AirPowerは9月に16,000円で販売?
Appleがワイヤレス充電パッド『AirPower』を9月に約1万6000円で販売すると中国のサイトで噂になっている。
22個の送電コイルを内蔵?
9月に新型iPhoneと同時販売することは以前からの報道どおり。今回の噂で興味深いのはAirPowerが22個の送電コイルを内蔵していることだ。
AirPowerはiPhone、AirPods、Apple Watchの3つのデバイスを充電できる。AirPowerは平たいマットなので、どこにどのデバイスを置くか定まっていない。AirPowerのどこに置いても複数のデバイスを同時に充電できるというのがAppleの説明だ。
デバイスによって、必要な電力は異なる。iPhone Xなら最大7.5Wの電力で充電できるが、バッテリー容量が少ないApple WatchとAirPodsは、iPhoneよりも少ない電力で充電する必要がある。デバイスによって充電する場所も異なれば電力も異なる。
デバイスを置く場所を決めずに充電するためには、複数の送電コイルを内蔵するのが適切だ。
パナソニックが複数のデバイスを充電できる充電器を以前に発売していた。この充電器は送電コイルを動かすモーターを内蔵していて、デバイスを置いた場所に送電コイルが移動して充電できた。想像すればわかるとおり、モーターが動くので非常に煩いし、故障も多かったようだ。
やはり複数の送電コイルを内蔵するしかないようだ。
16,000円は高すぎる
次に驚くのが値段だ。1万6000円は他の充電パッドよりめちゃめちゃ高い。AnkerのQi充電器は2,980円。通常の充電パッドは多くても2つの送電コイルを内蔵しているぐらいなので、22個も内蔵すれば、そりゃあ、高くなるだろう。
3台のデバイスを充電できるから3,000円 x 3 = 9,000円とAppleブランド代7,000円と考えても、やっぱり高い。AirPodsと同等の価格だ。通常の充電器は本体に付属しているので、ワイヤレス充電器がなくても充電はできる。iPhone X、iPhone 8が登場してからすでに一年。AirPpwerを待ちきれずにワイヤレス充電器を購入した人もいるだろうし(筆者みたいに)、この一年でワイヤレス充電器は随分安くなった。Apple Watchはもともとワイヤレス充電対応だし、AirPodsもワイヤレス充電を行える安価な大体ソリューションがでてきた。
不要不急なものに16,000円を払えるのは信者だけかも。
理想に追いつけなかった開発
本来はiPhoneのワイヤレス充電対応をうたった昨年9月に販売すべき製品だったが、開発途中で不具合が生じて一年後の発売となりそうだ。3つの異なるデバイスをどこに置いても同時に充電できる理想のデバイスだが、Appleの開発能力が理想に追いつけなかった。
理想をAppleが追っているうちに、AirPowerは時代遅れになってしまったかもしれない。
それでも物が良ければ勝ってしまうけど。