2016年はMacにとって極めて重大な年となった。新登場したMacboook Proが斬新だったからではなく、2016年は「Macの終わりのはじまり」として記録されるだろう。
iPad編にも書いたが、MacはAppleの売上全体の10%でしかない。新しいMacbook Proが期待はずれなのも、他のmac製品がアップデートされないのも、Appleからしたら当然のことで、売れない製品に力をいれることはできないのだ。
今まではMacはデジタルハブとして、iTunesを通してiPod, iPhone, iPadを管理する存在だったが、今では他のプロダクトと並列する存在になった。OS XがmacOSと他のOSに合わせた名称に変更になったのが象徴的だろう。
いずれMacはなくなり、クリエイター向けにはiPad Proが使用されるようになるとAppleは考えている。
昨年唯一メージャーアップデートされたMacbook Proは、Appleが全てのリソースを注ぎ込んで作られたものではない。Macbookで採用された形状をボディに合わせたバッテリーも使われなかった。
今回注目のタッチバーは、タッチスクリーンを採用していない解として理詰めで考えだした、いかにもApple的な機能だが本当に便利なのかは今後のアプリの展開による。タッチバーを導入するなら、Touch 3Dのような振動によるフィードバックが欲しかった。
MacBook Airは昨年アップデートされず、Macbookと競合したまま忘れ去られようとしている。Mac miniも同様だ。iPod Classicへの措置を思い出させる。いつアップデートされるのかとユーザーを長い間やきもきさせたのち、忘れた頃に販売停止の知らせが届く。老兵は死なず、ただ消え去るのみだ。
クックCEOは今年Macを刷新すると語ったそうだが、大きな変更はないだろう。今、AppleがMacに注力する必然性がないからだ。