微増のタブレット市場
昨年のタブレットの国内出荷が伸びたそうだが、微増(1.4%増)であり、減少した前年から下げ止まったというのが実態だ。
セルラーモデルのAndroid機は使われている?
大きく増えたのは携帯キャリアが販売するセルラーモデルで、スマートフォンとセット販売した効果が大きい。Huaweiがドコモ向け、LGがau向けで、キャリア別携帯電話のシェアに近い販売比率になっている。
(引用:MM総研)
数年前に流行したいわゆる「中華タブレット」やSONYなどが販売した高級Androidタブレットの姿はない。大型化したスマートフォンがタブレットの需要を食ってしまったからで、SONYはタブレットの製造・販売をほぼやめてしまった。
購入してもどこまで利用されているか不明な携帯キャリアの抱き合わせタブレット以外にAndroidタブレットが伸びる可能性は低いと思われる。
キャリアの併売も今年はタブレットより、au homeで使うようなスマートスピーカーに移っていく兆しもある。スマホとの併売では「一家に一タブレット」は売れても、「一人一台」にはならないだろうし、タブレットの方がスマホより買い替えサイクルが長いので、スマホの買い替えごとにタブレットは売れないと思われる。
Googleもそのことを認識していて、以前噂になっていたChrombookの廃止は行わず、Androidとの併存を選び、Androidはスマホに注力する方針だ。
iPadの”PC化”は止まらない
スマホ同様にタブレットでも日本においてはAppleのシェアが高く、iPadの売上がタブレット全体の販売台数に大きく影響するが、iPad Proの登場もあり、iPadの販売台数も下げ止まった。
iPad向けキーボードの強化、iOSの拡張などAppleはiPadの”PC化”を進めており、今年もiPad Proの強化を進めていくだろう。
Mac上でiOSアプリを動作できるようにして、MacとiOSの統合を着実に進めているのも、iPadには好材料。AppleとしてはIntelからCPUを購入して製造するMacよりも、自社製CPU搭載のiPadを売りたいのは当然だ。
Windowsタブレットは?
タブレットで今年注目なのはARM版Windowsだが、過去に同じコンセプトで販売したWindows RT」は失敗しており、Windows PCが2 in 1と半タブレット化している中、どこまで売れるかは疑問だ。既存のSurfaceにユーザーも満足しているように思える。
Apple頼みのタブレット市場
こうしてみていくと、日本のタブレット市場では、”PC化”を目指すAppleは少し伸ばすが、全体としてはあまり変わりがないように思う。大画面スマホのが好評なうちは、キラーコンテンツが出ない限り(その可能性も低いと思う)タブレットとしての需要は大きく増えないだろう。
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