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CEOのメッセージからわかるEvernoteの経営危機

Evernote CEOのメッセージ

EvernoteのCEOが新年にメッセージを出した。現在の製品開発状況についてCEO自ら説明をしている。このメッセージから読み取れるEvernoteの現状を考えてみます。

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メッセージの概要

Evernote CEOのメッセージの内容をまとめると、次の通り。

  • 大幅な改善を行なったために、一部のユーザーの利用に不具合が出た
  • Mac・Windows版の一部機能をを除外したことを反省
  • スピードを上げて新しいバージョンをリリースする
  • 同期とパフォーマンスの改善を最優先
  • ユーザーの要望を反映
  • 過去の機能と新機能のバランスをとって導入

まずは、今回のバージョンアップによって生じた不具合について謝罪している。過去のバージョンにあった一部の機能を除外して新バージョンを提供したことを反省しつつプラットフォームを統一することを優先したと説明している。

Evernoteの危機感

過去の不具合についてCEO自ら謝罪した背景にはEvrenoteの危機感があると思われる。今回のアップデートで生じた不具合によりEvrernoteユーザーから不満が出ており、ユーザーの離反に繋がっているのだろう。

その証拠にEvernoteは現在40%オフのアップグレードプログラムを実施している。大幅な割引をしてまで、当座の運転資金を集めたいのかと勘繰ってしまう。

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改善は進んでいるのか?

CEOが言うように改善は進んでいるのだろうか。

Mac版は12月16日に10.5.7にアップデートされたのが最後だ。未だ実装されていない機能は、次の通り。

  • グローバルキーボードショートカット
  • エクスポートの追加オプション
  • フォルダのインポート

iOS版は1月5日が最後のアップデート。未実装な機能は、次の通り。

  • 表の編集機能
  • Apple Watch サポート
  • PDF ファイル内の文字検索
  • iOS ウィジェット

不具合やパフォーマンスの改善に工数をかけているのか、未実装な機能は未だ多い。統一プラットフォームへ移行したことで、Apple WatchやiOSウィジェットなどの個別機能への対応に時間がかかっているのかもしれない。

問題はフリーミアムモデル

ユーザーとのコミュニケーションに問題はあったが、統一プラットフォームへの移行は妥当な判断だと思う。Evernoteの企業規模で多くのプラットフォームに個別のアプリを開発するのは困難だ。プラットフォームごとにインターフェイスが異なるのが問題だというの頷ける。

Evernoteにおける現在の問題点は、ビジネスモデルにあると思う。Evernoteはいわゆるフリーミアムで、多くのユーザーは無料で使えて、一部のヘビーユーザーが支払う有料会費によって成り立つビジネスモデルを採用している。

このモデルは非常に難しい。まずは無料で使ってもらうユーザーを集めないとならない。その無料ユーザーに気に入ってもらい、拡張機能が使える有料会員になってもらう必要があるが、無料ユーザーの制限が厳しいと、無料ユーザーが離反してしまう。

今回のEvernoteでは、有料ユーザーへの移行を促すために使用端末数を減らして無料ユーザーの反発を招いた。有料ユーザーを増やすモデルはこれが難しい。

無料で利用できるツールが溢れている現在、有料会員だけではビジネスが成立しない。多くの無料ツールは、プレミアム会員からの会費だけではなく、広告で成り立っている。Gmailなどが良い例だ。

Evernoteも広告モデルに移行しないと今後の経営は苦しいのではないだろうか。統一プラットフォームでコストは削減できたが、今までのような機敏な新機能追加は難しいので、有料会員を増やすのは難しいと思う。

GoogleやAppleなどのGAFAに入らない独立ベンダーは貴重なので、Evernoteには頑張って欲しい。

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