宝島社より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」 が発売になりました。私にとっては初の商業出版になります。
自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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無料マンガ「Kindleインディーズマンガ」の未来

IT関連の記事を毎日書いているけど、本職は小説家です。Amazon Kindleで作品を公開しています。

www.kantakayama.com

KDPの課題

KDP(Kindle Direct Publishing)は、誰でも無料で簡単に作品を出版できる。出版にかかる費用は0円だが、販売価格を0円にはできない(最低99円)。売上よりも自分の作品を読んでくれる読者が欲しい作者にはKDPは使いづらい。

小説系では「小説家になろう」「エブリスタ」など多くの投稿サイトがある。基本的に無料で誰でも閲覧できるので、多くのクリエイターと読者を集めている。

Amazonは書籍を販売して利益を上げているので、0円で作品を配布するわけにはいかないが、無料の投稿サイトに読者を奪われている現状はなんとかしないといけない。

Kindleインディーズマンガ

そこで、Amazonは無料で漫画を公開できる「Kindleインディーズマンガ」を開始した。今までのKDPとは異なり、無料のマンガをKidnleストアで配布できる。

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Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング

公開するだけなら、既存の投稿サイトと変わらないが、Amazonは豊富な資金力に物を言わせて基金を創設し、作品の人気に合わせてAmazonが基金を作者に分配してくれる。

無料で作品を読めるので読者は嬉しいし、大勢の人に読んでもらえて、かつ売上の代わりに基金を獲得できる作者もハッピーだ。Amazonにとっては無料での作品配布は自社のビジネスモデルの根幹に関わることなので、できれば避けたい。ただ日本の無料投稿文化に対して、何もしなければ読者を集めることはできない。

今回の「Kindleインディーズマンガ」は苦肉の策であり、トライアルの意味合いが強い。だからビジネスに大きな影響がでないように、対象をマンガに限定して小説は対象外なのだろう。

今後、この新サービスによって読者をKindleに集めることができれば、小説にまで対象を広げる可能性はある。

Kindle作家の筆者としては、読者が増えていろいろな人が読んでくれて、かつ作者も作品の質に応じて正当な報酬が得られれば非常に喜ばしい。www.kantakayama.com