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日本がゼロコロナからウィズコロナに転換できるか考える

第7波到来?

ここ数日、新型コロナウイルスの感染者数が再び増加してきている。第6波が収束する前に増え始めたので、いざ第7波か? と懸念されている。今回の増加は、ステルスオミクロンと呼ばれるBA.2株の影響だといわれている。

再び「まん延防止」などの自粛が強いられるのかとうんざりすけど、いつまでこのようなことを繰り返すのか。日本はウィズコロナに転換できるのか考えてみます。

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感染ゼロを目指しているのは日本と中国だけ?

日本では感染が増えると自粛を繰り返し、今でも外国観光客の受け入れを実質拒絶しているが、他の国はどうしているのだろう。

欧米では、自粛も規制もほぼ解除されている。マスクの着用でさえ義務ではない国が増えている。日本と同じ島国であるイギリスでは感染者数の公開さえ辞めてしまっている。

サッカーファンなら、ヨーロッパのサッカー中継を観たことがある人も多いと思うけど、日本と違い普通に声援を送り、マスクをしている人はほとんどいない。

先月のベトナム戦ではベトナムのファンだけが声を出して日本で試合を行なっているのにベトナムのホームみたいだった。声を出してはいけないというルール違反は問題だが、この背景には声を出さずにサッカーの応援などできないという世界の共通認識があるように思う。黙ってサッカー観戦をするなんてことができるのは我慢強い日本人だけなのだ。

日本と同様に自粛を続けていた韓国では、感染者が30万人とかなり多い状況でも、規制緩和を始めている。ワクチンの接種提示は廃止され、飲食店の時短営業は午後11時までに緩和された。オミクロン株は、感染力が高い割にワクチンの効果もあり重症化率が低いことが理由だ。科学的見地と経済状況を考慮して、韓国はウィズコロナ政策に転換したようだ。

今ゼロコロナを目指している国は中国だけだろう。今までも感染者が出ると都市封鎖などの強硬措置をおこなってきた中国だが、現在感染者が増えている上海の都市封鎖に踏み切った。外出を制限し、濃厚接触者を徹底的に隔離している。

今世界でゼロコロナを目指しているのは日本と中国だけかもしれない。

日本のゼロコロナ政策はいつ転換できるか?

では、日本はいつまでもゼロコロナを続けるのか。この前の日本代表戦でキャプテンの吉田選手が、日本だけ声を出して応援できない現状に対してなんとかならないのか意見を出していた。ヨーロッパの状況を考えれば当然の意見だと思うが、「日本より死者を出している他の国をまねるべきではない」という反対意見を多く目にした。

現在コロナで亡くなっている人のほとんどが高齢者だ。そう書くと、「高齢者は亡くなって良いのか。人の命が何より大事だ」という人がいる。もちろん人命は大事だ。だけど、ゼロコロナを続け経済が縮小すれば、企業は倒産し、生活が困窮し自殺者も増える。なんの犠牲もなければ自粛を続ければ良いが、そんなことはない。

現在、円安が急速に進行している。円安は文字通り円の価値が安くなっているわけで、今の円安は日本の国力低下を反映させたものだ。円安が続けば輸入品は高くなり、物価が上昇する。賃金が上がらなければ、生活は苦しくなる。

コロナ感染から2年が経過し、コロナのこともある程度わかってきたし、ワクチンによる重症化率は下がった。

だけど、日本ではまだゼロコロナ政策から脱却できない。感染者が増えれば、重症者が少なくても大騒ぎになるし、マスク着用や野外スポーツ観戦の声出しも解除されない。病床率が高くなることが問題になるが、第6波で東京の病床が逼迫したとき、病室を増やすことで対応していた。自治体にもよるが、コロナ専用の病床は全体の病床の数%のところがほとんだ。

どうして日本は海外に合わせてウィズコロナに転換できないのだろう。日本人の清潔好き、リスク回避の嗜好性が影響していると思う。人が亡くなる危険性が少しでもあるなら回避したがる。コロナ禍の最初期は3密が問題で、屋外のマスク着用は推奨されていなかったが(科学的には今も)、現在では屋外を歩いている人のほとんどがマスクを着用している。

もっと広い視点での影響を考慮する時期だと思う。経済はお金の問題ではなく、生命の問題だ。お金がなければ死亡率は上がる。また、お金だけで人は生きていけない。コロナ禍の二年間で修学旅行など多くの行事が中止になった。学生の貴重な思い出は二度と取り戻せない。

だが、ゼロコロナ政策を続けている岸内閣の支持率は高く、国民の多くはゼロコロナを支持しているようだ。高齢化社会が進む日本では高齢者の意見が強い。マスコミも感染者が増えればすぐに問題だと報道する。政治家は批判を恐れてリスクを取らない。このような状況ではウィズコロナへの転換は厳しいだろう。

変化できるか?

ただ、少しずつ変化は生まれてきている。米英など106カ国からの入国制限を緩和させた。ただ、この緩和も長期労働者などが対象で、観光客については引き続き制限される。

他の国がウィズコロナ政策を続ければ、世界のコロナ患者はゼロにならず、感染拡大を恐れるなら、日本はいつまでもゼロコロナを続けないといけない。そもそも、ウイルスが根絶されることはない。人類が根絶できたウイルスは天然痘だけだし、まだグローバル化されていない世界でも根絶まで何十年という歳月をかけた。

ウイルスが根絶なるまでに国力は低下し、円安が止まらなければ、街に失業者が溢れ治安も悪化することになる。

日本人は器用で、我慢強いのかもしれない。無言のサッカー観戦がそれを象徴しているように思う。

もっと海外に目を開いて、協調していかないと日本だけ取り残されることになるし、その皺寄せは間違いなく私たち国民の生活に直結する。

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