M1 Ultraとな
Appleは春イベントで新しいAppleチップ「M1 Ultra」を発表した。M1 UltraはM1 MAXを2つ連結させて1つのパッケージにしたチップだ。まさか、Max(マキシマム)の上位チップがあるとは思わなかった。
イベントの前にはM2チップが発表される噂があったが、そうではなかった。M1 MAXがベースになっているとはいえ、大幅な性能アップなのでM2を名乗っても良いと思うが、Appleからすると、現状のプロセスルールである5ナノメートルプロセスで製造されているチップは全てM1と名乗ると決めているのかもしれない。製造プロセスが変わらない限り、いくらコアを増やしてもダイサイズが大きくなっても、M1シリーズとなるようだ。
チップがあっても、搭載する製品がなければ意味がない。Appleは自社製チップを自社製品のために開発している。チップから、Macの戦略を考えてみます。
4種類のM1チップ
現在発表されているM1チップは4種類と製品名は、こちら。
- M1・・・MacBook Air、13インチMacBook Pro、iMac、Mac mini、iPad Air、iPad Pro
- M1 PRO・・・14 / 16インチMacBook Pro
- M1 MAX・・・14 / 16インチMacBook Pro
- M1 Ultra・・・Mac Studio
エントリーモデルからスタンダードモデルのMacをM1がカバーしている。
iPadは逆に中位から上位版に当たるiPad AirとiPad ProにM1が搭載されている。エントリーモデルのiPadは今まで通りAシリーズのチップが使われている。
M1 PROとM1 MAXは上位版MacBookに使われている。両チップは、4K動画を余裕で編集できるぐらいハイパワーで、Macのプロシリーズに相応しい性能を誇る。
それでも上位版デスクトップには不足だったようで、今回M1 Ultraが開発されて、Mac miniの上位版とも言えるMac Studioという新モデルが登場した。Mac StudioはMac miniに強力な冷却機構を加えたハイパフォーマンスモデルだ。
それでも、まだM1化されていないMacがある。Mac Proだ。デスクトップMacの最上位版であるMac Proは今でもIntelチップを搭載し販売されている。
他にもiMac Proや27インチiMacはあったが、今は販売停止になっている。残るIntel版MacであるMac Proも、Appleの”公約”では年内にAppleチップ化されるはずだ。
Mac Proに搭載されるのはM1 Ultraだと思うが、ひょっとするとさらに別のM1チップが発表されるかもしれない。
次世代チップであるM2がMac Proに搭載される可能性はあるのだろうか。上位版モデルに最新チップを搭載し、時間が経過してからスタンダード・エントリーモデルに使われるのは、Appleではよくある戦略だ。Aシリーズのチップは最初iPhoneのナンバリングモデルに搭載され、のちにiPhone SEに採用されている。
ただ、Mシリーズのチップはコア数を拡張させて性能を向上させることができるので、標準のMシリーズのチップには絶対性能を追求するのではなく省力化と縮小化が求められる。ベーシックのMシリーズのチップは、最新版であってそこまでの性能ではなく、エントリーモデルとスタンダードモデル向きのチップだ。
絶対性能はコア数を増やし、2つのチップを連結させてハイエンドマシンに搭載できる。
そこから考えられるのは、チップとモデルが完璧に連携させるAppleの戦略だ。
まとめると、こんな感じ。
- Aチップ:iPhone、エントリーモデルのiPad
- Mチップ:上位版iPad、エントリー・スタンダードのMacBook / デスクトップMac
- M PRO / M MAX:上位版MacBook / デスクトップMac
- M Ultra:上位版デスクトップMac
今後のMチップは、Aチップと同様に毎年ナンバリングが増えていって、そのカテゴリーの製品にチップが採用されていくと思われる。
省力化が特徴のMチップでも、コア数を増やした上位のチップは発熱が高く、消費電力も大きい。Aチップとは違い、エントリーモデルに敷衍させる方式は使えない。モデルごとにチップが割り当てられて、毎年アップデートされる方式をとると予想される。
明確になったAppleの戦略
自社チップを開発製造することで、自社の戦略通りに製品のアップデートを実現できる。Intelのチップを使っているときは、Intelのチップ開発に製品のモデルチェンジが左右されていたし、チップ開発が遅れれば新製品も発表できなかった。
Mチップのおかげで、Appleは自社ですべてをコントロールできるようになったし、製品に合わせて必要な性能のチップを開発できるようになった。
自社で全てをコントロールする。それがMチップをAppleが開発した一番の目的なのだと思う。