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2018年のIT業界を振り返る。その2:AIとGAFA

2018年のIT業界

クリスマス・イヴが終わり、12月25日から30日までって、微妙な5日間ではないですか? クリスマスの浮かれた空気が厳かな年末に、洋風から和風にトランスフォームする間、なんとなく落ち着かない。

そんな時期に2018年のIT業界を思いつくまま振り返ってみよう。

AIというバズワード

新しいシステムを売るために、IT業界は様々なバズワードを開発してきた。最近ではBYODやビッグデータ、オムニチャネル、IoTなどだ。一般に定着するものもあれば、あまり語られなくなるワードもある。そもそも、今までの技術とどう違うのかよくわからない概念も多い。

2018年にIT業界で最も使われたワードはAIだろう。AI(人工知能)が人間の仕事を奪うと予測されたのは去年の話。今年は、AIをより身近に実感する年となった。

音声の質問に回答し、家電をコントロールしてくれるスマートスピーカーは、AIの実力をわかりやすく僕らに伝えてくれた。

iPhone XS、Googleのスマートフォン「Pixel 3」は写真撮影をAIが補助してくれて、より美しい写真を残せるようになった。

下はGoogleトレンドの「AI」の人気度だが、AIという語句は昔から存在するが、大きく盛り上がってきたのは昨年12月辺りから。

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人間のように知的な思考を行うAIという概念は古くから存在していたが、強化されたマシンパワーにより機械学習と呼ばれる自己学習を行えるようになり急速に進化した。

今後AIを予測するには多くの文章が必要になるが、ひとつだけ簡単に記すと、来年以降AIというワードは単体ではあまり使われなくなるだろう。AIを使ったシステムやソフトが一般化し、AIはそれ単体で語られることが減り、様々な用途に特化したAIへ移行していくと思われる。また第2、第3のAIとして、例えばスマートAIのように新しい語句として使われるようになると予測する。

GAFAの脅威

GAFAと呼ばれるGoogle、Apple、Facebook、Amazonのグローバル企業が世界を席巻した。IT業界を越えて、一般の人がGAFAのデバイスとサービスを使い、GAFAが大きなシェアを握り、GAFAの株価は急上昇した。

今年起きたIT関連の事件といえば、Facebookの個人情報流出が挙げられる。Facebookが大量の個人情報を有し、その個人情報を使ってビジネスを行っていることが白日の下に晒された。

以前からわかっていたことだが、流出事件により、改めて問題が世間にクローズアップされた。GoogleとFacebookは基本的に無料で様々なサービスを提供する代わりに、個人情報を収集し、カスタマイズされた広告を個人ごとに表示することで利益を上げてきた。

圧倒的なシェアを握るGAFAのパワーを、各国政府が規制や税制で縛ろうするとしている。EUではGoogleに対して制裁金を課し、日本でもいわゆる「GAFA」税が検討されている。現在GAFAの株価は大幅に下落している。

こういった状況にFacebookのザッカーバーグCEOは「金持ちだけではなく多くの人にサービスを無料で提供するためには今の方法しかない」と反論する。インターネットは無料で様々なサービスを提供することができたのは、広告モデルのおかげだ。個人情報と紐付いた効果的な広告を見せられる代わりに、我々は多くのサービスを無料で享受できてきた。

GAFAへの規制が強まってくれば、無料サービスの提供が制限される可能性はある。それはインターネットという楽園の終わりなのか、もう少し秩序だった新しい世界のはじまりなのかはまだわからない。

来年は、利便性と個人情報の関係がさらに問われる年になるだろう。