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4K/8K放送開始が盛り上がらない理由

4K/8K放送開始

今年のAV業界の大きな出来事のひとつは、4K/8K放送だ。12月1日からBS・CS放送で4Kと8Kの放送がスタートした。単純に言えば、4Kは2Kの4倍の解像度で、8Kは2Kの16倍の解像度だ。地上波アナログ放送のSD画質とデジタル放送のHD画質の画素素数の差は約3倍だったことを考えると、画質的には大きな進歩だが、実際に自宅で4K・8Kの視聴環境を整えた人はごくわずかだろう。

地上波アナログ停波のときは、テレビの買い替えで大騒ぎになったのに、最初とは言え今回の放送開始はやけに静かだ。

どうして盛り上がらないか考えてみる。

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チューナーがない

4K放送を視聴するには4K対応テレビと対応チューナーが必要だ(CS放送にはアンテナの調整も必要)。数年前から4Kテレビはハイエンドの受像機として発売されているので持っている人はいるだろうが、対応チューナーを別途用意しないといけない。

最初はチューナー内蔵のHDテレビが普及したデジタル放送開始のときとは大きく異なる。

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既存の放送は停波しない

地上波デジタル放送開始のときと異なり、既存の放送が停波するわけではない。4Kは、あくまでも追加のコンテンツでしかない。地上波の4Kへの移行も現在のところ未定だ。

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魅力的なコンテンツがない

現在の4K放送はBS・CSがメインだ。NHKと民放の両方が放送を開始している。と言っても、民放のBS 4Kはアップコンバートした番組がほとんどで4Kで撮影した番組は少ない。現場の撮影機器と伝送する機器すべてを4Kに対応するには膨大の投資が必要だ。4Kを率先してきたNHK以外の民放は、そこまでの投資に踏み込めていないのが現状だ。

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放送よりも通信

地上波デジタル放送開始時と大きく異なるのは、コンテンツの配信が放送だけではないことだ。今でも放送の影響力は大きいが、現代ではAbema TVや多くの動画配信サービスなどの通信によるコンテンツ配信が増えてきている。NetflixやdTVなどの動画配信サービスが4Kのコンテンツを配信している。

UHD BDもあるので、4K放送以外でも4Kコンテンツを視聴できれば、視聴環境を整えるプライオリティは下がる。

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HDで満足

地上波デジタル放送のときは、ブラウン管から液晶ディスプレイへの買い替えとわかりやすい変化があった。奥行きがあって邪魔だったブラウン管から薄い液晶ディスプレイへの買い替えは見た目のインパクトが大きかった。デジタル放送で普及したデータ放送もわかりやすい追加要素だった。

今回の4Kは画素数と音質は異なるし、視聴すればHDとの違いは明確だが、一般の人がそこまでの画質を求めるかは疑問だ。

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4K放送と通信の普及のどちらが早い?

4K放送は静かな船出となった。まだロードマップに乗っていないが、いずれは地上波放送も4Kになるときが来るだろう。その時が4K放送普及の分岐点になるはずだ。それまでに通信でのコンテンツ配信が主流になっていれば、4K放送は盛り上がらないまま一般化しない可能性もある。

色々理由をあげたが、4K放送が今のところ盛り上がらないのは4K動画配信の影響が大きいと思う。一番先に新しい規格に飛びつくアーリーアダプター層もすでに4Kコンテンツを通信やUHD BDで入手してしまっているので、新たにチューナーを買うほどのインパクトがない(CS放送などの受信にはアンテナの向きを調整する必要もある)。

放送と通信。HDから4Kへの移行を境に放送と通信の割合がどう変わるか、それにより将来の視聴環境が決まっていくだろう。