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メタの株価がメタメタになった理由を考える

Metaの株価が暴落

Facebook改めMetaの株価が暴落した。2月3日に前日比26%急落した。時価総額では約27兆円が消失したことになる。

どうして、こんなに株価が下がったのか理由を考えてみます。

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既存ビジネスの不調

売上高は上昇したがアナリスト予想を下回り、Facebookの会員数は初めて減少した。今後の業績にも悲観的な見通しを示した。TikTokなどとの競争激化に加えて、Appleがターゲティング広告を制限したことで、Metaが得意としていた個人情報とリンクした広告の販売が減少すると今後予想されている。Facebookは個人情報の塊だ。今まではそのFacebookの個人情報をもとに広告を表示し、今まではクライアントに広告の効果を明示できたが、Appleがターゲティング広告の有無をユーザーが選択できるようにしたことで、今までのビジネスモデルが使えなくなってきた。ライバルで同じく広告事業を主体とするGoogleの決算は好調なので、Metaの不調が余計に目立っている。

新規事業への失望

ターゲティング広告の制限以前にも個人情報保護について懸念を持たれていたMetaは、社名も変更し、メタバース企業に生まれ変わると、宣言していた。

そのメタバース事業も現状はうまくいっていない。売上高はわずか23億ドルで、大部分はヘッドセット「Oculus」の売上だと思われる。

メタバースのプラットフォームを提供することで、仮想空間へ入るためのヘッドセットやVRグローブなどのハードウェアとソフトウェア、仮想空間内でのビジネスを独占しようとするMetaの思惑が実現する見通しが、現状では全く見えていない。

メタバースが本当に将来のITを担うものになるのか、今までも光っては消えていったバズワードのひとつなのかすら、不透明だ。

もしメタバースが一般化したとしても、Metaがそれを担えるかもわからない。強力な垂直統合でユーザーを囲い込んでいるAppleがメタバースに参入したら、一定のユーザーを確保することになるだろう(AppleがARゴーグルを開発している噂がある)。

その時はAmazonやGoogle、Microsoftも無関心ではいられないだろう。流行るかどうかもわからないし、Metaが主導権を握れるかもわからない。既存ビジネスが窮地に陥っているので、仕方がなく勝算が不明なギャンブルにMetaが足を突っ込んでいるように見える。

今後は?

売上がまだ伸びている段階で、26%の株価暴落はさすがに売られすぎだと思う。市場が不安定で、Netflixの不振などIT企業に向けられる視線が厳しい現状もあるので、今後は少しは揺り戻しがあるだろう。

ただ、Metaが本格的に復調するには、メタバースの成功が欠かせない。Metaがどのようにメタバースを盛り上げて行くのか注視したいと思います。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。
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