Evrenote、Apple Watch版Evernote

watchOS 6で復活する?

Apple WatchでWebページを表示する機能は、どこへいってしまったのだろう。もし削除されているなら、watchOS 6で復活するか注目したい。

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