耳穴をふさがない「LinkBuds」登場
ソニーが新しいワイヤレスイヤホン「LinkBuds」を発表した。LinkBudsは耳の穴をふさがないのが特徴で、ソニー史上最軽量なこともあり、着けていることを忘れさせる装着感だそうだ。ダルマ形というか斬新な形状をしている。
ソニーのワイヤレスイヤホンといえば、「WF-1000XM4」だ。LinkBudsとWF-1000XM4を徹底比較してみます。
<2022/05/20追記>
LinkBudsの兄弟機「LinkBuds S」が発表された。LinkBuds Sとの比較記事は、こちら。
- 耳穴をふさがない「LinkBuds」登場
- ドライバーユニット
- チップ
- 装着感
- バッテリー駆動時間
- 耐汗耐水性能
- ノイズキャンセリング
- 空間オーディオ
- センサー
- 操作性
- アダプティブサウンドコントロール
- 充電ケース
- マイク
- サイズと重量
- 価格
- 気軽に使えるワイヤレスイヤホン
ドライバーユニット
- LinkBuds・・・12mmリング型ドライバーユニット
- WF-1000XM4・・・6mmドライバーユニット
別のドライバーユニットが使用されている。LinkBudsは真ん中が空いている特徴的な形状なので、新規設計されたのだろう。穴が空いているので、ドライバーユニットが大きいからといって迫力がある音かはわからない。
チップ
- LinkBuds・・・統合プロセッサーV1
- WF-1000XM4・・・統合プロセッサーV1
チップは同じ「統合プロセッサーV1」を搭載している。同じチップなので、ノイズキャンセリング性能も実現できるはずだが、Link Budsではノイズキャンセリング性能は使えない。
装着感
LinkBudsはカナル型ではないので、耳の穴にはなにも入れず、耳の形状にはめる感じになっている。カナル型のWF-1000XM4だが、耳の穴に差し込むだけではなく、耳の穴にはめこむ形状をしている。しっかりはめると落ちそうな感じはしないが、イヤホンの重さは耳に伝わってくるし、耳から出っ張っているのでマスクを外す時などひっかりそうになる。
WF-1000XM4よりもLinkBudsは軽量で薄いので出っ張り部分は少なく、イヤホンを装着している感触がしなさそうだ。
バッテリー駆動時間
- LinkBuds・・・イヤホン5.5時間 + ケース12時間
- WF-1000XM4・・・イヤホン8時間 + ケース16時間
LinkBudsは軽量な故にバッテリー駆動時間は短い。ケースも小さいので、イヤホンを充電できる時間も短い。これはLink Budsを使うのには結構ネックになる気がする。
耐汗耐水性能
- LinkBuds・・・IPX4相当
- WF-1000XM4・・・IPX4相当
耐汗耐水性能はWF-1000XM4と同等。雨でも汗でも問題なく使用できそうだ。
ノイズキャンセリング
- LinkBuds・・・なし
- WF-1000XM4・・・あり
耳の穴がオープンなLinkBudsにはノイズキャンセリング性能はない。その代わりにLinkBudsはイヤホンを装着したまま、外部の自然に音を聞くことができる。WF-1000XM4は外部音取り込みモードを搭載しているが、直接聞くのに比べると不自然な感じがする。
どちらかが劣るとかではなく、ノイズキャンセリングを使って集中したい人はWF-1000XM4、外部の音を自然に聴きたい人はLinkBudsを選ぶと良いと思う。
空間オーディオ
- LinkBuds・・・360 Reality Audio認定モデル
- WF-1000XM4・・・360 Reality Audio認定モデル
両モデルともソニーが推進している360 Reality Audioに対応している。同じチップを採用しているので、同性能だと思われる。
センサー
- LinkBuds・・・タッチセンサー
- WF-1000XM4・・・タッチセンサー
両モデルともタッチセンサーを採用していて、イヤホンを外すと音楽を一時停止することができる。
操作性
- LinkBuds・・・ワイドエリアタップ
- WF-1000XM4・・・イヤホンをタップ
LinkBudsは、イヤホン近くの耳をタップしても操作できるワイドエリアタップに対応している。LinkBudsは形状が小さいので、イヤホン本体をタップするのが難しいので開発された機能だと思う。WF-1000XM4のセンサーも感度は高いが、耳でも良いなら、誤動作は少ないと思われる。
アダプティブサウンドコントロール
- LinkBuds・・・ノイズによって音量を変更
- WF-1000XM4・・・場所によってノイズキャンセリングをオン・オフ
ノイズキャンセリング性能がないLinkBudsは環境ノイズによってボリュームが上下する。結構便利そうだが、音量が上がると音漏れが気になる。
充電ケース
- LinkBuds・・・ワイヤレス充電非対応
- WF-1000XM4・・・ワイヤレス充電対応
LinkBudsはワイヤレス充電に非対応だ。今時珍しい。ケースはマグネットではなくプラスティックの爪で止める仕様になっていて、WF-1000XM4より低コストに仕上がっている。
マイク
- LinkBuds・・・AI技術を活用した高精度ボイスピックアップテクノロジー
- WF-1000XM4・・・高精度ボイスピックアップテクノロジー
LInk Budsの説明では、「AI技術を活用した」という記述がある。AIの機械学習により声とノイズを分離しているらしい。LinkBudssの方が高性能なようだ。
高度な音声信号処理を行う高精度ボイスピックアップテクノロジーにより、高い通話品質を実現。5億サンプルを超えるAIの機械学習で構成された装着者の声とそれ以外の環境ノイズを分離するアルゴリズムによって周囲の環境ノイズを抑え、騒がしい場所でもあなたの声をクリアに抽出します。
サイズと重量
LinkBudsの特徴の一つは「軽い」ということだ。WF-1000XM4のイヤホンは、本体サイズの約半分だ。ケースも小さく26%小型化している。
イヤホンは薄く、耳にすっぽりとおさまる。5種類のフィッティングサポーターがついていて、どんな耳の形状にもフィットしそうだ。
イヤホンの重量は約4.1gで、軽量なことに定評があるAirPodsとほぼ同じ重さだ。AirPodsよりも耳に密着しているので、LinkBudsの方が軽く感じると思う。
ケースは小さいが、厚みはある。ころころしていて河原にある小石みたいな形をしている。
価格
- LinkBuds・・・23,000円
- WF-1000XM4・・・33,000円
市場想定価格は、LinkBudsの方が10,000円安い。ただ、現在のWF-1000XM4は25,000円前後で販売しているので、そこまでの価格差はない。
気軽に使えるワイヤレスイヤホン
重量級なイヤホンであるWF-1000XM4と比べて、価格も安く軽量なLinkBudsは気軽に使えるワイヤレスイヤホンだと思う。
ワイヤレスイヤホンが一般化して、日常的にイヤホンを装着している頻度は増えた。便利だけど、外部から遮断されている気がするし、周りの人も声をかけづらい。LinkBudsの耳の穴が開いている形状は、自然に外部音が入ってくるのと同時に見た目でも外部と繋がっている印象がする。
おそらく、「ワイヤレスイヤホンをつけても外部と繋がる」というコンセプトのもとにLink Budsは作られたのでは?
ノイズキャンセリング性能がないので、集中したい時に使うというよりは、外部の気配を感じながら音楽を楽しみたい時には最適なイヤホンだと思います。