過去最高の決算
AppleのQ4決算が発表された。売上が前年同期比19.6%増、純利益が31.8%増と過去最高の売上と利益を記録した。
高価格帯のiPhoneが貢献
Q4は7月から9月までなので9月の新iPhoneの売上は限定的だが、iPhone XS, iPhone XS Maxの高価格モデルが貢献して、iPhoneの製品単価は前年同期比28%増と、大幅に上昇した。
製品単価が上がっても、台数も14%伸びているのでまずまずかと思うが、市場予測には届かなかった。
引用:Apple
10月発売のiPhone XRもiPhone 8より値段が高いので、製品単価はさらに上昇するだろう。フルスクリーンとFace IDを売りにしたAppleの高価格戦略が功を奏した結果だ。
iPadの不調
iPadは台数が前年同期比6%減、売上も15%減と不調だった。春にiPadを値下げした影響で、製品単価もここ一年で最低の結果だった。
今週発表したiPad Proがクリスマスシーズンでどこまで伸びるかが、大きなポイントになる。高価格帯の製品を導入し、かつ大量のラインナップを維持するAppleの戦略が成功するかが、来期にわかるだろう。
対照的なMac
Macは台数が前年同期比2%減だが、売上は3%増。一時はMacが退潮して、次世代コンピューターはiPadに収斂される予測もあったが、今週のイベントでMacBook AirとMac Miniを発表し、Macの存続をAppleは高らかに宣言した背景には、Macの好調さがあった。
iPad Proを大幅アップデートしつつ、Macに手を入れたのは、両方のプロダクトを拡大成長させることをAppleが選択したことを意味する。
好調なApple Watch
Apple WatchやAirPodsが含まれる「その他」は前年同期比31%増と大幅に伸びた。「その他」の中で製品単価が高いApple Watchが売れたのだろう。当初は懐疑的だったApple Watchが4G対応、今回のフルモデルチェンジを経て、定番プロダクト化した印象だ。街でもつけている人をよく見かけるし。
iPhone偏重の販売構成は変わらず
iPhoneの売上はAppleの売上全体の59%と、前年同期比の55%よりも増えている。iPadの売上が減ったのが大きい。ひとつのプロダクトに頼っていると、不具合が出たり、政治的要素が絡んだりしたときに、経営の大きなリスクとなる。
Appleとしては、iPhone偏重を解消するために今回iPad、Macのラインナップを増やして、経営の安定化を図っていると思われる。
製品別売上構成 | |||||||
Q2 2017 | Q3 2017 | Q4 2017 | Q1 2018 | Q2 2018 | Q3 2018 | Q4 2018 | |
iPhone
|
63% | 55% | 55% | 81% | 80% | 71% | 59% |
iPad | 7% | 11% | 9% | 14% | 14% | 20% | 7% |
Mac
|
11% | 12% | 14% | 5% | 6% | 9% | 12% |
サービス | 13% | 16% | 16% | 0% | 0% | 0% | 16% |
その他 | 5% | 6% | 6% | 0% | 0% | 0% | 7% |
100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
クリスマスシーズンに新型iPad、新型Macが伸びて、この販売構成が変わっていくかどうかが、Appleの今後の業績にあらわれ、今後の戦略に繋がっていくに違いない。