新社長の宣言
ソニーの吉田新社長が「第3次中期経営計画」を発表した。
リカーリングビジネス
リカーリングビジネスを拡大したいという意向を示した。リカーリングとは、物を売るだけではなく、その後もサービスなどを継続的に提供することで利益をあげるビジネスだ。
製品を作って販売する売り切りモデルだと、製品に人気がなくなれば売上は減少する。変化が激しいIT企業で継続的にヒット商品を開発するのは容易ではない。そこで継続的に利益を上げるモデルが重要になってくる。
ソニーは、月額サービス「PlayStation Plus」の会員を3420万人を集めた(2017年度決算で発表)。会員は毎月継続的に課金してくれるので、経営の安定に繋がる。
特にゲーム産業はヒットするかどうか予測が非常に難しい。任天堂をみてもわかるとおり、Wiiであれだけヒットしても、Wii Uでは一気に赤字へと転落した。
優れたIPや課金サービスで継続的な利益をあげて、ヒット作品の開発に注力するのは、技術革新が激しい21世紀のメーカーとして正しい姿勢だと思う。
「感動」がソニーの使命
手堅い一方で、吉田社長はソニーが目指すものは「感動」だとシンプルに宣言した。特に感動を作り出すクリエイターに寄り添うという姿勢はコンテンツが重要視される現代において、正しい戦略だと思う。
吉田新社長がどのようにソニーを導くか具体的な策はまだみえてこないが、堅実かつソニーの使命を理解し、経営をすすめる吉田社長の今後は注目だし、期待できると思う。