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Appleが任天堂を買収しない理由

Appleが任天堂を買収?

Appleが任天堂を買収する観測がでている。そんなことが本当に起きるのだろうか? 考察してみます。

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Appleのメリット

先日のイベントでAppleは定額ゲームサービス「Apple arcade」を発表し、ゲーム業界への本格参入を表明した。ゲーム事業をスタートアップするのに、強力なゲーム資産をもつ任天堂を手に入れれば、Appleにとってこれ以上ない支援材料となるだろう。

任天堂のメリット

任天堂にとってもメリットはある。任天堂は世界的に事業を行っているが、事業規模はAppleやGoogleなどのグローバル企業と比べて非常に小さい。任天堂の時価総額は340億ドルで、Appleの総資産の十分の一だ。

ゲーム事業は、売れるかどうかわからない博打的要素が強いにもかかわらず、多額の開発費用を投下する必要があるリスキーなビジネスだ。当たればデカイが、外れると赤字になりかねない。Wii Uの失敗で任天堂は赤字になった期もある。リスクを回避するために、任天堂は無借金経営を続けている。

もしも、任天堂がAppleの傘下に入れば、資金の心配をする必要がなくなり、より踏み込んだ経営ができるようになる。

任天堂もAppleもクリエイティブな企業という共通点があり、お互いの社風は似ている。2016年には、Appleのイベントに任天堂のカリスマ宮本氏が登壇し、スマホ版マリオを披露した。その後も、クックCEOが京都の任天堂本社を訪問しており、両者の関係は良好に見える。

日本企業である任天堂の主戦場はアメリカで、任天堂とAppleが組むメリットは大きい。

しかし、Appleが任天堂企業を買収しないと筆者は予測する。

任天堂はハードウェア企業でもある

任天堂はゲームソフトだけを販売しているのではない。現行であればNintendo Switchなどのハードウェアも販売している。ゲームデバイスは専用のOSを搭載し、ゲームに特化した機能しか基本的に持たない。当然、今のAppleの現行デバイスとは全く互換性がなく、共通化も非常に難しい。

Appleが「Apple arcade」で実現したいのは、ハードウェアに依存しないサービス事業だ。現行路線と統一化が非常に難しい新たなハードウェアをAppleが保有するだろうか。

また、日本の巨大企業をアメリカ企業が買収した例は少ない。日産がルノーを買収した事例はあるが、ルノーはフランスの会社だ。シャープなどアジア系企業に買収される例が多い。

系列会社が多く、売り上げの割に社員数が多い日本企業は、アメリカの企業とは相容れない部分が大きい。

また、過去にAppleが買収した最も大きな企業はBeatsだが、Beatsはアメリカの企業だし、任天堂よりもはるかに小規模だ。社風が変わるぐらいの大型買収をAppleが行ったことはない。

任天堂とAppleは相互補完できる部分は大きいが、Appleが任天堂を買収することはないと予想する。