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どうして日本人だけマスクを外せないのか。キーワードはリスク管理とLIFE

マスクを外せない!

外を歩いていても、街中でマスクを外している人は少数派だ。厚生労働省の通達では、距離が確保できていれば会話をしても「マスク必要なし」としているのに、この通達を遵守する人は少ない。

現在感染者が絶賛増えている「第7波」が起きているので、いつでもどこでもマスク着用は当然だと思いそうだが、海外の状況を見ていると、そんなことはない。

世界陸上はアメリカのオレゴン州で開催されているが、観客席でマスクをしている人はゼロに等しい。ヨーロッパのサッカーファンはどの国でも誰もマスクをしておらず、肩を組み大声を上げて応援している風景に見慣れているだろう。

一方、日本ではマスク着用は当たり前で、サッカーでは声を出せるエリアが実験的に一部開放している状況で、他国とは全く異なる。

どうして、日本と欧米はこんなに違うのか考えてみます。

感染者が多いから?

「日本は感染者が多いのだから当たり前だろ」と言う人がいるが、海外に比べて、現在の日本の感染者数は決して多くはない。アメリカでの現在の感染者数は日本と大して変わらない。そもそも欧米では感染しても自宅に静養するだけでPCR検査をしていないケースも増えていて感染者数にカウントされていない。日本のように濃厚接触者のPCR検査もおこなっていない。

そもそも日本のコロナによる死者数は、欧米各国よりもかなり少ない。

「医療体制が逼迫しているから仕方がないだろ!」と言う人もいるが、日本の病床数は世界一だ。重症者が多かったコロナ初期はいざ知らず、現在の日本医療状況はそこまで切迫しているわけではない。ちなみに今日現在(2022/07/21)日本の重症者数は全国で176名。緊急車両の出動が増えていて、コロナ病床率が30%を超えている都道府県もあるが、これは重症患者ではなく軽症患者が増えているからだ。

別に医療機関が潤沢だから、マスク着用が不要だ、やめろと主張したいのではなく、どうして欧米ではマスクをしていないのに、日本だけマスクを外せないのか考えたい。

同調圧力とはなにか?

日本人だけマスクを外せないのは「同調圧力」だからという意見がある。マスクを外すと周りから白い目で見られるから外せない同調圧力が働いて、外したいけど外せないというのだ。

だけど、厚生労働省が外せといっているのに、大多数の人がマスクを外さない理由にはならない。みんながマスクを外したがっているのに、周りがつけているから外せないなんてことがあるだろうか。

そもそもマスクを外そうと思っていない人が多いから、マスクをつけている。

リスク管理ができない

日本人がマスクを外せない理由のひとつは、リスク管理ができていないからだと思う。リスク管理というと、精査したリスクを全て排除するゼロリスクを想像する人がいるかもしれないが、本来のリスク管理の目的は、リスクがどの程度か精査して、リスクに合わせた適切な対応を取ることにある。

欧米では、コロナ初期はロックダウンなど日本より激しい処置をとっていた。コロナがどの程度死亡率が高いのか、そのリスクがわからず医療崩壊の危機があったので、リスクを一旦排除したからだ。

コロナ発生から三年が経過し、コロナウイルスの分析は進み、コロナの死亡率・重症化率は把握されている。ワクチンや治療法が進み、死亡率は劇的に下がっている。

もちろん死亡率はゼロではないが、リスクを把握できたことで、社会はそのリスクを許容する方向へ進んでいる。

日本人は、誰かが死ぬ可能性があるなら、マスクを着用しようと思ってしまう人が多い。これはゼロリスクを目指してしまうからだ。

だが、ゼロリスクにはコストが大きい。どんなにコストがかかっても、人命の方が大事だと考えている人がいる。欧米では、生命のリスクがあっても、リスクの大きさがわかっていれば許容できるかどうか判断し、行動を決める。

だが、日本人はコストを考慮せずに、ゼロリスクを維持するためにマスクをつけ続けているわけだ。

生きることの意味

もうひとつ大きな違いは「生きる」価値観の違いだ。欧米では、「生きる」とは心臓が動いて息をしている状態を指すわけではない。英語の「Life」は「生命」の他に「生活」「人生」の意味があることからわかる通り、正常な暮らしができて初めて「生きている」ことになる。

マスクをつけて声も出せない不自由な状態は、欧米の人にとっては「生きる」ということにはならない。

確定したリスクよりも人間らしく生きることを欧米の人は選択している。サッカーを長らく声を出さずに観戦するなどということは想像の範囲外なのだ。

では、どうして日本人は違うのだろう。ひとつは花粉症やインフルエンザでマスクに慣れているので、マスクを装着していることが、「生きる」ことの欠損とは思っていないということが挙げられる。日本人はマスク着用が苦痛だと思っていない人が多い。他にも電車内で会話しないとか、日本人は色々なことで我慢をしているが、それを我慢とは思っていない。

最近、日本でも「厳しい校則」や「他人に配慮しすぎた慣習」への批判が増えてきているが、人命が関わるマスク装着への批判は皆無だ。

その根底には日本人と欧米人の「LIFE」の価値観の違いがある。

日本人の価値観

見てきたように、日本人は本当の意味でのリスク管理ができておらず、生きることへの価値観の違いから、マスクを取り外せないと思われる。

ずっと欧米との比較をしてきたが、世界には日本人と同様にマスクを外せない人たちがいる。それは中国の人だ。中国ではゼロリスクを国家が進めているので、マスク着用を国家が強いている状態が今でも続いている。

ロシアの軍事侵攻に賛成している国と同じぐらいマスク着用をしている国は少ないという話もある。

それでも、日本人がマスクを外すときはなかなか訪れないと思う。多くの日本人の価値観が劇的に変わらないと難しいからだ。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は高山環(たかやま かん)というペンネームで小説を書いています。
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