アフターコロナの世界
今日現在(2020/04/24)、日本の新型コロナ禍は収束しておらず、毎日数百名の感染者が見つかり、二桁の死亡者が出ている。日本以外の国では死亡者は減少しており、フランスやアメリカのいくつかの州では経済の再開を模索し始めている。
世界的なパンデミックとなった新型コロナウィルスだが、感染症はいつか必ず収束する。感染症の収束とは「ウィルスの根絶」ではない。多くの人が感染するか、ワクチンにより免疫ができて、感染が広がりづらい状態になることだ。
アメリカでの最近の抗体検査では、感染が判明した人数よりも5倍から10倍の無症状の感染者が存在する結果が出てきている。
この調査が事実なら、新型コロナは無症状の期間が長く感染が広がりやすい傾向はわかっていたが、無症状のまま完治するケースが当初の予想よりもはるかに多いということになる。
多くの人が感染している現状は悪いことばかりではなく、多くの人が免疫を持ち収束する時期が早いことを意味する。
世界は少しずつだけど頭を上げて、先を向き始めている。
アフターコロナの世界は、以前の世界とは少し違う世界になるのは間違いない。
日本の将来はどうなるだろう。ここでは日本の「アメリカ化」について考えていきたい。
日本は「アメリカ化」する
お笑いタレントじゃないけれど、今の日本はすでに「欧米か?」しているが、アフターコロナではさらに加速すると思われる。
アフターコロナの世界では、今までと同様のビジネスはできない。
飲食店は感染症に気を遣わらなければならず、今までのように密集した空間の維持は難しい。席を離し、消毒の頻度も高めないといけない。
外出規制で店舗は休業しているので、通販を利用する頻度が増えている。いわゆる巣ごもり消費が拡大している。
コロナショックで世界の株価は暴落した。Amazonの株価も例外ではないが、現状のAmazonの株価は史上最高値を更新している。通販で圧倒的な力を持つAmazonは、さらにシェアを広げているのだ。
アミューズメントの世界でも、スポーツ観戦などができないので、ビデオ鑑賞の需要が増えている。Netflixは2020年1~3月期で最高益を更新した。Prime Videoを擁するAmazonにも追い風だ。
ウィルスが収束しビジネスが再開しても、以前のような購買行動が戻るとは限らない。都市封鎖が終わっても冬になると再び感染が広がると言われていて、完全に収束するには数年かかるという予測もある。
この状態が続けば、賃料が負担になる路面店はビジネスが成り立たなくなり、すでに倒産した企業も出てきている。
日本の社会の大きな特徴は「中小企業が多いこと」だ。日本の企業の99.7%が中小企業で、70%の人が中小企業で働いている。アメリカやイギリスでは50%の人が中小企業で勤務している。
Amazonへの対抗、感染症の対策と中小企業の資本ではハードルが高い。個人商店や中小企業から大企業と、特に外資系企業のビジネスの拡大が日本でも起きる可能性が高い。
アメリカ化する日本は幸せか
大企業のシェアが拡大すれば、安全で効率の良い世界になるかもしれない。それは逆に言えば、多様性を失うことでもある。小さな個人商店を巡る買い物がインターネット通販に、個人の飲食店からチェーン店へ移行することで、効率的で清潔だが選択肢の少ない世界になるかもしれない。
アフターコロナの世界がどうなるかは、まだ不透明だ。コロナ禍の収束を見ながら、その後の世界がどうなるかも見ていきたい。