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任天堂の本気が窺えるニンテンドーラボレビュー

遅ればせながら購入した

十歳の娘が、「Nintendo Labo」(以下、ニンテンドーラボ)で遊びたいと何度も言うので、遅ればせながら先日買いました。評判通りの素晴らしい出来で、「ものづくり」が好きな子どもには最適の製品だと思います。

以下、ニンテンドーラボの優れている点を列記します。

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飽きさせない「つくる」

ニンテンドーラボは、3つの工程がある。「つくる」「あそぶ」「わかる」だ。ダンボールと輪ゴムを使って遊べるコントローラー「Toy-Con」を作成する「つくる」。作成したToy-Conを使ってゲームをする「あそぶ」。どうして動くかしくみを勉強できる「わかる」。

そのうちの「つくる」の一番の懸念は途中で飽きてしまうこと。「飽きた」と思ってしまえば、ダンボールの残骸ができるだけだ。

この「作る」の説明ガイドが本当によくできている。今まで見た全ての説明ガイドの中で一番の出来だと思う。

子どもが飽きさせない工夫が随所にある。部品を「XXくん」と呼んだり、バイクの説明ではライダーのようなセリフになったりと、読んでいるだけでも面白い。説明をスキップするのもただ長押しではなく、餅のようにボタンが伸びるようになっていて、グラフィカルで楽しい。

飽きっぽい筆者の娘も一度も止まらずにひとりで組み立てることができた。

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「あそぶ」はご褒美

正直に言って、ニンテンドーラボで遊べるゲームはミニゲームに毛が生えたようなものだ。「釣り」はゲーセンのメダルゲームみたいだし、バイクは往年のエキサイトバイクを思い出す内容だ。

レアな魚を集めたり、バイクのコースを作れたりするやりこみ要素はあるが、長い間遊べるゲームではない。

ただ、この簡易ゲームでも工作のご褒美としては上等だ。

任天堂の宮本茂氏が「ゲームには報酬が必要」と語っていたが、「作業」になりがちなゲーム中の行動を実行させるモチベーションのために「報酬」は重要だ。次のストーリー展開、仮想ステッカーなど、クリアするごとに何か報酬がないとユーザーは途中で挫折する。

ニンテンドーラボの場合、作る過程も面白いが、作る動機として「あのゲームができる」というのが大きい。自分で作っているから、進捗状況も明確だし、目的もクリアだ。

ゲームで遊ぶことが「ご褒美」になる点において、ラボは画期的と言える。

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出色の「わかる」

ニンテンドーラボのキモとも言うべきなのが「わかる」だ。IRカメラの仕組みを丁寧に説明してくれる。それも、マンガ風のキャラクターが会話形式で進めてくれるので、楽しみながら読むことができる。 

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筆者の娘が一番時間をかけて楽しんでいたのが、この「わかる」だった。パラパラと読んでいるのが楽しいようだ。

赤外線に興味をもったようで、テレビのリモコンや、Alexaと連携する家電コントローラーの仕組みについても知りたがるようになった。

 

任天堂の本気が窺えるニンテンドーラボ

娘がひとりで行っているので、後ろから見ていただけだけど、子どもが楽しんで学ぶのにニンテンドーラボは本当によくできている。

ここまで作り込むのに任天堂は多くの時間と手間をかけたに違いない。それだけニンテンドーラボを成功させることが重要だと任天堂が考えていたのだろう。Wii / Wii Uではライフサイクルの途中で発売するソフトが途切れてしまい、人気が急落してしまった。その教訓を活かして、Switchでは計画的にソフトを供給するように任天堂は取り組んでいる。

現状は任天堂が目指した売上を達成したかどうかはわからないが、任天堂とSwitchのイメージ向上には大きく貢献したと思う。