パソコン市場が復活
パソコンというと「若者のパソコン離れ」「パソコンはオワコン」と言われ続けて、年々出荷が減ってきたが、今年は出荷が伸びている。
MM総研の調べで、4月から9月までのパソコン出荷台数は、前年同期比50.2%増の約782万台だったことがわかった。
スマホ全盛のこの時代に、どうしてパソコンの出荷が伸びているのか考察してみます。
慌てて買い換える国内企業
伸びたのはビジネス向けだ。個人向けは約23%増加したのに対して、ビジネス向けが63%伸びた。
伸びた理由のひとつは、Windows 7のサポート終了だ。Windows のサポート7終了が近づき、パソコンの買い換えが進んでいる。OSがサポート終了すると、パソコンの出荷が伸びるのは全世界共通だが、日本が圧倒的に多い。
数年に一度、社員のパソコンを買い換えるルールになっている外資系企業が多いが、国内企業ではそのような制度がなく、古いパソコンを使い続けている社員も多い。
そういった企業でも「OSのサポート終了」と言われると、セキュリティを考えて買い替えを検討せざるを得ない。
そのため、情シスがない中小企業が多い日本の企業はOS終了に合わせて、突然買い替え需要が増える傾向にあるのだ。
働き方改革とeスポーツ
出荷が伸びたのはノートPCだ。働き方改革が推奨され、在宅勤務が増えているので、デスクトップPCからノートPCへの買い替えが伸びている。
企業によっては、在宅勤務のために個人PCを購入する補助をだしているところもある。
個人向けでは、eスポーツの伸長が挙げられる。eスポーツ用のパソコンはボリュームはまだまだ少ないが、ハイスペックなマシンが多く、金額ベースで売上に大きく貢献している。eスポーツは国体に採用されて、今後も発展が期待できる分野だ。
DellとHPが伸びた理由
大きく伸びたメーカーは、HPとDellのアメリカ企業だ。需要急増により、CPU不足が顕在化してきている。こういう供給不足のときは、大量にパーツを買い付けることが出来るグローバル企業が強い。NECと富士通もレノボ・グループに入り、パーツは国際調達になっているはずなのだが、あまり伸びていない。
DellとHPはゲーミングPCに力を入れているのも影響しているのかもしれない。
出典:MM総研
来年こそが買い替えのチャンス?
急な需要増のあとは、反動がつきものだ。以前も、Windows XPのサポート終了後には、急激な需要減少が起きた。
来年は、パソコンが売れない状態が予想される。こういうときは、逆にパソコンを買い換えるチャンスでもある。売れないので値引きが発生しやすい。
ここ数年の好調なパソコンの売上により、企業も開発資金を出しやすく、新製品も登場することも洋装できる。
個人でパソコンを買い換えるなら、来年がよいかもしれない。