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好調な任天堂の決算。「巣ごもり消費」の勝者、任天堂の課題とは?

好調だった任天堂

2020年3月期の任天堂の決算は売上が前年同期比プラス9%、営業利益がプラス41%と好調だった。

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コロナ禍によるロックダウンと外出自粛による「巣ごもり消費」でゲーム機の販売と新発売の「あつまれどうぶつの森」が絶好調だった。

特に、いわゆる箱庭ゲームである「ぶつ森」はご時世にマッチして、売り切れが続出し、発売から6週で1177万本と記録的な売り上げとなった。

今回の決算を細かく見ていきたいと思います。

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全世界で売れているNintendo Switch

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日本・北米・欧州の全地域で販売台数を伸ばしている。任天堂ビジネスの大きな特徴は全世界で幅広くビジネスを展開していることで、今回の決算では言及されていないが中国でもNintendo Switch(以下、Switch)の販売を開始した。

全世界のコンシューマ市場でハードウェアを売っている日本企業は非常に珍しい。

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デジタル販売比率も向上

ダウンロード販売、Nitendo Switch Onlineの売上も伸びている。外出できないこともあり、デジタル販売比率も25%から34%に増えた。

月額制のNitendo Switch Onlineは日銭が入るので、経営が安定する。有料オンラインサービスでは任天堂は後発だったが、スマブラの効果もあり一般化した。

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モバイルビジネスも伸長

全体の売上の割合はまだ少ないがモバイル・IP関連も好調で、前年同期比プラス11%。スマホで遊べる「どうぶつの森ポケットキャンプ」「マリオカートツアー」がヒットしている。

Switchのソフトと連携することでまだ伸びる余地がありそうだ。

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課題は自社ソフト販売比率とSwitch Lite

任天堂ハードといえば任天堂のソフトしか売れない課題を常に抱えているが、今期も自社ソフト売上比率が約83%と高いままだ。スタートダッシュを決めるために販売当初は自社ソフトが強いのはわかるが、Switchは販売開始から3年が経過している。任天堂も最近このことを課題としてあげなくなっているので半ば諦めているのだろう。

自社ソフトでラインナップをそろえるために研究費が180億円、20%増えている。

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もう一つの課題はSwitchの販売台数が減少している点だ。Switch Liteを含めた販売台数はプラス24%と伸びているが、Switchの販売台数はマイナス約13%だった。

Switch Liteの販売価格はSiwtchよりも1万円、3割も安い。Switch Liteが売れたことで、ハードの総売上は伸びているが、一台当たりの販売単価は落ちてしまった。

ゲームのハードウェアビジネスは、新ハードウェア販売当初は高スペックの製品を低価格で販売しシェアを握り、その後ハードウェアのスペックを変えずに内部パーツの価格が低下することで利益を得る。

販売台数が落ちてくると値下げするが、任天堂はテレビ画面に表示するドックを省略したSwitch Liteを昨年投入した。

家庭内での2台目需要を狙った施策だが、1台目に買われてしまうと売り上げが落ちることになる。ただ、テレビに表示して遊ぶ必要がない「ぶつ森」をLite投入後に発表したのはうまい戦略だった。一人でコツコツ遊ぶ「ぶつ森」とSwitch Liteの相性は抜群だ。

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ヒット作を継続的に投入できるか

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全世界で好調な任天堂の将来は安泰に見えるが、見てきたように任天堂の自社ソフトが売れないとビジネスが立ち行かなくなる。いくつかの新作ソフトが用意されているが、「ぶつ森」「ゼルダの伝説」ほど大作は発表されていない。

開発中のソフトはあるのだろうが、継続的に新作ソフトを投入できるかが好調さを維持できるかどうかのポイントとなる。

 
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