オミクロン株の感染が拡大
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が全世界で拡大している。南アフリカで変異株だと最初に特定されたが、その後すぐにスコットランドで変異種が発見されたので、おそらくそのときにはすでに欧米に広まっていたのだろう。
ワクチン接種が進み、日本では感染が沈静化してきた。欧米ではマスクなどの感染症対策を解除してしまったために感染は拡大しているが重症者が減っているので、社会は正常化に戻っている矢先での変異株の拡大でショックも大きく、全世界で株価が下落している。
オミクロン株はワクチンが効かずに感染するという報道もあり、正常化してきた社会が以前に戻ってしまうのではと危惧されている。
イプシロン株の感染拡大による日本とIT業への影響を考えます。
まだわかっていない変異株の威力
オミクロン株は、南アフリカだけではなく、オーストラリア、アメリカなどで感染が確認されているので、全世界にすでに感染が拡大しているのは間違いないと思う。
その事実からも感染力はかなり高いと思われる。デルタ株の例からも感染力が高い変異株が登場したときは過去のウイルスが駆逐されているので、早晩オミクロン株が他の変異株を駆逐するのは間違いない。
まだわかっていないのは、ワクチンの効果があるかどうかだ。ワクチン接種が進んでいる現状でも、オミクロン株の感染が全世界で進んでいることからもワクチン効果が従来の変異株より低いとは言える。日本で感染が拡大された人も2回のワクチン接種を終えていた。オミクロン株はスパイクタンパク質の変異が30ヶ所以上あり、ワクチンが「効きづらい」可能性はかなり高い。
ただ、ワクチンによる免疫がゼロになることはない。南アからは、オミクロン株に感染した患者は酸素吸入が不要なケースがほとんどで、デルタ株とは症状が異なるという報告が上がってきている。
現時点では不明な点が多いが、混乱せずに今まで通りの感染症対策をとることが現状ではベストだろう。
日本では？
日本でも再び感染拡大が起きると、「またか」といううんざりした空気が流れると思う。ただ、この一年半で、日本人も学習してきたし、ワクチン接種が進んだ実績もあるので、大きなパニックにはならないと思われれる。
政府も感染者が増えても重症者が急増して病床が圧迫されない限り緊急事態宣言を発出しないと言っているので、感染拡大＝自粛とはならない可能性が高い。
IT業界は？
IT業界も同様に、現時点で大きな動きになっていない。ITの中心であるアメリカでは経済活動が正常化に近づいているので、オミクロン株感染によって、大きな方針変更があるようには見えない。
現時点でもアメリカは一日10万人近い感染者数を出しているので、オミクロン株に切り替わったところで、よほど重症者数が増えなければIT業界の対策も大きくは変わらないだろう。
あるとすれば、オフィスでの事業再開が遅れることぐらいか。Appleは2022年2月にオフィスでの勤務を再開すると報道されている。他のアメリカ系のIT企業でも、オフィス再開を決めている（またはすでに実施ずみ）の企業が多いが、感染者数が拡大すると、その時期が遅れる可能性はある。ただ、すでにリモートワークで業務が進むようにIT各社は対策しているので、大きな影響はないと思われる。
長期的に見れば、感染拡大が続けば、メタバースへの追い風になる可能性はある。メタバースが実際にスタンダードになるかどうかは不透明だが、コロナ禍でも活動できるメタバースにこれまで以上に注目が集まるかもしれない。
現時点では、メタの株は社名変更後大きく下がっており、メタバースが急成長する萌芽は見てとれない。
とにかくパニックにならず冷静に
現時点でオミクロン株は不明な点が多いが、我々がやれることは大して変わらない。マスクなどの感染対策をしてワクチンを接種する。ワクチン接種から期間があけばブースター接種をする。
IT業界はその技術を駆使して、コロナの環境にいち早く慣れた業界だ。もともとリモートークが最も浸透していた業界だ。
オミクロン株の感染が拡大しても、IT業界の優位性は失われないだろう。巣ごもり消費、リモートワークなどコロナ禍が追い風になってきたこともあるので、オミクロン株の感染拡大でIT業界が大きなダメージを受けるとは考えづらい。
とにかくパニックにならず、オミクロン株の影響を見定めるのが大事だと思います。