iPhone 12 / iPhone 12 Pro発売
iPhone 12 / iPhone 12 Proが発売された。店頭に新モデルが並び、実際に触れることもできるし、すでに購入した人もいるでしょう。
実機を見て、改めて思った疑問について考えてみます。
- iPhone 12 / iPhone 12 Pro発売
- どうして同じ大きさのiPhoneが2種類発売されたのか
- MagSafeは何のため?
- どうしてiPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxは遅れて登場?
- 結構異例な今年のラインナップ
どうして同じ大きさのiPhoneが2種類発売されたのか
iPhone 12とiPhone 12 Proを触れてみて改めて感じるのは、2モデルの形が全く一緒だということだ。幅・高さ・厚みは全て同じ。重さはiPhone 12のほうが少し軽い。
スペック的に両モデルの違いは、LiDARスキャナと望遠レンズ。内部的にはメモリがiPhone 12が3GB、iPhone 12 Proは6GBの違いがあり、外装ではアルムニウムフレームとステンレスの違いはある。
分解レポートを見ると、カメラ機構以外の内部構造は全く一緒だ。値段も同じ125GBで比べると16,000円とそこまで大きな差はない。
どうしてAppleは同じ大きさのiPhoneを2種類用意したのだろうか。
背景にAppleの新しい戦略がある。通常複数モデルを開発するときは差別化を行うために、一方をミドルレンジモデルにして、チップ性能を変えるものだ。
ところが、チップを自社設計しているAppleは、古いチップを載せなくても最新のチップを製造して載せてもコストはそれほど変わらないのだろう。
昨年は液晶とOLEDという明確な違いがあったが、今年は両モデルとOLEDに統一されたので、違いを作りづらくなった。そうなら、あえて大きな違いはつくらず最上のスペックのままで、少しだけ雰囲気が異なるモデルを用意してユーザーに選んでもらうスタイルに変更したように見える。
iPhoneだけではなく、iPadも同じ路線を取っている。iPad ProとiPad Airはボディデザインも性能もかなり似ている。違いはFace IDとTouch IDだ。
両モデルの価格差はあまりつけずに、思い切り価格差をつけた廉価版を別途用意するのも同じだ。iPhoneにはiPhone SE、iPadは無印iPadをスタンダードモデルの半額以下で販売している。
Proと標準モデルに大きな差をあえてつけないスタイルは今後も続くのだろうか。
MagSafeは何のため?
今年のiPhoneの新機能であるMagSafe。磁石を内蔵することで的確にワイヤレス充電を行うことができる機能だが、不便な点もある。磁石にくっつくので、取り外すときは両手を使わないといけない。片手で取れるようにするにはMagSafe充電器を机などに固定しないといけない。通常のQi充電なら置くだけなので、片手で取り外せる。
そもそもワイヤレス充電はケーブルを挿す手間を省くためにあるのに、MagSafe充電器を外すのに両手を使うようでは、何が便利なのかよくわからなくなってくる。MagSafe充電器はLightningケーブルよりも嵩張るし、値段も高い。
それでは、どうしてAppleはこのような機能を追加したのだろう。
来年のiPhoneはLightningポートを廃止すると言われている。EUの勧告にしたがって独自規格のケーブルが使えなくなるからだ。iPad ProのようにUSB-Cを導入すると思われたが、Appleの回答はUSB-CではなくMagSafeだった。
本当にポートを廃止するなら、来年のiPhoneにはMagSafe充電器を付属するのだろう。今年はオプションで販売しているMagSafe充電器を付属することはないと考えがちだけど、すでに実例がある。Apple Watchである。Apple Watchにはマグネット内蔵の充電ケーブルが付属している。iPhoneもApple Watchと同様にマグネット内蔵の充電ケーブルに移行するのではないか。
どうしてiPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxは遅れて登場?
今月発売されたのはiPhone 12とiPhone 12 Proのみで、iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxは来月発売される。
どうして発売時期がずれているのだろう。
過去にもProモデルの発売が遅れたことはあったが、今回は標準モデルとProモデルの派生モデルの発売が遅い。特にiPhone 12とiPhone 12 miniはディスプレイ以外のスペックは全く同じ。発売が遅れるのならProの両モデルのほうが納得がいく。
もちろん、サイズの異なる2モデルの製造が遅れた可能性はあるが、わざとiPhone 12とiPhone 12 Proを先行して販売したのかもしれない。
両モデルは大きさが同一で、過去のiPhoneにない似通ったモデルとなっている。Proと標準モデルといっているが、値段もスペックも「Pro」と「標準」というほど差があるわけではない。つまり、最も選びづらいのがiPhone 12とiPhone 12 Proなのだ。だから、同じ時期に発売して比較してもらおうとAppleは考えたのかもしれない。
結構異例な今年のラインナップ
実際に発売されて触ってみると、今年の4モデルのiPhoneは結構異例なラインナップだと思う。標準モデルとProモデルのサイズが同一で、それぞれ小型版と大型版が用意されている。
今までにないパターンなので、今年はどのモデルを選ぶかはとても悩む。とりあえずiPhone 12 miniの現物を見てから決めたい。