Kindleで本を販売する
Kindle Direct Publishing (以下、KDP)を使って、誰でもKindleで本を販売することができる。
価格は作者が設定できるが、最低希望小売価格と最高希望小売価格が決まっている。日本だと99円以下の価格では販売できない。
利益を得たいなら、これで構わないけど、「とにかく多くの人に読んでもらいたい」という人にはちょっと困ってしまう。Kindleでの独占販売を保証する「KDPセレクト」に登録すると、「Kindle Unlimited」ユーザーなら無料で読んでもらえるが、未契約の人に読んでもらうためにはお金を支払ってもらわないといけない。
ところが、ある方法を使うと、最低希望小売価格以下で販売することができる。
その方法をご紹介します。
0円の価格で本を販売する方法
0円で販売するためには、「プライスマッチ」という制度を利用する。「プライスマッチ」は、Amazonで販売している本と、他のストアで販売している本を同一価格にする制度だ。「プライス」を「マッチ」するわけだ。
「プライスマッチ」を利用すれば、他のストアで0円を販売することで、Kindleでも0円で販売できる。
「プライスマッチ」を利用するには
- 「KDPセレクト」に登録していない
ことが条件になる。「KDPセレクト」は「独占販売契約」なので、他のストアで販売することができない。一度「KDPセレクト」で登録しても3日以内ならキャンセルできる。それ以降であれば、Amazonに問い合わせる必要がある。通常は90日間経過すると、登録が終了する。
「プライスマッチ」はAmazonが勝手に行なってくれるわけではないので、自分から申請しないといけない。
全体の流れは、こちら。
- Kindleで販売するのと同じ電子書籍を、他の電子書籍ストアで販売する
- 「プライスマッチ」をAmazonへ申請する
他の電子書籍ストアはいくつもあるが、出版するのが一番楽なのは「楽天kobo」電子書籍ストアだ。楽天が運営する電子書籍「kobo」は0円で販売することができるし、出版するのも容易だ。
楽天koboで出版する方法
- 楽天koboライティングライフにアクセスしてログインする
- 「作品一覧」から「電子書籍を作成」を選ぶ
- 「作品の詳細情報を入力」する。「著者」に本名が自動的に挿入されているので、注意。「出版社」は空欄ではダメ。筆者は「筆者名」を入力した。表紙の画像はここからアップロードする。「保存して続ける」をクリック
-
「作品を入稿」する。楽天koboがサポートしているファイルはEPUB3のみ。Kindleとは違いPDFやWordは不可。EPUB3に変換するアプリを持っていない人は、変換してくれるオンラインサービスがあるので利用してみよう。
- 「出版権を設定」する。特に困らなければ「デジタル著作権管理の適用」は「オフ」、「すべての地域で権利を有します」は「オン」。「保存して続ける」をクリック
- 「価格を設定」する。ここで「0円」に設定する。「保存して続ける」をクリック
- 「電子書籍を出版」する。「電子書籍を出版」をクリック
- 問題がなければ、数日で出版される。楽天からメールで連絡が来たら、「Rakutenブックス」で正しく販売されているか確認しよう。
「プライスマッチ」を申請する方法
- KDPにアクセスして、「サインイン」する
-
「ヘルプ」を選ぶ
- 左下の「お問い合わせ」をクリック
- 「価格設定」→「プライスマッチ」を選ぶ
- 「お問い合わせ内容」を記入。内容は、こちら。
・ASIN:Kindleで出版した本のASIN
B00FPQ7WGE
・Kindleストアのリンク:対象のKindle 本のリンクを表記
https://www.amazon.co.jp/dp/B00FPQ7WGE/
・現在の競合者の地域のリンク:楽天ブックスのリンク
https://books.rakuten.co.jp/rk/fa9fb92e84ae3d6f8c40dd67ed27f979
・ 現在の競合者の価格:0円 - 「メッセージを送信」をクリック
- 数日経つと、Amazonからメールが届く。問題がなければ、Amazonでの販売価格が「0円」になっている。
読者は増えるけど売り上げにならない
今回初めて「楽天ブックス」を利用してみたが、さっそく何冊か売れていた。と言っても0円なので、当たり前だけど利益にはならない。Amazonも0円に設定したら、何冊か売れていたけど、やっぱり0円なので、売上には貢献しない。
それでも、多くの人に読んでもらえるなら、作者として嬉しい限り。売上なんて関係なく多くの人に読んでもらいたいなら、お試しください。