Echo BudsとAirPods Pro
Amazonがワイヤレスイヤホン「Echo Buds」を発売開始した。アメリカではすでに発売していたが、ローカライズに時間が掛かったのか、ようやく日本でも登場してきた。
Echo Budsはノイズキャンセリングを搭載しているので、Apple製品内のライバルならAirPods Proになるだろう。Echo BudsとAirPods Proを徹底比較してみます。
- Echo BudsとAirPods Pro
- ドライバーユニット
- チップ
- 装着感
- バッテリー駆動時間
- 耐汗耐水性能
- ノイズキャンセリング
- 空間オーディオ
- センサー
- 操作性
- ボイスアシスタント
- 充電ケース
- マイク
- サイズと重量
- 価格
- お手軽に購入できるノイキャンイヤホン
ドライバーユニット
- Echo Buds・・・5.7 mm ダイナミックドライバー
- AirPods Pro・・・高偏位Appleドライバ
Echo Budsのドライバーは5.7mm。Appleのドライバーサイズは非公表だが、縦4ミリ、横3ミリの楕円形をしている。ドライバーユニットが小さいからと言って、音が悪いわけではないので、参考程度に。
チップ
- Echo Buds・・・Realtek RTL8763C
- AirPods Pro・・・H1ヘッドフォンチップ
Echo Budsは、Realtek社製のチップを採用している。このチップはノイズキャンセリングやAACなどのコーデックに対応している(チップが対応していても、製品が対応しているかは別問題だが)。
装着感
- Echo Buds・・イヤーチップ 4サイズ、ウイングチップ 2種類
- AirPods Pro・・・イヤーチップ 3サイズ
Echo Budsは、イヤーチップが4サイズある。AirPods Proは3サイズなので、Echo Budsの方が1サイズ多く、耳の穴の形状に合わせたチップが見つかりやすいだろう。
Echo Budsは耳の穴に入れるイヤーチップだけではなく、ウイングチップもある。耳の形状にはめこむので、運動時に装着してもイヤホンが落としづらくなる。
イヤホンの形状もAirPods Proよりも耳の中に収まっている部分が多い。
バッテリー駆動時間
- Echo Buds・・・イヤホン5時間 + ケース15時間
- AirPods Pro・・・イヤホン4.5時間 + ケース24時間
Echo Budsはイヤホンだけで最大5時間稼働し、AirPods Proより30分長い。30分なので、大して違いはないけど、サブ4前後でマラソンを走る人にはこの差は大きい。
ケースの大きさはEcho Budsの方が少し大きいが、ケースでの充電時間は、AirPods Proの方が9時間も長い。ケースは大きくても、重さはほとんど変わらないので、Echo Budsのケースの方がバッテリー容量が少ないのかもしれない。
耐汗耐水性能
- Echo Buds・・・IPX4相当
- AirPods Pro・・・IPX4相当
耐汗耐水性能はAirPods Proと同等。雨でも汗でも問題なく使用できそうだ。
ノイズキャンセリング
- Echo Buds・・・あり
- AirPods Pro・・・あり
両モデルともノイズキャンセリング性能がある。Echo Budsのノイズキャンセリングは、かなりの高性能らしいが、AirPods Proと比較すると、ホワイトノイズが目立つようだ。ただ、後述するが、Echo BudsはAirPods Proよりもかなり安価だ。本来比較すべき価格帯の製品ではない。それを割り引いて考えると、この価格帯でノイズキャンセリング搭載のイヤホンが手に入るのは嬉しいところだ。
Echo Budsには、外部音を取り込めるアンビエントサウンド機能がある。外部音を取り込むボリュームを5段階で調整できる。
空間オーディオ
- Echo Buds・・・未対応
- AirPods Pro・・・空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング
Echo Budsは、空間オーディオに未対応らしい。Amazon Musicは空間オーディオに対応している楽曲を用意しているのに、これはちょっと残念。
センサー
- Echo Buds・・・加速度、近接、タッチセンサー
- AirPods Pro・・・デュアル光学センサー、加速度センサー、感圧センサー
Echo Budsは、近接センサーを内蔵しているので、装着したかどうかイヤホンが判別してくれる。
操作性
- Echo Buds・・・タッチセンサー
- AirPods Pro・・・感圧センサー
Echo Budsは、イヤホンの平たい部分をタッチすることで操作できる。デフォルトの操作は、一般的なイヤホンと同じだ。
- シングルタップ:再生 / 一時停止
- ダブルタップ:次の曲
- トリプルタップ:前の曲
- 長押し:ノイズキャンセリング・アンビエントモードを切り替え
左右のイヤホンに別々の機能を設定できる。長押しとトリプルタップにボリュームの調整を割り当てることも可能。
ボイスアシスタント
- Echo Buds・・・Alexa(タップはAlexa、Googleアシスタント、Siriに対応)
- AirPods Pro・・・Siri
手を動かさなくても情報を入手できるボイスアシスタントは最近のイヤホンには必須の機能だ。Echo Budsは、Alexaのハンズフリー機能に対応していて、「アレクサ」と声をかければ、様々な命令に応じてくれる。イヤホンだけで動作している訳ではないので、スマートフォンとの連携が不可欠。場所が関係する命令の場合は、連携しているスマートフォンのGPSがオンになっている必要がある。
AirPods Proと違うのは、イヤホンをタップした時のボイスアシスタントには自社のAlexa以外にGoogle、Siriにも対応していることだ。この辺りは、ソニーのイヤホンと同じ仕様だ。
充電ケース
- Echo Buds・・・ワイヤレス充電対応と非対応の2種類あり
- AirPods Pro・・・ワイヤレス充電対応
Echo Budsはワイヤレス充電対応と非対応の2種類のケースが用意されている。価格差は2,000円。この価格差なら、非対応ケースをわざわざ用意しなくても良い気もするけど、少しでも安く見せたいのか。
マイク
- Echo Buds・・・デュアルビームフォーミングマイク、内向きマイク
- AirPods Pro・・・デュアルビームフォーミングマイク、内向きマイク
Echo BudsとAirPods Proのマイクの数は同じ。
サイズと重量
Echo BudsのイヤホンはAirPods Proとほぼ同じだ。Echo Budsのイヤホンが約12gに対し、AirPods Proが約11g。Echo Budsの方が耳にはまっている部分が大きいので、AirPodsよりも軽く感じられるかもしれない。
ケースもほとんど変わらず、Echo Budsが約59g、AirPods Proが約56g。
価格
- Echo Buds・・・14,980円(ワイヤレス充電対応)
- AirPods Pro・・・30,580円
Echo Budsの最大の特徴と言っていいのが、価格だ。ワイヤレス充電対応で14,980円とAirPods Proの定価の半額以下だ。ワイヤレス充電非対応ならさらに安く12,980円。この価格はノイズキャンセリングなしのAirPodsよりも安い。
ノイズキャンセリングはAirPods Proより劣るかもしれないが、これだけ安いと許容できてしまう。
お手軽に購入できるノイキャンイヤホン
Echo Budsは、ノイズキャンセリングや外部音取り込みなど、近年のワイヤレスイヤホンに要求される機能が一通り揃っている。その上で、この価格は大手メーカーから出している製品としては破格の値段だと思う。もっと安いノイズキャンセリングイヤホンは存在するが、ハンズフリーのAlexa機能などは、自宅でAmazon Echoを使っている人には分かりやすく便利な機能だと思う。
発売当初はさらに割引されて販売していたし、おそらく今後Amazon Prime Dayなどで安売りする可能性も高い。今すぐ買っても良いし、他のワイヤレスイヤホンを持っている人は安くなるのを待って買うのも良いと思います。