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米中貿易戦争がAppleにもたらす影響。中国からの工場移転は不可能?

米中貿易戦争

トランプ大統領は中国で製造された製品に高い関税を掛ける方針だ。トランプ大統領と習近平主席によるアルゼンチンでの首脳会談で来年の追加関税を延期する合意がなされ、貿易戦争は休戦となる見方があったが、ファーフェイのCFO逮捕で再び戦争激化の懸念が高まってきた。

 

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現代の戦争

「戦争」という言葉を使ったけど、軍隊や武器は使っていないけど、これは21世紀の戦争と言っていい。経済を舞台に二大強国が世界の覇権を争っているのが、現在の状況だ。

20世紀も戦争の原因は、常に経済だ。植民地の奪い合い、世界恐慌後のブロック経済が過去の大戦の遠因となった。

21世紀の戦争は20世紀よりも複雑だ。人件費が安い中国で多くのアメリカ製品は製造されているので、中国から輸出する製品の関税を引き上げれば、アメリカの企業に大きな影響が出る。

Appleへの影響

トランプ大統領は「アメリカ本土に工場を造ればいい」という考えなので、自国の企業に悪影響がでてもあまり気にしていない様子だ。

自社の工場はないが、中国企業に製造を委託するAppleは、関税引き上げの影響を大きく受けると言われている。

だが、追加関税が25%を超えなければAppleは生産拠点を中国から移転しないとBloombergが報道している。今のAppleの高い利益率を考えれば、関税が引き上げられても、まだ利益が残るという判断だろう。

現実的に言うと、中国から生産拠点を移転するのは非常に難しい。巨大な工場設備を移転または自社開発するには相当のコストと時間がかかる。Apple製品を製造しているフォックスコンの工場には数万人が勤務している。それだけの従業員を雇用できる場所が中国国内以外に探すのは非常に難しい。

Appleの製品に使われている部品の多くはアジアで製造されている。トランプ大統領が言うようにアメリカ本土の工場で製造することになれば、アジアから部品を輸出することになる。内蔵する部品にも高い関税が今後掛けられる可能性もあれば、輸送コストもかかる。

アメリカ本土に工場ができれば、カルフォルニアの本社と緊密に連携し、品質は向上するかもしれないが、現実的には不可能だと言っていい。

トランプ大統領の真意

米中の貿易戦争が表面化してから、株価は不安定な状態が続いているのは、トランプ大統領が描く落とし所がみえないからだ。

中国も自国へのダメージを認識しているので、一時休戦を合意したわけで、習近平もトランプの真意を測りかねているようにみえる。

米中のチキンレースは、予測不可能なトランプ大統領を中心に今後も続くと思われる。