「BALMUDA Phone」登場
デザイン家電で有名なバルミューダが新型スマートフォン「BALMUDA Phone」を発表した。
SIMフリーモデルが10万4800円、ソフトバンク版が14万3280円と結構高額。どういう人がこの新しいスマホにマッチするのか考えてみます。
デザイン家電メーカーが作るスマホ
バルミューダーといえばトースターなどのデザイン家電が有名だ。日本のデザイン家電の先駆者といえばamadanaだが、そういえばドコモと連携してamadanaデザインのスマホを販売していた。さまざまな家電をデザインしていると、普段持ち歩いているスマートフォンをデザインしたくなるのかもしれない。
売りはデザイン
BALMUDA Phoneの1番の特徴もデザインだ。河原の小石をモチーフとした丸っこいデザインは最近のスマートフォンにはない雰囲気が出ている。機能一辺倒で真四角なスマートフォンが多い中、かなり異色だ。大昔のiPhone 3Gを思い出す。
高さ 123mm x 幅 69mm x 厚さ 13.7mmで、4.9インチのディスプレイは近年のスマートフォンの中ではかなり小型だ。重さも約138gで、iPhone 13 miniより軽い。
最近のスマホは重くて疲れるという人にはうってつけのモデルだ。背面にはバルミューダ社長による社名が描かれている。
性能は普通
デザインに特徴はあるが、性能は普通だ。ROM 128GB 、RAM 6GB、2,500mAhのバッテリー容量、背面カメラは約4,800万画素、CPUはQualcomm®︎ Snapdragon™ 765。中堅スマホと同等の性能だ。
指紋認証、ワイヤレス充電、IPX4の生活防水と現代のスマートフォンが必要なものは揃っている。
気になるのは指紋認証の場所が背後にあることだ。反対側にあるカメラとデザインを揃えてあるので、指で触れると間違えそうになるかもしれない。デザインに凝って使い勝手が悪くなる「デザインの敗北」にならないと良いのだけど。
凝ったアプリ
スマホ内の世界観を統一するために、バルミューダが開発した基本アプリを搭載している。
「ホーム画面」「スケジュール」「メモ」「カメラ」「計算機」「時計」などがインストールされていて、外観に合わせたクールなデザインとなっている。
昨日も一工夫されていて、例えば計算機では「億万」ボタンがあって、高額の数字も簡単に入力できる。
ただ、WebブラウザなどのアプリはAndroidそのままなので、完全に統一した世界観を維持することはできない。
金額に見合うスマホなのか
10万4800円は、ハイエンドスマホと同等の価格で、「BALMUDA Phone」の性能を考えると割高であることは否めない。このスマホを買うかどうかは、このデザインと世界観(それを裏打ちするストーリー)に10万円を支払えるかどうかで決まると思う。
このデザインが気に入って、コンパクトなスマホが欲しい人には間違いなく買いだ。
ただ、スマホの技術は日々進化し、OSも毎年アップデートされる。この世界観を維持していくには、OSに合わせてアプリとカスタマイズ部分もアップデートしないといけない。
過去に幾つかの企業がデザイン性豊かなスマートフォンを開発したが、長続きしなかった。過去に発売されたデザインケータイは、OSアップデート・不具合への対処、アプリの更新などの作業が負担となり、いつしかただの「古いスマホ」に成り下がってしまう例が多かった。
今回の「BALMUDA Phone」はどうなるのか注目していきたい。