宝島社より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」 が発売になりました。私にとっては初の商業出版になります。
自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

MENU

5Gのライバルは4G回線ではなく光回線

5Gはバズワード?

ITの世界ではしばしばバズワードが現れる。ビッグデータ、BYOD、IoT、ブロックチェーンなどは、あたかも世界を変える技術ともてはやされたけど、どこまでなにが広まっているのか、それによって世界がどうかわったかよくわからない。メーカーやSIRが自社の製品やサービスを売るために大げさにメリットを強調する場合が多い。

最近ではAIとかVRかな。AIは定義が広すぎて何を指しているさえよくわからないし、VRを日常的に使っている人はどれぐらいいるのだろう。

そんなバズワードの中で5Gの元気がない。昨年は5G元年と言われて、5Gを開始した国もあれば、5G対応のスマホも登場した。

だけど、最近では話題に出ることも少なくなった。

その背景を考えてみます。

f:id:tkan1111:20200720195933p:plain

 使いみちが見えない5G

このところ5Gの話題が減った背景にはコロナ騒動がある。外出しなくなれば当然モバイルの需要も減る。モバイル回線より自宅の回線の方が重要だ。

日本の話をすれば、東京オリンピックを契機に5Gをお披露目する段取りだったが、オリンピックは延期になりその機会を失ってしまった。

そういった諸々の事情はあるが、5Gが盛り上がらない一番の理由は「使いみちが不明」だからだろう。高速低遅延のモバイル回線を使いたい人は一定層いるだろうが、大部分の人は現状の4G回線に不満を抱いていない。

大手3大キャリアよりも低速なMVNOをあえて選択するユーザーも15%近くいるし、誰もが高速モバイル回線を欲しているわけではない。

5Gの特徴を活かして、たとえばリモート手術などに活用する案もでているが、そういったセンシティブな職場に採用するには回線の安定が不可欠だ。

鶏が先か卵が先かの議論になってしまうが、需要がないから回線敷設が遅れ、回線がないから需要が生まれない状況に陥りかねない。

では、5Gの需要は本当にないのだろうか。

わかりやすい光回線の代替

一般ユーザーにもわかりやすい5Gの活用法は家庭用光回線の代替だと思う。光回線かCATV回線を敷設している家庭は全体の8割を超える。光回線の平均使用料金は月額5,000円近い。スマートフォンの通信料金は安くなっているのに、光回線の価格はそれほど変わりがない。光回線を新たに開設するには工事が必要なのも敷居が高いし工事料金もかかる。

いまでこそリモートワークで使用頻度も増えているが、月額5,000円に見合うほど自宅光回線を使っている人がどれだけいるか疑問だ。スマートフォンでの利用がほとんどならギガを増やして自宅でもモバイル回線を使ったほうが割安な場合も多い。PCだってたまにしか使わないならテザリングで充分だ。

もしも5G回線で家庭用光回線が代替できたらどうだろう。自宅の光回線料金を節約できる。新たにモバイルルーターを購入しなければいけないが、キャリアが安くレンタルしてくれる可能性も高い。

もちろん家庭向け回線として常時使用するためには回線品質の安定が不可欠だ。日本全国の家庭で一気に利用できるようにはならないだろうが、「5Gを使って光回線費用を節約」は一般の人にもわかりやすいキャッチフレーズになると思う。

 
IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
Kindle Unlimited会員ならすべて無料、非会員の人にも99円からご用意していますので、お読みいただけると幸いです。感想もいただけたら感涙でございます。