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合併を繰り返す「Pay」。最後まで残るスマートフォン決済は?

相次ぐPay同士の合併

最近、Pay同士の合併・提携が相次いでいる。親会社統合により今後の提携が見込まれるPayPayとLINE、メルカリに吸収されたOrigami、そのメルカリと提携するdocomo。

この合併・連携のトレンドはシンプルだ。体力がない企業が資金力ある企業に支援を求めるパターンだ。スマホ決済の先駆者だったOrigamiは実質破綻して、メルカリに吸収された。メルカリも単体企業でサービスを行い続けるのはしんどくなり、docomoとの提携を選択した。LINEも企業体は大きいがここ数年は赤字で、巨大企業ソフトバンクの一員であるYahoo!との合併に至った(存続する親会社はYahoo!系)。

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儲からないスマホ決済サービス(現時点では)

Origamiが実質破綻した理由もシンプルで、スマホ決済サービスが儲からないからだ。クレジットカードと同様に決済サービスの売上は店舗からの手数料収入になるだった。ところが、現在は加盟店舗を増やすために、どのサービスも手数料を無料をうたっている。これでは収入はゼロだ。

さらに、他サービスとの競争に勝つために各社がキャンペーンを展開し、多額の資金を投入している。これでは赤字が膨らむばかりだ。Yahoo!やdocomoのように本業がしっかりしていれば、それでも体力勝負に持ち込めるが、他に目立った事業がないOrigamiは体力が尽きて、実質破綻してしまった。

メルカリがdocomoに頼ったのも同じ理由だ。メルカリはフリマという本業はあるが、PayPayフリマなど競合も増えてきて、新たな市場開拓を目指したアメリカで苦労し、メルカリ本体も従業員を減らすなど、今までにない苦境に陥っている。

そこで、巨大企業docomoとの連携を選ばざるを得なかった。

それでも続ける意味があるサービス

儲からないのにスマホ決済サービスを継続する意味があるのだろうか。スマホ決済サービスを続ける目的のひとつは、顧客動向の入手だ。決済とは顧客の購入行動そのものだ。どの属性の人が何を購入したかわかれば、効果的な広告がうてる。

もうひとつは最近よく聞くようになった「スーパーアプリ」だ。決済する頻度が増えれば、そのアプリを立ち上げる機会も増える。

アプリから通販サイト、フリマサイトへ誘導することができる。最近、様々な店舗がアプリを用意していて、クーポン欲しさにインストールしつづけるとスマホが店舗アプリでいっぱいになってしまう。

決済手段を制してスーパーアプリを手中にすれば、アプリから店舗アプリへ誘導、または統合し一大仮想商店街を形成する未来も見えてくる。

生き残るスマホ決済は?

合併・提携を繰り返すスマホ決済の中で生き残るサービスはなんだろう?

ひとつは現在シェアトップのPayPayだろう。PayPayの特徴は圧倒的な知名度と加盟店舗数の多さだろう。ソフトバンクグループの強力な営業力を駆使して、地方の個人経営の店舗まで接触している。ソフトバンクが背後にいるから資金力も問題ない。

LINEとの合併以降はLINEアプリからPayPayへの誘導も行われるだろうし、さらに競争が激化してくればLINE PayをPayPayに統合する選択肢も生まれてくるだろう。

次に生き残る可能性が高いのは携帯電話会社のサービス「d払い」「au Pay」だろう。携帯電話会社が有利なのは、携帯電話料金を徴収するために多くの顧客の銀行口座をおさえている点だ。決済サービスの最初の難関は、銀行口座を登録してもらう作業だ。できるだけ簡単に登録できるように各社色々と工夫しているが、ユーザーとしてはいろいろなサービスに自分の銀行口座を登録したくない。

携帯電話会社なら、その障壁が低い。docomoもauも大量のユーザーをすでに抱えているので、自社のサービスへ誘導するのは比較的容易だ。

逆に自社の顧客以外の客へのアプローチは難しい。docomoもauも、自社キャリア以外の顧客へもユーザーIDを解放しているが、思うようにユーザーは増えていない。

両社とも、地方の個人経営の店舗にアプローチする実績も営業力もないので、営業を外部委託するしかなく、PayPayとの差は歴然だ。

それでも、自社キャリアユーザーを中心にd払いとau Payは生き残ると思う。

PayPay主体に他社のキャンペーンを活用

現時点ではPayPayを中心にキャンペーンによって他のサービスを併用するのが賢い利用方法だろう。当初より規模は小さくなったがPayPayは今でも毎月キャンペーンを打っている。今月は対象飲食店で40%還元している。今、こんな大胆なキャンペーンしているサービスは他にないが、今月だとd払いはコンビニで10%還元している。キャンペーンによって、サービスを併用すれば、支払額をおさえることができる。

まだスマホ決済サービスを使ったことがない人は、まずはPayPay。それと自分が契約しているキャリアのサービスを併用するのがよいだろう。

 

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