再び成長するMicrosoft
Microsoftの時価総額がGoogleの親会社アルファベットを上回った。
ナデラCEOの手腕
PCの世界では絶対的な地位を誇っていたMicrosoftはスマートフォンの時代になりAppleとGoogleに負けたが、サティア・ナデラCEOに変わり、クラウド戦略へ一気に舵を切ったのが功を奏した。
ナデラCEOは、Microsoftにおける過去の成功体験を徹底的に破壊した。
Microsoft Officeをクラウド化し、パッケージでソフトウェアを販売するのではなく、定額サービスにした。Windowsだけにこだわらず、Web、iOS、Androidとマルチプラットフォーム化を行いユーザーの拡大に努めた。
Windowsもバージョンアップする度にユーザーの買い替えを促すのも止めた。スマートフォンの時代になり、OSを有償で売るのが難しくなってきたからだ。
これらは過去の成功体験にしがみついていたら、できなかった変革だ。
勝つまで戦う
ナデラは既存のビジネスを破壊しただけではなく、古き良きMicrosoftの精神である「競争心」を復活させた。
AmazonのAWSに大きく差をつけられていたクラウドサービスだったが、Azureで急速な追い上げをみせている。忘れている人も多いと思うが、過去のMicrosoftは競争に滅法強かった。
先行するライバルを打ち負かし、圧倒的なシェアを獲得してきた。ブラウザ競争では先駆者のNetscapeをInternet Explorerで叩き潰した。表計算といえば、今ではEXCELだが、昔はLotus 123だった。
ナデラは「勝つまで戦う」というMicrosoftの精神を呼び起こした。その結果が今の時価総額に顕れている。今後はクラウド、IoT、MR、そしてAIと新たな分野にMicrosoftは攻め続けるだろう。その先の課題はナデラの後継者がいるかどうかだ。