14インチMacBook Pro登場
最新チップ「M1 PRO」「M1 MAX」の対応した14インチ MacBook Proが発表された。内部もボディもゼロから新設計されたフルモデルチェンジモデルだ。
ほとんどの部分が変更された最新モデルを昨年発表の13インチ・MacBook Airと12項目で比較してみました。
- 14インチMacBook Pro登場
- プロセッサ
- メモリ
- ストレージ
- ディスプレイ
- バッテリー駆動時間
- タッチセンサー
- カメラ
- オーディオ
- ポート
- 電源アダプタ
- サイズと重量
- 価格
- ユーザーが試されるモデル
プロセッサ
14インチは最新チップである「M1 PRO」と「M1 MAX」を搭載した。最大10コアのCPU、最大32コアのGPUまで選択できる。
CPUが従来のクアッドコアIntel Core i7搭載13インチMacBook Proと比較して3.7倍、GPUがM1 Proで9.2倍、M1 Maxで13.4倍の性能を誇る。
M1チップのCPU性能が前モデルの最大2.8倍だったから、単純計算でM1チップより1.3倍高速、GPUは最大5倍だったから、単純計算でM1 ProはM1より最大1.84倍ぐらい速いことになる。昨年のM1チップでもかなりの高性能だったのに、それより1.3倍、1.8倍となるとどんだけ高性能なのか。
ただ、それだけの高性能を活かす作業をユーザーができるかどうかがポイント。スリープからの解除がすばやくなったらしいので、試してみたい。
動画編集などで、M1チップでも「遅い」と感じていた人には待望の新型チップだ。
メモリ
M1チップは最大16GBだったが、14インチ版は最大64GBまで。M1シリーズはユニファイドチップなのでメモリもインテグレードされているので、昨年はバリエーションを用意できなかったが、今年はさらに高性能が要求される16インチ版があるので、64GBまで用意されたと思われる。
M1チップは8GBが標準だったが、本モデルは16GBが最低容量のメモリになっている。前モデルやAirと価格を比較する場合は注意が必要だ。
ストレージ
14インチは最大8TBまで用意された。価格もものすごくプラス264,000円!
メモリと同様に最低容量が変更されていて、M1版にはあった128GBが廃止され、最低ストレージ容量は256GBになった。
ディスプレイ
ディスプレイは大幅に進化した。ベゼルが細くなり、ディスプレイサイズは14.2インチに拡大されて、3,024 x 1,964ピクセルに増えた。
画質も大幅に進化して、最新モデルはミニLEDにPromotion対応のLiquid Retina XDRディスプレイを搭載してきた。「iPad Pro」と同等の画像品質になったわけだ。
ベゼルが細くなった代わりにカメラ部分がノッチになった。目立ちそうだけどメニューバーに埋め込まれているので、違和感がない。メニューバーとノッチの高さがピッタリあっている。こういう点はハードウェアとOSを一体で開発できるAppleの強みだ。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は過去モデルの方が優れている。13インチ版が最大20時間、14インチ版は最大17時間と短くなっている。この比較は、Apple TVアプリのムービー再生が対象だが、ワイヤレスインターネットの比較では最大17時間と11時間と大きく減っている。
Apple TVアプリを使用するときの駆動時間がそれほど短くなっていないのは、M1チップに特別対応しているからだろうか。
M1 Pro・M1 MaxはハイパワーなためM1チップより消費電力が大きい。バッテリー容量も増えたが、昨年の異常とも言える長い駆動時間には達することはできなかった。
タッチセンサー
13インチ版Macbook ProにあったTouch Barが廃止された。ブラインドタッチできないTouch Barは以前から不人気だったが、5年が経過してようやくなくなった。カスタマイズできるファンクションキーとして結構好きだったんですけどね。
カメラ
内蔵カメラは解像度が2倍の1080P FaceTime HDカメラにアップデートされた。画像センサーもアップデートされて、暗い場所での性能が2倍にアップした。
オーディオ
オーディオシステムも変更された。6スピーカーを搭載し、内蔵スピーカーでドルビーアトモス、空間オーディオを再生できるようになった。Macで動画鑑賞する人には良い。
AirPods Proなどワイヤレスイヤホン装着時にもダイナミックヘッドトラッキングにも対応していて、頭の動きに応じて音場が変化する。
ポート
一度廃止したHDMIとSDXCカードスロットがまさかの復活。こういったケースはAppleでは非常に珍しい。USB-Cポートは左右両端にあるので、どちらからでも利用できる。MagSafeポートも復活したが、USB-Cポートからでも充電できる。
電源アダプタ
電源アダプタは67Wに強化された(10コアM1 Pro、M1 Maxは96W電源アダプタが付属)。ハイパワーを支えるためとバッテリー容量が増えたためだと思われる。
表記にはないが、MagSafe充電が復活した。MagSafe 3となり過去のMagSafe 2にはなかった急速充電に対応した。使ったことがある人なら、近づけるだけで接着し、ケーブルに足をひっかけても自動的にケーブルが外れるMagSafeの有り難みはよくわかっているだろう。
MagSafe 2ポートは左側面にある。電源の場所によってはケーブルの取り回しに苦労するが、その場合は右側面にもあるUSB-Cでも充電が可能だ。
サイズと重量
13インチ版Macbook Proと比較して、サイズはほとんど変わっていない(0.85cmだけ幅が広がった)。重量は0.2Kg増えたので、比較すると重くなったと実感できると思う。
価格
最低価格は大幅にアップした。13インチ版Macbook Proが148,280円、14インチ版は239,800円が最低価格。ただ、14インチ版は16GBメモリに256GBストレージと最小構成が変更されている。メモリとストレージを同容量に合わせると、13インチ版も192,800円になり、価格差は47,000円まで縮まる。
47,000円で、上位チップとインチアップした高品位ディスプレイ、高性能カメラとスピーカーが手に入ると考えると、Proモデルを買うなら14インチ版を選択したい。
これが高いと感じるなら、14インチ版Macbook Proの半額以下であるMacBook Airを選ぶべき。
ユーザーが試されるモデル
新型Macbook Proは全面的にアップデートされて、最新プロモデルにふさわしい性能に進化した。弱点は、バッテリー持続時間と重さぐらいだろう。バッテリー持続時間はワイヤレスインターネット接続で最大11時間なので、バッテリーだけで1日中使うには少々心もとないが、急速充電対応のMagSafeがつかえるので、ちょっとの合間でも充電が可能だ。
購入するかどうかは、これだけの高性能のPCをユーザーが使いこなせるかどうかに掛かっていると思う。動画編集など高負荷の作業を頻繁に行う人にはProモデルは最高だろうし、そこまでの作業を行わないなら、M1チップモデルでも全く問題がない。
M1チップもかなり高速なので、通常使用する人はMacBook Airでも問題ないと思う。長く変わっていないボディデザインのマシンを買うのが嫌なら、おそらく来年登場するだろう新しいMacBook Airを選ぶのありだとおもう。
動画編集などハードな作業をする人、太いベゼルが我慢できずTouch Barが嫌な既存MacBook Proユーザーは、最新版に買い換えても後悔しない素晴らしい性能なモデルだと思う。