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Surface Goが高いのはMicrosoftの古い因習

Surface Go登場

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MicrosoftがSurface Goを発表した。10インチのタブレットPCで、一番の特徴は525gと軽量小型なボディなのにWindowsのフルバージョンが使えることだ。

オプションのキーボードとマウスをつければ、普通のノートPCとして使えるWindowsの豊富なソフトウェア資産を使いたいモバイルユーザーには最適の製品だ。

Surfaceの成り立ち

長い間MicrosoftはOSとソフトウェアだけを開発して、ハードウェアはDellやHPなどのPCメーカーが開発する分業体制をとっていた。スマートフォンの時代になりOSで利益をだすのが難しくなり、ソフトウェアとハードウェアを一括して開発するAppleに対抗するために、MicrosoftはSurface開発に着手した。

当初はWindow RTに対応したNVIDIAベースのマシンだったが、Surface Pro以降はインテルベースのマシンに移行した。フルセットのWindowsが使えるのが大きなメリットだ。

日本だけ高いSurface Go

デザインは悪くないが高価なイメージがあるSurfaceに小型軽量のSurface Goはブレイクスルー的な製品になりそうだ。USでは399ドルで、iPadと比較しても遜色ない。ところが、日本での価格は6万4800円からに設定されていて高すぎるという意見が多い。USと異なり、売り切り型のMicrosoft Officeをバンドルしているのが理由と言われる。

日本以外の市場では、売り切り型バンドルモデルからOffice 365のサブスクリプションモデルに移行している。ところが日本だけは日本人が好むバンドルモデルが残されている。グローバル企業には珍しく、日本だけ特別扱いの処置だ。

ソフトウェアはすでにサービスとなっていて、我々日本人もそろそろ意識を変えるべきだという論調もある。

バンドル文化を作ったのはMicrosoft

ただ、日本人にバンドル文化を根付かせたのはMicrosoftである。Windows 95登場時からMicrosoft Offceバンドルモデルは存在し、当時はLotus+一太郎バンドルモデルと競合していた。

Microsoftはライバルに打ち勝つために、当時高価だったOfficeを極めて安価で提供し、オフィスソフトのデファクトスタンダードの地位を得た。

Surface Goが高価格なのは、バンドル文化を是としてきたMicrosoftがもたらした古い因習によるものだ。

たしかに日本で売られている多くのPCにはOfficeがバンドルされているから、Officeをいれないと売れないというのはわかる。ただ、OfficeはMicrosoftにとって自社製品のソフトウェアなのだから、やろうと思えば他社製品より安い卸値(?)でバンドルできるはずだ。またはOfficeをオプション扱いにすればいい。

それらができない理由は、Officeを開発・販売している部門からのプレッシャーがあるからだろう。Microsoftほど大きな会社だと、ソフトウェア部門とハードウェア部門それぞれが独立していて、全体の利益はもちろんだが部門ごとの利益も重要になる。ハードウェア販売のために、ソフトウェアの売上が減ることについて、社内で激しい抵抗があるのは想像に難くない。

まして日本だけ特別扱いしているところに、さらに特別な施策を行うためには、US本社を含めた社内調整も必要だろう。

かくして現時点ではOfficeがバンドルされた効果ないSurface Goしか我々は購入できない。折角日本人好みの小型で軽量な製品なのに、残念なところである。

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