コロナ禍で起きたこと
コロナによって人々の暮らしと社会が一変した。シャットダウン、ソーシャルディスタンスという言葉に象徴されるように、人々が街から消え自宅に篭り、人と人との距離が広がった。
そんな異常事態でも経済と生活がなんとか継続できたのは、ITのおかげだ。
2000年代のパソコン、2010年代になってスマホが一般化して、普通の人の暮らしにもITが使われてきたが、コロナによってITが一般の人の暮らしへ深く浸透した気がする。
今までは当たり前に人と人とが直接会って行われていたことが、ITを使ってリモートでの作業に移行していった。
改めてコロナによってどういったことが変わったのか振り返ってみます。
- コロナ禍で起きたこと
- 通勤 → テレワーク
- レストランでの飲食 → Uber Eats
- 映画鑑賞 → 動画配信サービス
- コンサート・ライブ → オンラインライブ
- パチンコ → ネット投票
- 街でのショッピング → ネットショッピング
- 時計の針を進めてしまったコロナ
通勤 → テレワーク
コロナ禍で自宅で働くテレワークが一般化した。コロナは他人との接触により感染するので、自宅に篭れば感染の危険性を抑えることができる。
ZOOMなどの会議アプリ、VPNなどのリモートアクセスでオフィスに近い環境を自宅で実現できるようになった。言うまでもなく、テレワークが実現できたのは、高速ネットワーク回線、WebカメラなどのITのおかげだ。
レストランでの飲食 → Uber Eats
飲食の際はどうしてもマスクを外さなければならず感染の危険性が高いとされている。そのためにロックダウンや緊急事態宣言下ではテイクアウトと出前が流行した。
コロナ前から都市部では人気だったUber Eatsがコロナ禍で全国に広まった。今では日本全国の主要都市で配達エリアになり、多くの人が気軽に利用できるようになった。
Uber Eatsはスマホに内蔵されているGPSを用いて、配達状況がリアルタイムにわかり、決済もオンラインで行うことができる。デリバリーする人はスマホで注文を受けとる。Uber Eatsはスマホ全盛の現代だから実現したサービスだ。
映画鑑賞 → 動画配信サービス
コロナでシアターが閉鎖になったり、上映が延期になったりしたことで、映画館から足が遠のいた一方で、動画配信サービスがブームとなった。Amazon Prime VideoとNetflixだけではなく、TVer、ABEMAといった日本発のサービス、ディズニープラスなどの後続のサービスもユーザーを集めている。
動画配信サービスは広いネットワーク帯域が必要なので、自宅の光回線と4Gの大容量プランが一般化していたことが大きい。
コンサート・ライブ → オンラインライブ
コンサートやライブは密集し声を上げることが多いので、感染拡大の原因になると忌避された。エンターテイメント業界はコロナの影響を最も受けた分野の一つだ。
コロナ禍の生活にある程度慣れてきた現状でも大規模なライブの開催は凍結されたままだ。
このままではエンターテイメントが死滅してしまうところだったが、多くのアーティストがオンラインライブを行うようになった。オンラインでチケットを買って、自宅で動画配信を鑑賞するスタイルも定着した印象だ。
オンラインライブも高速ネットワーク回線と端末がなければ実現しなかった。
パチンコ → ネット投票
コロナ禍の初期ではパチンコ屋が感染原因だと槍玉に挙げられていた。今はそこまでのバッシングはないが、パチンコ屋を敬遠する人が増えた気がする。
パチンコ屋の代わりに流行しているのが、競馬や競艇のネット投票だ。ABEMAではボートレースと競輪のネット投票が人気で、今年度のABEMAの売上が伸びた原動力になった。
中央競馬のネット投票は以前からあったが、最近は地方競馬のネット投票も充実してきて、自治体のお荷物となっていた地方の公営ギャンブルが復活しつつある。多くの人がスマホを所有し、レース中継をネットで観戦できるようになった効果だ。
街でのショッピング → ネットショッピング
街への外出を控えるようになり、ネットで買い物する比率が増えた。特に大きな影響を受けたのはアパレル業界だ。外に出なければ小綺麗な洋服も不要になる。高級アパレル店は軒並み不調の反面、カジュアルウェアを主戦場にしているユニクロの業績が絶好調だ。
高級な服だと試着して買いたくなるが、安いルームウェアならネットで見て買ってもいいやという気になる。
ネットで吟味して購入できるように、バーチャル試着などを試みているサイトも多いし返品も簡単にできるようなってきた。
ショッピングモールや銀座などの目抜き通りから高級ファッション店舗の撤退が相次いでいるのは寂しくはあるが、一度安い洋服に慣れた人が戻ってくるのにはかなり時間がかかるに違いない。
時計の針を進めてしまったコロナ
これらの変化は、コロナがなくても進行していたことだが、その流れはコロナによって一気に加速した。コロナ騒動が10年前のスマホが一般化していない頃だったら、社会はもっと混乱していたと思う。
人の行動パターンが大きく変わったことは企業の業績に大きく影響していて、Amazonやネット企業はもちろんユニクロを率いるファーストリテイリングの業績は好調で、株価も堅調だ。
浮かぶ企業があれば沈む企業もあり、人の行動を前提としていた業界はきつい状況が続いている。航空会社や飲食店、映画館や劇場は試練の時を迎えている。
ワクチンの効果でコロナが収束した後は、人々の行動は元に戻るのだろうか。映画館や劇場への客足はある程度は戻ると思うが、オンラインで行なう手法は今後も残ると思う。
個人の嗜好によってリアルとオンラインを併用するような時代になるのではないか。選択肢が増えたことは素直に喜びたい。