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ドコモはどうしてAmazonと組んだのか。世界と対峙するAmazonの真の強みとは?

Amazonとドコモの提携

NTTドコモ(以下、ドコモ)とAmazonが提携した。大容量プラン「ギガホ」の契約者には「Amazonプライム」の年会費(税込4900円)が1年間無料になると発表されたばかりだが、それ以外にもAmazonでd払いすると最大10倍のdポイントがもらえるキャンペーンもはじめた。

携帯電話キャリアとして国内トップシェアを誇るドコモが、どうしてAmazonと提携したのか考えてみます。

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ドコモはAmazonの軍門に下った?

Amazonとドコモは動画配信、音楽配信、ネットショッピングのいずれのジャンルでも競合するが、多くのサービスでAmazonのシェアがドコモを圧倒している。唯一、動画配信サービスだけはdビデオが健闘しているが、今回の提携でドコモ契約者は一年間無料でAmazon Prime Videoを鑑賞できるので、有料のdビデオのシェアを食ってしまうことになるだろう。

一方で、この提携はAmazonにとって悪いことはほとんどない。Amazonは携帯電話の通信業者ではないからだ。Amazonプライムの年会費無料では多少の割引を行なっているとは思うが、それでも会員数が増えることのメリットの方が大きいと判断したに違いない。

どうしてドコモは自社サービスが割りを食ってまでAmazonと提携したのか。

ひとつは、以前の記事で指摘したように、新たな「値引き」するためだ。改正電気通信事業法の改正により端末代金の値引き額が制限されたので、サービスの付与を行うことで値引きを実現する必要があった。

もうひとつは、au+Netflixとの協業への対抗だ。

だが、それだけではない。ドコモがAmazonの助けを借りないといけない状況になっている点が挙げられる。

Amazon対世界

ネット本屋だったAmazonは、ネット通販だけではなく、FireやAmazon Echoなど多くの自社デバイスを販売し、Amazon Prime VideoなどのWebサービスを展開している。これらの製品とサービスの多くは、業界最安値に近く、多くの分野で大きなシェアを握っている。

もはやAmazonは一企業としてはあまりにも大きな力を持つまでになっている。大量の個人情報を保有しているGoogleとFacebookも力を持っているが、実際にお金のやり取りが発生しているAmazonの方が国民の実生活に根ざしていると言える。

自社サービスを毀損する可能性を負ってまでドコモがAmazonに提携したことが表しているのは、Amazonの力にドコモという国内最大級の企業でも抗えないという現実だ。

これは日本だけではなく、アメリカでも同様だ。

この先もAmazonは金融や自動車や多くの分野に進出するのではと噂されている。物販だけではなく、多くの分野の企業がAmazonと今後争うことになるだろう。

Amazonの真の強み

Amazonの真の強みは、ブランド価値でもビジネスモデルでもなく、「社風」にある。利益最優先ではなく、既存の不合理を減らし、多くの人を楽しませるために、徹底的に追求する社風が今までの成功をもたらしてきた。不合理、非生産的な業界にAmazonは進出し、シェアを取ってきたのがAmazonの歴史だ。

Amazonの勢いに衰えは今のところ見られない。今回のドコモとAmazonとの提携は、Amazonの強さと力を改めて教えてくれた。

 

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