One More ThingでAirPower?
Appleが秋の発表イベントの収録を行なっているという報道があった。収録を行なっているということはWWDCに続いて今回の秋イベントもオンライン開催のようだ。
報道によると、次期iPhone、Apple Watch、iPadの発表が行われ、ラストの「One more thing」でAir Powerが登場するそうだ。
本当にAirPowerが登場するのか考えてみます。
開発停止になったAirPower
3つのデバイスをワイヤレス充電できるAirPowerはAppleが公式に公表した後に開発を停止した珍しいデバイスだ。充電台のどこに置いても充電できるように複数の電磁コイルを内蔵する設計が難しかったようだ。
AirPowerの開発が停止されている間にワイヤレス充電を取り巻く状況も変わってきた。
ひとつはAirPodsシリーズの大ヒットだ。ワイヤレス充電機能が標準のAirPods Proが大人気になり、ワイヤレス充電するデバイスを複数所有するユーザーが一気に増えた。
Apple Watchも人気だ。Apple Watchはワイヤレス充電対応だが、Qi充電には対応しておらず専用の充電器が必要だ。
さらに来年のiPhoneからLightningポートが廃止されるといわれている。EUがエコロジーのために携帯電話のポートを統一する決議をしており、このままではLightningポートを内蔵したiPhoneをEUでは発売できなくなる。Lightningポートの代わりにUSB-Cを搭載すると思われていたが、どうやら完全ポートレスになるようだ。そうなると充電はワイヤレスに頼ることになる。
Apple製品だけでも、毎日ワイヤレス充電が必要なデバイスを複数所有するユーザーが多い。デバイスごとに充電器を用意するのは大変だし、複数の充電器からたくさんのケーブルが伸びているのも見た目が良くない。
ケーブル1本と1つの充電器で複数のデバイスが充電できれば、机周りもスッキリする。Apple Watchを含む3つのデバイスを同時に充電できればかなり便利だ。
本当に登場するのか?
便利そうなAirPowerだけど、本当に売れるのだろうか。一つの懸念は価格だ。複数の電磁コイルを搭載すればコストがかかる。ワイヤレス充電器はかなり値段が下がってきていて、1つのデバイス用なら2,000円以下で購入できる。
3つのデバイスを充電できるとはいえ、1万5000円を超える価格だとAppleブランドを持ってしてもヒットは難しいのでは。
もう一つの懸念はApple Watchだ。開発停止前のAirPowerの画像はフラットな形状をしていた。Apple Watchにはループバンドも多い。ループバンドだとフラットな充電器には充電しづらいので、Apple Watch用の充電器はスタンド型が多い。
シンプルをもっとニーしているAppleデザインとしてはフラット型になりそうだけど、そうなるとループバンドのApple Watchは充電しづらい。
独創的な充電器を期待
どこに置いても充電できるようにすれば複数の電磁コイルが必要になり、コストがかかる。フラット型の充電器は充電しづらいデバイスもある。
ワイヤレス充電器の重要性は高まっているので、噂通りAppleがAirPowerを発売するなら、それらの課題を解消した独創的な充電器を期待したい。