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iPhone 13が23円?最新のスマホを安く手に入れる方法と仕組み

iPhone 13 miniが23円?

最近iPhoneが格安で販売しているチラシを見かける。現行モデルであるiPhone 13シリーズが1円で販売されているケースもある。SNSでも報告がちらほらある。

もちろん、最新機種がこんなに安くなるわけがないのでカラクリがある。

23円で手に入れるには、2つの条件がある。

  • MNPすること
  • 「いつでもカエドキプログラム」に加入すること

MNPすることで、2万2000円の本体割引が受けられる。回線込みの端末販売の割引が2万2000円に制限されているので、この額になっているが、それ以外に店舗独自の割引がつく。

最後のポイントが「いつでもカエドキプログラム」だ。このプログラムでは23ヶ月に端末をドコモに返却することで、端末の残価がゼロになる。つまり、端末を半額に近い価格で入手できる一方、いずれ返却することになるので、ドコモから端末を2年間レンタルしていることになる。

ドコモ以外でも、au、ソフトバンクでも同様の値引きスキームは存在する。

抜け道?

法律で一定期間の回線契約と端末のセット販売は禁止されている。各キャリアが回線ユーザーを確保するために値下げ競争を行うのを防止するのが目的だ。ユーザーとしては安くなる分には困ることはなさそうだが、新規契約者ばかり優遇されることと、長期回線契約を結ぶため大手キャリアから移動できなくなり正当な競争ができなくなる弊害があった。

端末と回線を分離販売することで、キャリアを気にせず自由に端末を手に入れることができるようになったが、一度に支払う端末価格が高騰したので、ユーザーからすると大幅に値上がりしたように見えてしまった。当然、端末の売上は落ち込んだ。

今回の「実質レンタル」であれば、販売ではないのでMNPと端末のセット販売ができる。法律ではレンタルとMNPのセット販売は禁止されていない。長期回線契約がセットなら法律違反だが、この販売方式では翌月に他のキャリアにMNPしても問題はない。

端末の値引き額は法律によって制限はあるが、店舗が独自に割り引く額には制限がない。でも、そんなに値引きして店舗が本当に元を取れるのだろうか。表には出ないが、MNPすることでキャリアから店舗へインセンティブを出していると思われる。結果的に法律の制限以上にキャリアが値引きをしていることになる。

「実質レンタル」プログラムは、長期回線契約ではないが、お得に使うためには23ヶ月間同じ端末を使い続けなければならない。SIMロックは原則禁止になったので、SIMロックの解除は不要だが、スマホに慣れた人でないとMNPをしないで、そのまま使い続けてしまいそうだ。

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「情弱」が損をする規制

法律によって、回線と端末のセット販売に制限ができた。だけど、見てきたように「実質レンタル」を用いた抜け道ができてしまっている。

ただし、回線契約と「実質レンタル」プログラムが一体化していないので、安く端末を得た後で、さっさと別の回線にまたMNPすることができる。

だったら、ユーザーは損しないように思えるが、ここで問題なのは正規に購入した人との格差だ。このスキームを知っていて二度のMNPをする手間を面倒くさがらずにできる人は端末が安く手に入る。だが、それができない人・知らない人は高く購入しなければならない。

政府の主導で、ahamoなどのオンライン格安プランが登場しても現行の割高なプランを使い続けている人は多い。どんなにPRしても、安くても、手間を掛けない人はいる。みんながみんな携帯のプランのことばかり構っていられないのだ。

そう考えると、以前のセット販売の方がわかりやすく、まだ公平だったような気もしてくるが、どうだろう。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。
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