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携帯電話の新料金プランへの移行状況。楽天モバイルへの乗り換えが加速?

新料金プランへの移行状況

総務省が、携帯電話の新料金プランへの移行状況を発表した。

実際の移行数ではなく、どのキャリアからどのキャリアへどの程度のユーザーが移行したかアンケートで調査した。その数字を見ていきたいと思います。

料金プランの比較

移行数を確認する前に、各キャリアの新プランの内容を比較してみる。

総務大臣の要請でNTTドコモがahamoを発表したことで始まった料金プランの変更は、20GBの大容量プランの料金を大幅に下げた。3大キャリアの新プランはセカンドブランを合わせて、2GB3000円未満の新しいプランのグループを形成している。

20GB未満の低容量プランは、MVNO各社が値下げをして1500円前後まで下がってきた。3大キャリアは5000円以上が主流なので、低容量プランはMVNO、大容量プランがMNOが安いという棲み分けが定着してきている。

その棲み分けを横断するように楽天モバイルがある。1GB未満無料、20GB以下ではMVNOと互角の料金、20GB以上はデータ容量無制限でMNOを上回ったプランを従量制1プランでカバーしている。

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移行したユーザーは約10%

新料金プランへ乗り換えた人は9.5%、乗り換えを検討しているユーザーを含めると約37%で、3人に1人はすでに新プランへ乗り換えたか、今後乗り換えを検討している。

逆にいうと、安くなっても63%のユーザーは乗り換えるつもりがない。総務省が圧力をかけて値下げしても、過半数のユーザーは興味がないのだ。乗り換えれば支払いが減るのを承知で乗り換えないのだから、それらのユーザーのキャリアへの信頼が厚いのだろう。その多くは3大キャリアのユーザーで、料金だけではなく付帯するサービス、窓口でのサポートを必要とするユーザーが多いことがわかる。


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移行先トップは楽天モバイル

移行したユーザーの移行先のトップは楽天モバイル。全体で32.9%、3人に1人が楽天モバイルに移行している。

キャリア別に見ていくと、NTTドコモはahamoへ移行するユーザーが多い。ドコモからプラン変更したユーザーの7割がahamoへ移行していて、残りのユーザーは楽天モバイルへ流れた。

KDDIはpovoだけではなく、セカンドブランであるUQモバイルへの移行も多い。

ソフトバンクは3大キャリアの中では異なる傾向だ。ソフトバンクからLINEMOのユーザーへの移行は少なく、ワイモバイルと楽天モバイルへの移行が目立つ。値段が安いからソフトバンクを選んでいたユーザーが、キャリアのブランドは関係なくワイモバイルと楽天モバイルへ移行したと思われる。

注目はMVNOで、MVNOから移行したユーザーの約半数が楽天モバイルを選んでいる。他のMVNOへ移行した人は全体の7.4%しかおらず、低価格を求めるユーザーが楽天モバイルに流れ、MVNOの苦境に陥っているのがよくわかる数字だ。f:id:tkan1111:20210710101537p:plain

楽天モバイルの進撃はこの先も続く?

ahamoなどの新プランによりドコモとKDDIはユーザーの流出はある程度防げている。もしも新プランがないままで、楽天モバイルが1GB無料のプランを発表していたら、もっと多くのユーザーが楽天モバイルへ流れていただろう。

移行を検討しているユーザーの3割のさらに3割、つまり全体の10%近いユーザーが将来的に楽天モバイルへ移行する可能性がある。そうなれば、楽天モバイルは一気にシェアを広げることになる。

楽天モバイルの快進撃はこの先も続くのだろうか。ポイントは回線品質の向上と収支改善だろう。

楽天モバイルの電波は、地下鉄や建物内では入りづらい場合がある。いわゆるプラチナバンドを持っていないのが原因で、楽天モバイルも総務省に要望を提出している。プラチナバンドの獲得と敷設による回線品質の改善今後の鍵となる。

もう一つは、赤字の解消だ。楽天モバイルは直近の4半期で940億円の巨額の赤字を計上していて、赤字幅は拡大する一方だ。売り上げも伸びているが、コストの増大には全く追いついていない。1年間無料ユーザーが大半を占めていて、回線敷設のコストがかかっているのが赤字の理由だ。今は楽天本体が補填しているが、赤字状態が続くようでは経営責任を問われかねない。

1年無料ユーザーが減っていくので売上は少しずつ増えていくだろう。そのユーザーを繋ぎ止めるためには回線品質の向上が必要で、そのためにはコストをかけて回線を増強しなければならない。

楽天モバイルは、回線増強しながら赤字から脱却するという難しい舵取りをとっていく必要がある。

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