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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
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近くて遠いパソコンとスマホの関係

すべてを変えたiPhone

2007年にiPhoneが登場するまで、家庭用パソコンの座を脅かすデバイスは存在しなかった。iPhone以前にも、ハンドヘルドコンピュータと呼ばれた小型コンピュータやゲームに特化したプレイステーションなどはあったが、様々な用途に使える家庭用コンピュータは、パソコン一択だった。

家庭用パソコンの本科的な普及がはじまったのは1995年のWindows 95登場以降だ。2010年辺りをピークに減少傾向にある。多くの家庭にパソコンが普及し終わったのと、スマートフォン・タブレットの人気が原因だ。

パソコンもスマホも長年使っているが、パソコンとスマホ(便宜上スマホと呼んでいるがタブレットも含む)の違いはなんだろう。改めて考えたい。

スマホにないがパソコンにある機能

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  • 大画面
  • 大容量バッテリー
  • 物理キーボード
  • パソコン用OS

液晶画面、バッテリー、キーボードは、どれもスマートフォンも搭載している(キーボードは仮想)。スマホはパソコンのアーキテクチャと思想を元にしているので似ているのは当然である。スマホは手に収まるように小型化しなければらないから、パソコンのような大画面、大容量バッテリー、物理キーボードを搭載できないだけだ。

パソコンとスマホは全く異なる形状のデバイスのようだが、大雑把に言えば大きいからパソコン、小さいからスマホと言ってもよいぐらい搭載する主要なパーツは変わらない。

大きく異なるモバイルOS

ハードウェア以上に差異が大きいのはOSだ。iPhone搭載のiOSはmacOSを元に開発されたが、タッチパネルや加速度センサーなどの各センサーを活用するため、全く異なるインターフェイスをもつ。ちなみにGoogleのAndroidはGoogleが買収したOSを元に改良を加えたものだ。

小型デバイスにタッチパネルと仮想キーボードは小さな画面を手に持って操作するのに最適なインターフェイスだと今ならわかるが、iPhone登場時は物理キーボードがなければ入力できないと散々非難された(当時はBlackBerry全盛)。

スマートフォンが現在のようなOSを搭載したのはiPhoneの提唱者であるスティーブ・ジョブズの影響が大きい。彼がいなければ、スマートフォンは全く別のものなっていたか、そもそもスマートフォンはこの世に存在しなかったかもしれない。

徐々に低くなるOSの垣根

モバイルOSはバージョンを経る毎に、マルチタスクや、コーピーアンドペース機能などパソコンOSの機能を追加していった。一方、パソコンOSも、Windows 8のスタート画面(成功しなかったが)、「通知」やAirDropなどiOSの多くの機能がmacOSに導入された。

近年では、MacとiOSファミリーが統合される噂が出て、クックCEOが否定する事態になっている。GoogleサイドもChrome OSとAndroid OSの統合が何度か計画されている。

統合の予測がでるほどに、パソコンとスマートフォンは近接してきている。

統合の障壁は乗り越える価値あり?

詳細に見ていけば、アーキテクチャの違い(パソコンはIntelベース、スマホはARM系CPU)、過去のソフトウェア資産など、実際に統合するには多くの障壁がある。そういった障壁をコストを掛けてまで乗り越える必要があるのか、それとも将来的にはいずれ消滅するパソコンはこのままにしておいて、スマホだけで完結する世界を目指すのか方針がわかれるところだ。

パソコンは捨てられないが……

筆者は子供の頃からパソコンを使っているので、パソコンに愛着があるし、パソコンを自宅からなくすことは考えたことがない。画像を多く活用するブログや、資料を作成するときは大画面とタッチパッドが使えるパソコンの方が生産性は高い。

一方で、日常で利用時間が長いのはスマートフォンになっている。小説の執筆はパソコンではなく、あえてスマートフォンを用いる。複数のアプリを表示できないスマートフォンの方が集中できるからだ。

見てきたようにパソコンとスマホの関係は近いようで遠い。すぐに統合されることはないが、家庭用パソコンというジャンルは少しずつ狭まっていくに違いない。

www.kantakayama.com