小説とIT

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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無名の新人小説家はどこに住むべきか

中核市を選ぼう

朝日新聞の記事にあるように僕は東京生まれで、関東に住んでいる期間が長かったけど、現在は宮崎市に住んでいます。

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小説家は毎日出勤するわけじゃないので、勤務地のそばに住む必要がないわけです。編集者の方との打ち合わせも今はリモートで済むし。
売れっ子小説家は在京メディアの取材とかあるので、首都圏に住んでいた方が良さそうだけど、無名の新人小説家には取材も少ないし。
嬉しいことかどうかわからないけど、居心地が良い場所を住まいに選ぶことができます。

勤務先が不要なら、不動産が安いので地方住まいが経済的です。僕が住む宮崎市のような中核市ぐらいの規模なら、全国チェーン店もショッピングモールもそこそこありますので、現代における標準的な暮らしはできると思います。
地方が一番不便なのは、大企業が少なく給与が低いことなので、リモート勤務ならその懸念は不要です。

中核市でも県庁所在地だと、パスポートを取得する場所があったり、県のイベントが開かれたりので、さらに便利です。

都会は疲れたから地方に住みたいと願う地方初心者の方でも中核市からはじめるのが良いと思います。それ以上”深い”地方だと、今までとはかなり異なる生活を強いられることになるからです。
中核市に住んで、もっと自然のそばが良いなら、よりディープな場所に住むことをお勧めします。

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小説家としてはどう?


ここまで「リモート勤務ならどこで住む?」みたいな記事になっているけど、小説家としたらどういう場所に住むのがいいんでしょう。

まず必要なのは大型書店と図書館でしょうか。図書館の規模は自治体によって差があり、市の規模と連動しないことが多いので、住む前にその土地の図書館へ行ってみることをお勧めします。
書店数が減少している現在、大型書店は中核市じゃないと存在しない地方が多いと思います。中核市に片道1時間ぐらいで行ける土地を選ぶのが良いのでは。

僕の場合、カフェやファミレスで執筆することが多いので、その手の店が近い土地が嬉しいですね。できれば自転車で住めるぐらいの距離にあると便利です。

気分転換に海や山が近いとさらにいいかな。天気が良い日は、海が見える場所で執筆することもあります。

地方に住む欠点としては、大規模イベントが少ないことだと思います。展覧会やコンサートの数は少なく、大都市にしかライブを開かないアーティストもいます。
地方でも「モノ」はネットで手にいれることができますが、「体験するコト」はネットだけでは得ることが難しいです。

都会にしかないような趣味の店が絶対必要な方も地方住まいは難しいかもしれません。

本当に大事なのは人間関係

どこへ住むかを決めるのに、仕事の他に重要なのは人間関係です。遠くに引っ越せば今までの知り合いと疎遠になります。仕事と違って、友人とリモートで繋がるのはそんなに簡単じゃありません。飲まないから詳しくないけど、今でもリモート飲み会をしている人は少ないんじゃないかな。
まあ、今までの人間関係を断ちたい人は、あえて遠くに引っ越すのもいいでしょうけど。

小説家は比較的孤独な仕事ですが、人と接することで新しい発想が生まれることも多いので、いつでも話せる人を確保することは大事かと思います。

拙作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」には、「小説を書くのは、月より遠い場所」だというセリフが出てきます。そういう孤独な場所も必要でしょうし、人と話せる場も必要だと思います。
そのためには中核市がお勧めです(無名の新人小説家には)。人気有名小説家の方は、都会にお屋敷を建てて、地方に別荘を持ってください。

僕の校正ルーティン

校正さんはプロフェッショナル

著者初の書籍「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」を上梓する時は、プロの専門家が校正してくれました。ドラマやドキュメンタリーで語られているように、校正の方は本当にプロフェッショナルです。
例えば、初夏の神奈川で5時に待ち合わせしたシーンで、何気に書いた「夕焼けに染まった」という風景描写に対して「この時期の神奈川では、この時間に夕焼けにはなりませんがよろしいですか」という指摘が入ります。
あまり深く考えずに雰囲気で書いたこと(本当はダメなんでしょうけど)を指摘されると、恐縮してしまいます。
それでも、校正さんは指摘してくれますが、修正するかどうかは小説家に委ねられます。先の例では、どうしてもそのシーンでは夕焼けが必要だと小説家が判断すれば、実際の天体の動きとは違っていても残すことはできます(多分)。
どこまで緻密に書いても小説はフィクションなわけで、リアリティは大事ですがリアルではある必要は必ずしもないです。それでも明らかな事実誤認があれば(例えば、現実に存在する病気の治療法が間違っている場合など)、修正する必要はあるでしょうが。

自分で校正

Kindle作家の時は、誰も校正してくれないので、出版する前に自分で校正しないといけませんでした。
他人にお願いする前にできる限り誤字脱字を減らしたいので、今でも同じ校正のプロセスを踏んでいます。
僕が行っている校正ルーティンは、こんな感じ。

  1. 黙読(3回)

  2. 音声読み上げ(2回)

  3. もう一度黙読(1回)

  4. 最後に一太郎の文字校正機能

まずは目で読んで校正します。推敲も兼ねていますが、大体3回は読み直します。
その後、音声読み上げを行います。これはWordとMacOSの読み上げ機能を使っています。目で見ているときには気がつかないニュアンスの違いや同じ文末の繰り返しを見つけることができます。
慣れてくると、速度を上げることができるので(僕の場合はx1.75倍で読み上げています)、黙読よりも作業を早く終わらせることができます。
次に、もう一度黙読をします。この状態になれば誤字脱字はない(はず)なので、漢字とひらがなの比率や、漢字に閉じるか開くかなどを確認します。
最後は、一太郎の文字校正機能を用います。
普段はiPhoneかMacで作業をしているので、一太郎をインストールしてあるWindows PCに原稿ファイルを移して、文字校正を行います。
Wordにも文字校正機能はあるのですが、日本語の文字校正においては一太郎の方が一日の長があるように思います。
文字校正サービスを提供しているWebサイトがいくつかあるのですが、小説のように長い文章を校正してくれる無料サービスは知りません。有料ならあるのですが、使用料金が結構高く、原稿が完成した時しか使わないので、今のところ一太郎を採用しています。一太郎なら一度買ってしまえばランニングコストはかかりませんので。

それでもなくならない誤字脱字

それだけ何度も読み返し、作業を繰り返しても、誤字脱字がゼロにならないのは不思議なことです。今月刊行した「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」は初めての書籍なので気合を入れて確認したはずなのに、校正の人にかかると何十もの修正点が見つかります。
それでも、少しでも校正の人の負担を減らすために、自分の校正ルーティンは続けていきますが。

小説以外は0時間

中学のときに小説家を志してからは、できるだけ小説に時間を費やすようにしてきました。
小説を書くのに一番大事なのは、当然執筆することです。小説を作るためには、1文字ずつ積み重ねるしかなく、小説を書きたかったら書く時間を確保することが大事です。どんなに一流作家でも時間がなければ傑作を残すことはできません。

とはいっても、普通の人は学校や会社へ行かないといけないわけで、のんびり小説を書く時間なんてないという人も多いでしょう。

ただ、別に机に向かっていなくても小説のことを考えることはできます。書いていなくても頭の中で物語を構築したり、ストーリーの矛盾点を考察したりすることはできます。

これは仕事も同じだと思います。プレゼン資料を作成するときは、パワーポイントを開く前に資料の内容を考えておく方が素早く良いものができます。
白い画面を見て「さて、どんな資料を作ろうか」と考え始めるようでは時間がかかるし、良い資料は作れません。
小説も同様で、机の前に座るときには「今日は書けるものが決まっている状態」になっていることが大事だと思います。

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読書も映画鑑賞も

小説の作業は書くだけではなく、映画鑑賞や読書などのインプットも必要です。アウトプット(執筆)だけしていると小説の材料が枯渇するので、他の物語に触れることも新しい物語を書くことに繋がります。

物語を吸収すること以外にも、人との会話や街を散歩すること、テレビや動画、どんなことでも小説の材料になります。
小説を書く意識を常に保っていれば、生活すべてが小説のネタになると思います。

基本的に僕は中学の頃から、何をしている時でも小説を意識するようにしています。ランニングしながら街の風景を観察し、映画を観て素敵なシーンがあれば小説の参考にしたいと記憶しておくようにしています。

そうした材料が小説に反映できるかわからないし、埋もれてしまうネタもたくさんあります。それでも、どこかで使えると思ってネタを溜め込み続けています、リスが木の実を集めるように。

文章で書くと大変そうだし、24時間ずっと小説のことを考えていてそれで人生面白いの? と思えてきますが、もう習慣になっているのでほとんど意識していません。
タイパが悪い気もしますが、小説を書くこと自体がタイパの悪い作業なので。
それで、傑作が一生で一作でもできれば、もとがとれると思っています。

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原田ひ香さんとけんごさんの対談イベントに参加してきました

対談「なぜ小説に生きるのか」

宮崎県椎葉村で行われた原田ひ香さんとけんごさんの対談イベントに参加してきました。
椎葉村は我が家がある宮崎県内とはいえ、自宅から会場までは自家用車で3時間かかるので、最初は躊躇していたのですが、作家の原田ひ香さんと、小説紹介系インフルエンサーのけんごさんが宮崎にいらっしゃるというので、県内在住者としての謎の使命感に駆られて、居ても立ってもいられず駆けつけました。

往復6時間を掛けるに相応しい、とても良いイベントでした。
まず、場所が素晴らしかったです。椎葉村というのは日本三大秘境と呼ばれる村で、九州のほぼ中央、どの大都市からも遠く、コンビニもない、どこに出しても恥ずかしくない正真正銘の秘境です。


その椎葉村にある図書館「ぶん文Bun」がイベントの会場でした。この図書館がまた素晴らしかったです。
館内は木がふんだんに使われていて、狭い図書館にありがちな書架でぎゅうぎゅうなレイアウトではなく、広々として、たくさんのヨギボーやブランコ?があったりして、本を読むだけではなく、ただぼうとするのにもよさそうな図書館でした。

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印象的な言葉

原田ひ香さんは、「三千円の使いかた」など数多くのベストセラーを書かれた作家さんです。食べ物や本を扱った題材が多いイメージですが、たまに描かれるちょっと黒い人物も僕は好きです。

対談相手のけんごさんは、読まれた小説をTikTokやInstagramで紹介し、文学の灯火を若い人へ繋げようと活動されている方です。
けんごさんのTikTokは、小説という静的な媒体を紹介しているとは思えない熱意のこもった動画で、観終わったあとで、その小説を読んでみたくなる力を持っています。
短いワードに気持ちを注ぎ込む技術が高いのだと思います。

そのお二人の対談が面白くないわけがなく、本図書館の司書をされている小宮山さんの司会も素晴らしく、お二人の魅力が存分に伝わってくる対談でした。1時間が本当にあっという間に過ぎてしまいました。

ネタバレして良いかわからないので、あまり内容に踏み込めないのですが、ひとつ心に残った話をご紹介すると、原田さんが「読者に面白いと思ってもらえばそれで良い」と断言していたのが印象的でした。
原田さんの小説は、女性の自立や家族の問題などを扱っていて、テーマがしっかりしているイメージでしたが、読書している数時間を楽しく過ごしてもらえればそれで良いとのことでした。
そう言い切れるのはすごいなと思いました。読者へ何かしらのメッセージや自己主張をしたい小説家が多いものなので。
僕は、どちらかというと原田さんに近く、小説にテーマは設定しますが、読者がテーマに気づいても気づかなくても楽しめるのが理想だと思っていますが、楽しめればそれでいいとまで言い切れるようには書いていない気がします。

けんごさんの話では、「小説はもっと伸びる」と、まるで未来が見えるような澄んだ目で語っていらしたのが印象的でした。
けんごさんの動画を見て、小説を読み始めた若い方がたくさんいるそうです。その方々は小説に接する機会がなかったから読んでなかっただけで、小説の魅力が落ちているわけではないという話でした。一度読めば小説の魅力に気づき、小説のファンになってくれる人はたくさんいるとおっしゃっていました。

今まで僕は小説家さんのイベントに参加したことがありませんでしたが、非常に有意義だったので、今後見つけたら参加したいと思います。宮崎から行けるイベンツとは少ないのが難点ですが。

 

 

走ることについて無名の新人小説家が語ること

一ヶ月に100キロ


僕は一ヶ月100キロ走るようにしています。
一日3キロちょっと毎日走れば一ヶ月で100キロになるので、そんなに難しいことではありません(と思います)。(交通事故に遭ったりして)中断したことはあるけど、もう10年以上この生活を続けています。

走り始めたきっかけ

走るきっかけになったのは、村上春樹さんです。
村上春樹さんは、毎年フルマラソンを走っているランナーでもあり、毎日1時間をランニングに費やすので、1日を23時間と考えているそうです。
小説家になりたいと強く思ったときに、日本で最も有名な作家のひとりである村上春樹さんの真似をすれば小説家になれると無邪気に考えて走りはじめました。
この記事は、村上さんのエッセー「走ることについて語るときに僕の語ること」をひねったタイトルにしています。

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走る効用

毎日走ったところで、もちろん小説は1文字も書けません。走る時間があるなら、机に向かって書いたほうが良い気もしますが、この走る時間が小説を書くのに、僕にとってとても大事なんです。

走っているときはスマホが使えないので、情報をシャットダウンすることができます。走りながら街の風景を見ていると、ふと新しい表現が思いついたり、物語の矛盾を解決する方法が浮かんだりします。
なにがどうのように作用しているかわかりませんが、家にいてもこのようなアイディアが出ることは少なく、走っているときに良い解決方法が思いつくことが多いです。

もうひとつの走る効用は、街の風景が見られることです。走っていると、変わった形の家を見つけたり、新しい店がオープンしていたりと新しい発見があります。歩いている人や庭を掃除している人を見かけます。金木犀の香りや頭を垂れる稲穂を見て、季節の移り変わりを感じることもあります。
それらの風景を、すぐに小説に使えるわけではありませんが、書いているときに、ふと過去に見た街の風景が浮かび新たなシーンが生まれることがあります。

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オーディオブックも

走ることは小説執筆に効果があるのですが、欠点は時間を消費することです。ランニングに、走る準備とシャワーの時間を合わせると1日1時間程度消費します。その分、小説を書いたり、本を読んだりする時間が減るわけです。
走っている時間を有効活用するために僕がしているのは、オーディオブックを聴くことです。走ってリフレッシュしながら、本を聴くことができて、一石二鳥です。

耳で聴いても場面が浮かばない人もいるらしいので、オーディオブックは向き不向きがあるのですが、僕は幸い”耳読”でも黙読と同じぐらい内容が頭に入ってくるので、オーディオブックは役立っています。

普通の読書と同じように、オーディオブックを聴いているときに小説のアイディアが浮かび、気になるフレーズを発見することがあります。
アイディアが浮かぶのは良いのですが、走っているときは、その場でメモしにくいのが難点です。覚えておこうと思うのですが、走り終えるとすっかり忘れてしまうこともしばしば。
本当に大事だと思えるときには、その場で立ち止まり、スマホに入力するようにしています。

おすすめはしません

ランニングが趣味の人は「走るのは最高だよ。走らないのはもったいない」と他人に走ることを勧めてウザがられることがあるようです。
というわけで、おすすめはしませんが、気になった方はぜひ試してみてください。

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Kindleと書籍では読者層が異なる

発売から20日

宝島社文庫「ふたりの余命  余命一年の君と余命二年の僕」が発売されてから20日が経ち、いくつか感想をいただきました。
この感想がKindle版と違うのが興味深いのでご報告します。

異なる感想

ふたりの余命  余命一年の君と余命二年の僕」(以下、宝島社文庫版)は、Kindleで出版した「ふたりの余命」(以下、Kindle版)が元になっています。

Kindle版は、「ふたりの想いに感動した」「ラストで泣いた」という感想が多かったです。
ふたりの余命」は男女高校生が主人公なので、比較的若い人が多い印象です。

宝島社文庫版では、途中にでてくる男との会話が印象的という感想をいただきました。恋愛の話ではなく、仕事や生き方の話です。一年以上販売している「ふたりの余命」では数多くの感想をいただきましたが、この箇所に言及した感想はゼロでした。
宝島社文庫「ふたりの余命  余命一年の君と余命二年の僕」は、働いている人の読者も多いようです。

異なる読者層

感想の違いは、電子書籍と書籍の読者層の違いといえるかもしれません。スマホやタブレットで読む人はデジタルデバイスに慣れた若者層が多いのでしょうか。

電子書籍ビジネス調査報告書2023」の調査によると、10代20代では電子書籍の利用率は50%を超えていますが、40代50代の電子書籍利用率は50%以下です。

引用:電子書籍ビジネス調査報告書2023
電子書籍ビジネス調査報告書2023 | インプレス総合研究所 research.impress.co.jp 

こちらの調査でも、やはり若年層の電子書籍利用率が高く、年代が高まるにつれて、紙の本だけを読む人が多い結果になっています。

引用:「読書習慣」調査

この調査結果からわかる通り、従来から紙の本を読んできた人が宝島社文庫版を購入してくれているのかもしれません。
宝島社文庫版は文庫だから文字は比較的小さく、若い層に受けいられそうな表紙をしていますが、それでもKindle版よりも読者層は高めになるのですね。
サンプル数が少ないので、確定した情報ではありませんが。

今まで僕はKindleだけで出版していたので、比較的若い人をターゲットに書いていたつもりですが、書籍で出版するなら、もう少し高めの年代を意識して執筆した方が良いかもしれません。 

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インタビューを受けるコツはメモを持たないこと

インタビューを受けた

昨日、朝日新聞に僕の記事が掲載されました。

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ちょっと前にインタビューを受けて、僕の半生や「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」についてしゃべりました(どうでもいいけど、「半生」(はんせい)と「半生」(はんなま)が同じ漢字なのは日本語のバグでは?)。

少し前にもひなた経済新聞社さんに取材をしてもらいました。

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記事にもあるとおり、数年前まで僕は会社員をしていました。会社員時代に雑誌やWebメディアの取材を受けたことが何十回とあります。
最初は緊張しましたが、徐々に慣れて、なにを聞かれてもこ回らず答えられるようになりました。
その経験があるので、小説家になってインタビューを受けても、そこまで右往左往することなく対応できています(きっと、多分)。
誰でもインタビューを受けなければいけないことがあると思います。
そのときのために、今まで僕がインタビューを受けて得たコツをご紹介します。

メモは持たない

インタビューの時にメモは持たないようにします。忘れたときの保険になるので、本当は調べた内容が手元に置いておきたいのですが、メモがあると読んでしまう感じが出てしまうので、インタビューの時は手ぶらです。
メモを持っていけないと、すべての質問に対して記憶で回答しなければいけないわけで、事前準備をしっかりする必要があります。メモを持たないと意気込みが違ってきます。
メモを見ないから、インタビュアーを向くこともできるので、印象も良いです。
インタビューの時はメモを持たないようしましょう。

インタビュアーの望むことを話す

会社員時代からインタビューを受ける際に気をつけていることは、「インタビュアーが望んでいる内容」を話すことです。
当たり前ですが、記者は編集者がインタビューをするには、目的があります。技術系サイトなら新しいテクノロジーについて、経済誌なら売上やマーケティング情報、地方紙なら、その地方に関することを聞きたいわけです。
だから、インタビューする前に、メディアの種類、そのメディアが今注目していることを確認して、そのインタビュアーが目的とするものがなにか確かめます。
欲しい情報がわかれば、事前にそれについて調べておくことができます。
インタビュアーの望むことを調べて、それに関するネタを用意しておきましょう。

見出しを想定する

インタビューを受ける前に見出しを考えておきましょう。見出しを決めるのは、編集の人なのですが、話す前にこのような見出しになるといいなと受ける側も考えておくと、話す内容が変わってきます。
自分が見出しにして欲しい「キラーワード」を用意しておきましょう。見出しは短ければ短い方が良いので、キャッチーなワードをインタビュー中に発しましょう。

お土産を用意する

お土産といっても、地元のお菓子を用意するわけではありません。ネタです。
複数のメディアのインタビューを受けると、どうしても同じような話になってしまいます。メディアは新しい情報が欲しいので、新しいメディアには必ず新しい話を用意しておきましょう。

オフレコはない

一度話したことを訂正することはできないと思ってください。「ここはオフレコで」というのも通用しません。
取材の内容によっては、インタビュー後に原稿を確認できることもありますが、大抵は無理です。
書かれたくないことは言わないようにしましょう。

何よりも慣れ

いろいろ書きましたが、インタビューをうまく対応するには、慣れが一番肝心です。何度も受ければ、自然と上手くなります。 

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朝日新聞に紹介されました

朝日新聞に記事

朝日新聞に「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」と著者が紹介されました。朝日新聞朝刊の宮崎版に掲載されて、Web版にもアップされています。
僕のプロフィールと小説の内容が書かれています。
一般紙なのに人物像だけではなく、小説の内容についても書いてくれて嬉しいですね。
結構大きな記事で。カラー印刷だし。ありがたき。

小説に興味を持ってもらえれば

こうしてメディアに登場することで、ひとりでも多くの人が「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」に興味を持っていただければ嬉しいでございます。

新人小説家が観てはいけない動画

新人小説家が観てはいけない動画

昨日は、新人小説家が観るべき動画に佐藤青南先生の動画をあげましたが、今日は新人小説家が観てはいけない動画をご紹介します。

それは、こちら。「有隣堂しか知らない世界」の「職業作家の1日ルーティン」です。

有隣堂は、神奈川県内を中心に展開する書店チェーンです。有隣堂さんが本や文房具などを面白おかしく紹介してくれる動画チャンネルです。そのチャンネルのひとつに中山七里先生の1日を観察した動画があります。

ご存知だと思いますが、中山七里先生は多数のヒット作を出している小説家で、たくさんの人気シリーズを抱えていて、一年に何作も小説を出版しています。
どうしてそんなにいっぱい書けるのか、この動画を観ればその秘密がわかります。

サムネイルでネタバレしていますが、先生は動画の中で、1日17時間以上執筆をして2時間だけ寝て、食事もしていません。トイレも1日1回に済むように水分を摂取しないようにしているそうです。

どうです? 怖くないですか? ホラーですよね。中山先生ほど人気小説家になっても、これだけ努力しないといけないと思うと、ゾッとしませんか?
中山先生より文章力が劣る自分は18時間以上書かないと中山先生に実力が追いつかないわけです。怖。何度でも言うけど、怖。

新人小説家、小説家を目指している人にとって衝撃的な動画だと思います。観ると、一流小説家になる壮絶さを目の当たりにして、暗澹たる気持ちになります。
でも、まあ、これは誇張というか先生特有のユーモアですよね、きっと。そんな生活ができるわけないですよ。

そういえば、佐藤青南先生が質問に回答する形式で動画でこの件について触れていましたので、観てみました。

え? マジなの?

新人小説家が観るべき動画

少ない小説家のお仕事情報

ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」での商業デビューが決まったときに、編集者の方は細かくアドバイスしてくれたので、本を出版するのに困ったことはありませんでしたが、新人小説家としての心構えみたいものまではわからず、いろいろネットで調べたのですが、多くの情報が「どうしたら小説家になれるか?」ばかりで、「小説家になったら何をすれば良いか?」の情報は、なかなか見つかりませんでした。
その中で役に立ったのが、望月先生のポストでした(以前にも紹介しましたね)。

超役に立ったYouTube動画

望月先生のポストと合わせて役に立ったのは、佐藤青南先生のYouTube動画でした。佐藤先生は、10年以上前から1000本以上の動画をアップしています。そのほとんどが小説関連の動画で、視聴者からの質問に対して丁寧に回答しています。
この動画がとっても役に立ちました。小説家としての心構えや、小説家がやるべきことが詳細に説明してくれています。

www.youtube.com

以前に、新人小説家がやるべきこととして書いた「次回作を早めに書くこと」は、佐藤青南先生も語られていました。

佐藤先生は長らく活躍していらっしゃるので、小説家として食べていくためにどうすれば良いか「小説家という職業」について多く言及されています。
小説家になって良いことばかりではなく、シビアな業界事情をリアルに語っているのがとても参考になりました。

小説家を目指す人の質問にも回答しているので、小説家になりたいと思っている人も、ぜひ試聴してみてください。 

2000作の小説を書いた人

「今までに小説を何作書きましたか?」

取材や質問を受けるときに「今までいくつの小説を書きましたか?」と聞かれたら、「2000作品です」と答えたいと思うことがあります(実際に答えたことはありません)。
2000作品を書いたというのは冗談ではなく、本当です。まじです。
Twitter小説というのをご存知でしょうか(今はX小説と言うの?)。140字の文字制限の範囲内で書く小説のことです。
僕はこのTwitter小説を2000作書きました。こちらのTwilogで参照できます。

どうしてそんなに書いたかというと、小説執筆の鍛錬のためです。
10年ぐらい前に創作力を磨くために、毎日Twitter小説を書いていました。140字ですから、通勤中に5分ぐらいで書けるのですが、短い文字数で余韻やオチをつけるのは工夫が必要だし、文字の節約のために体言止めの使い方などをTwitter小説を毎日書いて学びましたね。
一度始めるとしつこく続けるので、Twitter小説の執筆は5年以上やっていたと思います。

Twitter小説大賞

賞にも応募して、第2回第3回Twitter小説大賞で優勝賞を受賞しました。
こちらが第2回の優秀賞。

こちらが第3回優秀賞。どうでしょうか?

Twitter小説で使った表現を長編小説内に用いたこともあります。第3回優秀賞で使った「かける」の連続は、他の小説でも使いましたね。

役立っている140字の小説たち

Twitter小説で得たイメージから長編小説を書いたこともあります。

このTwitter小説のイメージを元にして書いた中編小説が「雪の愛した物語」でした。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0BFVC9G96

2000作のうち気に入ったTwitter小説を332抜き出し、そのすべてにあとがきをつけて本にしたこともあります。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00FPQ7WGE

最新作の「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」まで25作の長編小説を書きましたが、それだけ書けたのは2000作のTwitter小説を書いたからだと思っています。

iPhoneで小説を執筆する

iPhoneを使う理由


基本的に毎日小説を作る作業していますが、使用するデバイスは作業の内容によって変えています。

初稿を執筆するときはiPhoneとBluetoothキーボードを合わせて使うことが多いです。ノートPCを持っているのに、どうしてiPhoneの小さい画面で執筆するかというと集中するためです。
僕の集中力は、人に触られるとメンタルがやられてしまうナマケモノのようにか弱く、マルチウィンドウを表示できるPCだとWebや動画など他のことに目移りしてしまうので、基本的にシングルウィンドウで原稿しか表示できないiPhoneの方が集中して執筆できます。

餅は餅屋

使用しているキーボードは、Apple純正Magic Keyboardです。

 

Bluetoothキーボードを10個ぐらい買って色々試してみたけど、結局Apple純正のMagic Keyboardに落ち着きました。

Magic Keyboard開封

お高いですが、打鍵感は申し分なく(普段使っているMacbook Airと同じ感触)、入力していて気持ちが良いので、買っては損しないキーボードだと思います。
英語キーボードなのは、これも集中力ケアのためです。英語キーボードはひらがながプリントされていないので、目に入る情報量が少なく、気が散らないからです。

ケースも大事

Magic Keyboardの打鍵がとても良いので外出先でも使いたくなりました。
そのために購入したのが、このキーボードケース。このケースは欠点が非常に少ないですね。

FintieというメーカーのMagic Keyboard専用キーボードケースで、キーボードを保護できるだけではなく、スマホ(タブレット)スタンドにもなります。

閉じた状態

キーボードに当たる部分がフェルトみたいな柔らかい生地で、傷がつきません。

蓋を開いた状態

一番良いのは、蓋がスタンドになることです。
iPhoneとワイヤレスキーボードを合わせて使うときに必要なのがスタンドです。iPhoneを立たせる方法は色々ありますが、このケースを使えば他のものを用意する必要がありません。
蓋の部分がマグネットを内蔵しているので、すぐに開けられますし、蓋のベロをくっつけるだけであっという間にスタンドの形にもなります。

スタンドを立ててiPhone 12 miniを置いた状態

Magic Keyboardとこのキーボードケースは、とにかく使っていてストレスがないですね。
このケースとiPhoneを持ち歩くだけで執筆できるので、他のものは一切不要です。荷物を減らしたい人には最強の組み合わせだと思います。
このケースの欠点を挙げるとすれば、キーボードを保護する部分が汚れやすいことぐらいですかね。

推敲や改稿はMacbook Airで

なんとなく製品紹介ページみたいになっていますが、アフェリエイトではないですからね。以前書いていたIT関連の記事の名残が文体に残っているかも。

えっと、話を戻すと、小説の執筆はiPhoneを使いますが、推敲や改稿はMacBook Airを使っています。
昨年発売されたM2チップ搭載の13インチMacBook Airです。

執筆はiPhoneの小さな画面でも良いのですが、推敲するときはページ全体を俯瞰して、漢字の割合や文字の密度をチェックしたいので、ノートPCを使っています。

猫と推敲

Windows PCも持っているのですが、メインのマシンは、このMacBook Airです。WindowsよりもOSがスッキリしていて好みなのと、iPhoneとの連携を考慮してMacにしています。
Magic Keyboardと併用することで、どこでも同じキーボードで打鍵できるのも大きいです。
作業中は、AirPods Proを耳に装着していることが多いです。iPhoneとMacの両方のマシンを使うので、使用しているデバイスとAirPods Proを接続させる必要があります。
iPhoneとMacだとワンタッチでデバイスを切り替えることができます。
さらに今年のOSアップデートでは、音を出力しているデバイスへAirPods Proが自動的に入れ替われるようになったので、さらに便利になりました。

まとめ

まとめると、こんな感じ。

  • 執筆・・・iPhone + Magic Keyboard + キーボードケース

  • 推敲・・・Macbook Air

あと、著者校正は、タブレットPCを使っています。今は、Amazon Fire 10 Plusを使っていますが、新しいiPad Airが発売されたら買い替えようと思っています。Fire 10も良いのですが、手のひらが画面に当たって誤動作させないために手袋(?)をはめるのが面倒なので、パームリジェクション機能があるiPadが欲しいんですよね。

小説のネタバレはどこまで許されるのか考える

発売2週間!


デビュー作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」が発売されて2週間が経ちました。多くの方が本を手に取っていただいたようで、本当にありがとうございます。

SNSやブログで自著を紹介したいのですが、内容をあまり書いてしまうと興味を失って本を手に取ってもらえなくなります。と言っても、内容が全くわからなければ興味すら持ってもらえません。
発売前に、内容が少しでも伝わるようにQ&Aを投稿しましたが、ネタバレはしていません(たぶん)。

小説というのは、本を紹介するためにどこまでネタバレをして良いのでしょうか。

ネタバレの限界は背表紙?

「公式ネタバレ」といえるのは、背表紙と帯に記載されているあらすじや解説でしょうか。
ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」の背表紙には、あらすじが書かれています。

背表紙のあらすじ

あらすじには、侍姿の死神ミナモトが、主人公の椎也に余命二年、楓という少女に余命一年を宣告するとあります。まあ、サブタイトルに「余命一年の君と余命二年の僕」とあるので、表紙を見てもわかりますよね。
死神が出てくるので「病気もの」ではなく、ちょっと不思議要素が含まれていることもわかります。
余命一年の楓が「ある事件の犯人を捜してほしい」と椎也に依頼するとあります。主人公たちが「犯人捜しをする」のはわかりますが、どんな事件が起きるのかは伏せられています。
なにが起きたのか、ちょっと気になりますよね。

帯にも紹介

ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」の帯には、「登場人物紹介」が記載されています。
主要な登場人物三名(死神を人扱いして良いのかわかりませんが)が紹介されています。他の人物も登場しますが、ここには記載されていません。脇役か、あるいは物語の秘密に関わる人物か。

帯にある登場人物紹介

このように、書籍には興味を引く情報は開示されていますが、ネタバレはありません(当たり前ですが)。絶妙なバランスですよね。

本が発売されると、読者の感想がSNSやネットに流れます。
読書感想投稿サイト「読書メーター」ではネタバレの感想はクリックしないと読めないようになっていますが、どこからがネタバレになるのかは読者の判断に委ねられています。

映画の場合

映画に行く参考にするために、映画の紹介を読むことがあるのですが、この紹介文が本当に絶妙で、ネタバレしていないのに興味が持てる絶妙な内容になっていて、読むたびに感心します。

映画は、上映直後のネタバレは少ないのですが、2週間ぐらい経つとネタバレを含む解説が増えていく印象です。

小説は読み終わるのに時間がかかるし、通常一ヶ月ぐらいで上映終了する映画よりも店頭に並んでいる時期が長いからか、ネタバレしづらい雰囲気があるように思います。
そうなると、紹介できる内容は、背表紙にあるあらすじが限界かもしれませんね。文庫本だと、巻末に本の紹介文が記載されている場合がありますが、「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」にはありませんし。

ネタバレしないで小説の魅力を伝える良い方法をご存知の方がいれば教えてください。

1900日間ブログを書いて分かったこと

ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」」が発売される数日前から、このnoteを開設しましたが、昨年までは「はてなブログ」にほぼ毎日ブログを投稿していました。その数約1900記事。内容は、ITに関する記事がほとんどです。

会社を辞めてから5年の間、ほぼ毎日欠かさずブログを投稿していました。
ブログを書きはじめたのは、毎日を規則正しく過ごすためでした。
退職して毎朝どこにも出勤する必要がなくなり、自堕落になってしまうのが怖かったので、朝起きたらブログを投稿することをタスクに設定しました。しばらく続けたら、ブログを書かないと気持ち悪く感じるぐらい習慣化したので、五年間続けることができました。
もうひとつの理由は、文章力の向上です。小説を書いても文章は上手くなりますが、小説を完成させるためには取材と推敲、改稿も必要なので、新しい文章を毎日書くわけではありません。
ブログではITに関する話題を取り扱ったこともあり、小説とは異なりブログの文章は説明文に近い文体でした。
僕の小説は、描写がわかりやすく、場面が頭に浮かぶという感想を受けることが多いのですが、逆に説明文はちょっと苦手でした。
だから、ブログを毎日投稿することで説明力をつけようと考えたわけです。

小説は描写と説明の繰り返しだといわれます。乱暴に言えば、会話や風景など登場人物がいる現在の描写と、これまでの経緯を伝える過去の説明を組み合わせたものが小説だといえます。
ブログで説明文を毎日書くことによって、小説内で状況説明をする文章を書く力を養えたと思います。

やると決めたら、僕はしつこいので、ブログの投稿を五年間続けることができました。
1900のブログを投稿したことで、小説内で状況を説明する文を書くことが苦にならなくなりました。

どうして昨年でブログの更新をやめたかというと、「第12回ポプラ社小説新人賞」の奨励賞を受賞したからです。
賞をいただいたことで、今まで以上に集中して小説家を目指すことを決意し、小説の執筆に専念するために、IT関連のブログの更新をやめることにしました。
当時は「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」の出版する話もありませんでしたから、プロの小説家になれると決まっていませんでしたが、チャンスを逃さないために、ブログをやめて小説に一本に絞った次第です。

小説執筆に専念すると言っておきながら、今はnoteを毎日更新するのはどうかと思いますが、一人でも多くの方に「高山環」を知ってもらい、自著を手に取ってもらうために投稿しています。
作者に興味を持ってもらえれば、名もなき新人小説家の本を読んでもらえるかな、と。

偉そうに言っていますが、小説家になってnoteを更新するアイディアは、岩井圭也さんのnoteを読んで思いついたことです。作家である岩井圭也さんは5年前にデビューしてから多くの著作・ヒット作を残しています。岩井さんは毎日「活字ラジオ」という記事をnoteに投稿しています。

様々なジャンルを描く岩井さんには以前から勝手に親近感を抱いていました。
複数の連載を抱えて、ご多忙な岩井さんが毎日更新できるなら、自分でもできると思い、noteの投稿を始めました。
今後も毎日投稿できるかわかりませんが、生暖かい目で見守っていただければ幸いでございます。 

新人小説家は次回作になにを書くべきなのか

昨日のnoteに書いたように、新人小説家がやるべきことは「次回作を早く書くこと」だと思います。
では、次回作にどのような小説を書くべきなのでしょうか。

デビュー後の2冊目の本は「デビュー作に似たジャンルの作品」を書くパターンが一番多いように思います。そりゃあそうですよね、ベタベタのロマンス小説を読んで、その作家のファンになった人が次回作を読んだらバリバリホラーだったら腰を抜かすでしょう。

ホラー作家の巨匠スティーヴン・キングは、超能力少女が主人公の「キャリー」でデビューした後、吸血鬼が登場する「呪われた街」を編集者に見せたところ、「超能力ものの次に吸血鬼ものを書いたら、君はそういう作家だとレッテルを貼られることになるよ」と言われたそうです。
この編集者が言ったように、2冊目の本はその作者のキャラクターを強く印象付けることになるわけです。その後、キングはモダンホラーの第一人者となるので、何の問題もなかったでしょうが。

僕の場合、デビュー作の「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」は、高校生の恋愛ミステリーなので、定石で行くなら、若い人が主人公の似たジャンルを書くのが無難だと思います。
ただ、本当にそれが読者が望んでいるのかは、ちょっとわかりません。名もなき新人小説家(このフレーズをちょっと気に入っています)には、そんなに多くのファンがいないわけですから、デビュー作と同じ作品を書けばヒットするとは限らないわけで、思い切って全然違うジャンルの作品を書くのもありかもしれません。

ちょっとややこしいのは、僕の場合、Kindleで多くの作品を出版していることです。
ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」の元になった「ふたりの余命」は、元々Kindleで出版していた作品でした。
Kindleでは、恋愛もの、SF、ミステリー、ファンタジー、サスペンス、家族もの、時代もの、純文学など様々なジャンルを書いて出版してきました(書いていないジャンルはホラーだけかも)。だから、書こうと思えば多分どのジャンルも書けます。
すぐに出版したいなら、過去の作品を改稿するのが一番早いですが、「デビュー前の作品に固執するな」という先輩方の教えもあるので悩ましいところです。

幸いなことに、昔から小説のネタに困ったことがなく、書きたい物語は常に10個近くストックがあります。過去の作品は忘れて、新しい作品の完成を目指した方が良いように思います。

大前提として、名もなき新人小説家が「この作品を本にしたい」と言っても、出版してくれる出版社がいなければ、本を出すことはできません。
編集者の方がOKと言ってくれる作品を書く必要がありますけどね。

あまり深く考えずに、とにかく色々アイディアを出してプロットを作るべきなのでしょう。というわけで、次回作を色々と考えつつ作業を進めているところです。