Appleショック
Appleの業績予想の下方修正により、Appleの株価は10%下落し、昨日の米国株式市場も660ドル安で取引を終えた。それに伴い、本日の日経平均も下落中。
決算前に下方修正するのは市場に過度なインパクトを与えないためだけが、Appleほどの規模だと市場への衝撃は避けられなかった。
昨日の記事で書いたようにAppleの業績悪化は中国市場の問題だけではなく、Appleがイノベーション溢れた製品を作り出せなくなったことにある。
今後の株価の動向
Appleに関して言うと、画期的な製品がでてくるか大胆な戦略を繰り出さないと株価の回復は難しいだろう。現状のAppleの株価はかなり割高で、Appleショックが癒えても米中貿易摩擦もあり、世界経済の見通しは不透明だ。今までどおりの施策ではAppleの株価が急反発するとは考えづらい地合いだ。
値下げの必要性
株価回復に必要な施策のひとつが、価格の改訂だ。高いブランド力を背景にAppleは他社よりも高い値付けで販売台数の停滞を補ってきたが、ここにきて肝心の製品力が低下し、高値では売れなくなってきている。
Appleは安売りを行なわず利益率を重視する会社だが、高い利益率を維持しても、売上が減れば総利益も減少してしまう。今やAppleは少数の従順な客だけを相手に商売する規模の会社ではなく、多くの顧客を獲得して初めて経営を維持できるレベルの会社になってしまった。
販売額を上げるには、ある程度の値下げが必要だと思う。特に、買い替え需要を起こすためにもiPhoneの3モデルの値下げは必須だろう。
統一サービスの登場
停滞するiPhoneに代わりにAppleが期待しているのはサービス事業だろう。Apple Musicは米国で多くのシェアを獲得している。サブスクリプションモデルは日銭が入るので、一度シェアを握ればハードよりも継続的な売上を期待できる。サービスはハードと比較して利益率も高い。
今のAppleのサービスの課題は、統一されていないことだ。Apple Music、iCloudストレージ、iTunes Movieなどばらばらのサービスであり、動画配信はAmazon Prime Videoのようなサブスクリプションモデルがない。
様々なサービスを統一して「Apple Prime」を創設すれば、強いブランド力とiPhoneの高いシェアで多くのユーザーを獲得できるだろう。
製品以外にもできることはある
魅力的な製品が出せるに越したことはないが、それ以外にも製品の値下げ、統一サービスの提供とAppleができることはある。
WWDC前の3月には何か新しいアクションを起こすと思われる。iPhone、iPadなど主要な製品のモデルチェンジは昨年終えている。3月に登場するのは、噂のAirPowerの発表なのか、ここで挙げたような値下げや新サービスなのか注目だ。