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Appleの楽園を乱すAmazonのスマートスピーカー戦略

HomePodのシェアは6%

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日本ではなかなか発売されないHomePodが、米国で8%のシェアをとったという調査結果がでた。Amazon Ecoが70%のシェアを握り、2位のGoogle homeが24%。

HomePod Estimated to Have 3 Million Sales and 6% Market Share in United States - Mac Rumors

ライバルよりも高価格のHomePodが発売から半年で6%のシェアを獲得できたのは驚きだ。Amazon Ecoが50ドルから、Google Homeも129ドルから販売しているのに、HomePodは349ドルもする。他のスマートスピーカーと競合できる価格帯の製品ではない。

HomePodはSiri付き高性能スピーカー

Appleは、HomePodをスマートスピーカーではなく、Siriで命令できる高級スピーカーとして販売している。その証拠に、HomePodは「Music」のジャンルで販売しており、スピーカーとしての性能を全面に謳っている。Smart Speakerの記述はどこにもない。

音楽ファンが多いAppleの信者にHomePodはある程度売れるが、このままではAmazonとの差は縮まらない。スマートスピーカー市場にAppleは本格的に参入しないのだろうか。廉価版HomePodの噂もあるが、いまだ登場しない。

スマートスピーカーを中心に広がるホームネットワーク

スマートスピーカー市場を無視するのは、Appleにとってかなり危険な賭けだ。スマートスピーカーは、リビングを制する初めてのIT機器になりそうだからだ。リビングに置かれたスマートスピーカーは、天気やニュースを教えてくれるだけではない。Fire TV・Chromecastや他の家電と繋がり、AV機器・家電をコントロールしている。スマートスピーカーは、現代のホームコンピュータなのだ。

Amazon Echoは、リビングだけではなく、Amazon Eco Spotなど、他の部屋への浸透も進めており、Amazonは家全体をAmazon製品のコントロール下に置こうとしている。

大きなシェアを取りに行くよりも、強いブランド力を背景に、高付加価値の製品を販売し、利益を上げるのがAppleのビジネスモデルだ。高級スピーカーであるHomePodの販売戦略も、今までのAppleのやり方と変わらない。

ただ、スマートスピーカーで家全体を他社にコントロールされると、Appleの地位は相対的に下がっていく。ユーザーがAmazon Ecoを各部屋で使えば、Apple TVとiTunesは脇に追いやられる。Fire TVでの映画鑑賞が習慣になれば、顧客はAmazonプライム会員になるだろうし、Amazon Musicを使うようになる。人は複数のサービスを使うより、統一されたサービスを好む。

スマートスピーカーをきっかけに多くのサービスと機器が統合されていくことは、Appleにとって脅威のはずだ。Appleは米国史上初の時価総額1兆ドルを達成し、今後も成長が予想されているが、スマートスピーカーを尖兵にして、AmazonがAppleの楽園を乱していくかもしれない。

www.kantakayama.com