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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

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Apple TV+が流行らない10つの問題。映画が少なすぎ。次のエピソードが表示されない

Apple TV+を試した

Apple製品を購入するとApple TV+サービスを3ヶ月間無料で試せるので、早速利用してみた。サービス開始当初に試しで触れたことはあったけど、ガッツリ鑑賞したのは初めてだ。

いくつか気づいた点があるのでご紹介します。

Apple TV+とは

Apple TV+は、Appleが運営する定額制ビデオストリーミングサービスだ。2019年11月にサービスを開始したので、すでに3年近く続いている。ビデオストリーミングサービスというと、Amazon Prime VideoやNetflixという強力なライバルがいる。競合と比較してApple TV+の特徴は、Appleらしい上質な映像作品だろう。

上品な作品が多く、多様性に満ちている。いくつかの作品を鑑賞してみたけど、面白い作品が多かった。

一方で、気になった点がいくつかあった。主にmacOSの標準アプリで鑑賞した点について言及します。

映画が少ない

知らなかったのだけど、Apple TV+には映画が少ない。オリジナル映画は数本しかないと思う。コロナ禍で上映できずにAppleが買い取った映画は数本あった。

Amazon Prime VideoやNetflixのように他社制作の映画を鑑賞することはできない。ストアで購入・レンタルはできるが、無料で鑑賞できる他社映画はないと思う。

Appleオリジナル作品の多くはドラマだ。ドラマも面白いけど、なにせ長い。アメリカのドラマはシーズン制をとっているものが多いが、Apple TV+のドラマも例外ではなく、シーズンを跨ぐような長いドラマが多い。時間があるときならいいけど、 2時間で結末がわかる映画を観たいときもある。

デフォルトが日本語

macOSアプリの「Apple TV+」で動画を鑑賞すると、オーディオと字幕がデバイスの言語に合わせて「日本語」で設定される。デフォルトが日本語でも良いけど、Apple TV+の設定で字幕をオフにして、オーディオを英語に設定しても、新しい動画を観ようとすると、オーディオも字幕も「日本語」に戻ってしまう。

毎回変更するのは面倒だが、どうやらこれが仕様らしい。どうしてこんな仕様になっているのかさっぱりわからないし、サービスを開始して3年も経過しているのだから、改善してくれても良いと思うけど。

iOSアプリだと、今度はオーディオのデフォルトが「英語」に設定されている。「日本語」に変更しても、次回再生すると「英語」に勝手に戻ってしまう。

次のエピソードへスキップできない

これもよくわからない仕様。ドラマの本編が終わった後に流れるエンドロール中に次のエピソードへスキップできない。次回のドラマを観るには、映像とは別のウィンドウで次のエピソードを選ぶか、字幕の最後まで飛ばして、「新しいエピソードを観る」を選ぶしかなさそうだ。他の動画配信サービスなら普通にできることなのに、どうしてだろう? エンドロールを見てほしいから?

と思ってiOS版アプリを試したら、エンディングに差し掛かると、画面が小さくなり、次のエピソードが表示された。macOSアプリだけの仕様かもしれない。

鑑賞中に別ウィンドウが残る

macOSの「Apple TV+」アプリで動画を鑑賞しているときに、映像を流しているウィンドウとは別に、アプリのウィンドウが残っている。動画を鑑賞しているときに、別のウィンドウを操作することはないのに。これは好みかもしれないけど、動画鑑賞しているときは別ウィンドウはいらないと思う。

スペースキーや画面クリックで停止できない

他のアプリやWebブラウザでの動画鑑賞時にスペースキーを押すか画面をクリックすれば一時停止になる。ところが、Apple TV+はスペースキーを押しても画面クリックしても一時停止しない。最大画面表示にすれば、スペースキーで一時停止するが、画面クリックはやっぱりできない。

動画鑑賞アプリでは標準的な操作だと思うけど、どうしてできないのかさっぱりわからない。

ESCで停止

最大画面表示時に、ESCキーを押すと、動画が停止する。一時停止ではなく、停止になるので、再生ウィンドウが消えてしまう。最大画面中にESCキーを押して、元の画面サイズに戻るのは、標準的なアプリの仕様だと思っていたけどAppleにとっては違うようだ。

CMとまとめ、オープニングが流れる

ドラマによるが、CMや前回のまとめが流れることがある。有料サービスなのにCM(別のドラマ作品)が流れるのはやめて欲しい。新しいエピソードを再生する度に、同じCMが流れるドラマがあった。

エピソード前に前回までのまとめが流れるドラマがあった(ないドラマもあった)。その後で、イントロが流れる。これらを「スキップ」することもできるが、スキップボタンがとても小さい。クリックしにくい。

一時停止解除時にスライドバーが消えない

一時停止して、解除した後にスライドバーが消えない。ポインタを動かせば、しばらくするとスライドバーが消えるけど、これはバグだと思うのだけど。

スライドバーで画面がわからない

スライドバーにポインタを当てると、その時間の場面がわかるアプリやサービスが多いけど、Apple TV+は画面が表示されない。早戻しのときも画面が表示されないので、思った場面に戻すのがとても大変だ。

レビューがない

善悪あると思うけど、動画配信サービスにはレビューがあり、鑑賞するかどうかの参考にできる。ところがApple TV+にはレビューが見当たらない。評価もない。どこかにあるのかもしれないけど、見つからなかった。

ドラマは鑑賞を始めると長い時間かかるので、観はじめる前に他人の意見を参考にしたい。

注力していない?

エンドロールがスキップできないのとレビュー機能がないのはAppleのポリシーなのか。

他社映画作品がないのは、Netflixなどより安価な料金(Apple TV+の月額料金は600円)を実現するために仕方がないのかもしれない。Apple TV+は、メインで活用する動画配信サービスというより、Apple制作の独自作品を「付け足し」で鑑賞するサービスなのだ。

macOSのアプリの出来の悪さは言い訳できないと思う。Appleが提供する他のアプリとも異なるし、明らかに挙動がおかしい点もある。どうして改善しないのかさっぱりわからない。映像作品なのだから、iPhoneではなくMacで観たい場合も多いと思うけど。

AppleはApple TV+にあまり注力していないのか、macOSのアプリのプライオリティが低いのか。

自社制作のドラマはお金もかかっているし上質だ。4Kやドルビーアトモスなど最新の技術が投入されている。

これらの作品はAppleらしく多様性を尊重し、激しい暴力シーンを回避した上品な作品が目立つ。映画のようにかなり暗い画面ばかり続く作品もあり、自宅の視聴環境によっては観にくいこともあるだろう。

Apple TV+のシェアはライバルに大きく劣っている。ディズニープラスが躍進しているのと比べると、Apple TV+はうまくいっていないように見える。

少なくてもアプリが改善していかないと、シェア獲得は今後も厳しいと思う。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は高山環(たかやま かん)というペンネームで小説を書いています。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
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