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最高勝率の藤井聡太七段がタイトルを獲得できない理由

今年度も最高勝率の藤井七段

昨年29連勝の大記録を達成した藤井七段の今年度は、全棋士の中で最高勝率を維持している。今月の残りの対局で負けなければ、中原永世名人がもつ史上最高勝率を50年ぶりに更新することになる。新人王を獲得し、朝日杯を連覇と成果を出している一方で、竜王などタイトルを今年度は獲得できなかった。

圧倒的な成績を収めているのに、どうしてタイトルを獲得できないのか考察してみます。

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トップ棋士との勝率は3割

現在の藤井七段の勝率は0.851と驚異的な勝率だ。だが、A級B1クラスのトップ棋士との勝率は6割しかない。竜王戦以外のタイトル戦の敗退はトップ棋士に負けたことによる。

さらに、朝日杯など一般棋戦を除くと、トップ棋士との今年度の勝率は0.333。トーナメントで勝ち進み、タイトル挑戦者になるには勝ち星が集まる運や勢いが必要だが、勝率3割ではトップ棋士がひしめくタイトル戦の決勝トーナメントでは勝ち残れない。

持ち時間が長い棋戦で負けている

朝日杯ではトップ棋士に勝てているのに、タイトル戦で勝てないのはなぜだろう。朝日杯とタイトル戦の違いは持ち時間だ。朝日杯の持ち時間は40分、他のタイトル戦の決勝トーナメントは一番短い叡王戦でも3時間ある。

持ち時間が長い棋戦だと、次の手をじっくり考えて指すことができる。詰将棋解答選手権で優勝しているように藤井七段の手を読むスピードはかなり速く、彼が勝ち続けている原動力になっているが、経験と地力に勝るトップ棋士は時間があれば、軽々が浅い藤井七段の読みを上回ることができる。

逆に短い持ち時間なら、トップ棋士よりも読む速度が優る藤井七段が有利だ。だから、藤井七段は短い待ち時間の棋戦で勝っているのだ。

時が解決する

短い棋戦では勝てているように藤井七段の能力の高さは疑いようがない。過去の中学生棋士を見てもわかるように、若くプロになった棋士は成長して大棋士になっている。

今はまだ経験値で差があるトップ棋士との勝率は悪いが、今後経験を増してくれば、トップ棋士とも互角に戦えるようになり、タイトルを狙えるはずだ。

今年度の史上最高勝率を更新できるかどうかも楽しみだし、来年度はタイトルに挑戦できるかが見どころになる。

藤井七段の活躍から目が話せない。