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なぜアメリカはファーウェイを制裁するのか?ファーウェイへの制裁が日本と世界経済へもたらす衝撃

ファーウェイへの制裁

アメリカ政府は中国企業ファーウェイの制裁を決めた。アメリカ国内へのファーウェイ製品の輸入、米国の技術を使った製品の輸出を禁じた。

今回の制裁はファーウェイだけではなく、世界経済へのインパクトが大きいのに、どうしてアメリカ政府はこの制裁を行うのだろう。考察してみます。

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スパイデバイス疑惑

ファーウェイ製品にバックドアが用意されていて、企業や政府の機密情報が中国政府へ筒抜けになる疑惑がある。過去にも中国製品へ同様の疑いがかけられたことがあったが、具体的な証拠が発見されたことはない。

ファーウェイ製品についても重大な問題が見つかったという報道はあったが、それが何なのか詳細な発表はない。

この疑惑だけが制裁の目的とは考えづらい。

米中貿易摩擦の影響

米中間で熾烈な貿易交渉が行われている。2019/05/23今日現在まだ収束していない。このタイミングでファーウェイへの新たな制裁が発表されたのは、もちろん偶然ではない。今回の措置は政府だけではなく、民間企業の取引を制限するものだ。

ファーウェイへの業績にも大きく影響する。ファーウェイを人質にして米国が貿易交渉を有利にしようと考えられる。

ファーウェイの行sできへのインパクトは?

今回の制裁では政府の調達だけではなく、「アメリカの技術」を使った部品を調達するこもできなくなる。対象はアメリカ企業だけではない。すでにARMやパナソニックがファーウェイとの取引停止を発表している。

現代のパテント(特許)は複雑だ。自社製品が自社の技術だけを使っているわけではない。他社や他国の特許技術を用いて開発・製造しているので、パナソニックのような日本企業でもファーウェイとの取引を中止せざるを得ない。そうしなければ、日本企業も制裁される可能性がある。

ファーウェイはスマートフォンや通信設備を製造する基礎技術のすべてを持っているわけではない。プロセッサやメモリなどは他社から調達している。

多くの外国企業がファーウェイとの取引を停止したら、ファーウェイは多くの製品を製造できなくなる。

中国国内だけでビジネスを行う?

中国市場は巨大だ。アメリカなど外国でビジネスができなくても、中国国内だけでビジネスを行っても、そこそこの業績をつくれそうだが、前述の通り部品を調達できなければ、中国国内でも製品を製造販売できない。

先日はGoogleのサービスが使えなくなるという報道があったが、Googleのサービスが利用できないインパクトも大きい。中国ではGmailなどのGoogleのサービスは使えないので、代わりに中国国産のサービスが使われている。それならGoogleのサービスが使えなくても中国国内ならファーウェイ製品を利用できそうだが、問題はAndroid OSだ。

Android OSはオープンソフトなのでファーウェイ製品でも導入できるが、Android OSを自社製品に導入するためGoogleとスマートフォンメーカーが協同で開発している部分も大きい。Androidスマートフォンといってもすべてが同一のスペック・デザインではないので、自社製品に合致するように、また個性をだすようにAndroid OSをGoogleと各メーカーが協同で改変しているのだ。

Googleとの取引ができなくなれば、それもできなくなる。また今後のOSアップデートができるかどうかも不透明だ。

ファーウェイが独自OSを開発しているという話もあるが、過去にiOS・Android OS以外でスマートフォンで成功したOSはない。OSの開発の難しさに加えて、多くのソフト資産が使えないのが痛い。10年近い実績があるAndroid OSのレベルに追いつくのは容易ではない。

世界経済への影響は?

全世界でファーウェイの取引が停止されればファーウェイの業績に深刻なダメージがあるだけではなく、世界経済へも影響する。

まずはファーウェイと取引している企業の業績。日本企業でいうとソニーと村田製作所への影響は大きそうだ。日本企業はファーウェイと年間7000億円以上の取引があるといわれている。ソニーはイメージセンサーを納入している。

もうひとつの影響は5Gだ。ファーウェイは世界最大の通信メーカーだ。5Gに必要な通信機器をファーウェイは比較的安価で製造している。ファーウェイの5G機器が調達できなくなれば、全世界での5Gサービスの開始も遅れたり、サービスが高額になる影響はでかねない。

他の企業への制裁は?中国の報復は?

見てきたようにファーウェイへの制裁の衝撃は大きい。中国政府の制裁がファーウェイだけで終わるかもわからない。他にも中国系のIT企業はたくさんある。

また、このまま中国が黙っているとも思えない。更なる関税の引き上げや米国製品の締め出しも実施する可能性も大きい。

そうなれば、世界経済へより大きな影響が出る。そのような事態を回避するためには米中両国が歩み寄り貿易戦争を終結させないといけないのだが、来年の大統領選も絡んで、長期戦が予想される。

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